大いなる陰謀
ハリウッドの名優3人が揃い踏みしたこの作品、特にロバード・レッドフォードは監督も勤めています。対テロ戦争を題材にした、いかにもアメリカらしい作品かもしれません。ただし、そこはさすがロバート・レッドフォード。単なる戦争映画ではなく、彼からの深い想いとメッセージが込められた作品となっています。
>>『大いなる陰謀』公式サイト
したらば観想。
「え?もう終わり?」
ジャスパー・アーヴィング(トム・クルーズ)は大統領への野心を抱く若き上院議員。彼は泥沼のイラク情勢から抜け出せないで苦しんでいる大統領を助ける名目で、アフガニスタンでの作戦を提案する。アフガンでの作戦が成功すれば、国民の目をイラクからアフガンに移せる上、対テロ戦争への支持を高めることが出来る。更には彼の次期大統領候補への格好のアピールになる。
アーヴィングはジャーナリストのジャニーン・ロス(メリル・ストリープ)を呼び、その作戦をリークするのだtった。もちろん彼の野心などはおくびにも出さずに。しかし、ジャニーンはアーヴィングの情報に何か裏があると気付き、全てを明らかにしようと決意するのだった。
一方、スティーヴン・マレー教授(ロバート・レッドフォード)は自分の部屋で一人の学生と面談をしていた。学生の可能性を引き出す教育を目指すマレー教授だったが、最近の学生は自分の可能性に対して何らアクションを起こそうとしないことに苛立ちを覚えていた。そしてその面談で過去に自分の学生2人が対テロ戦争に参加するために軍に入った話をする。
ーーアフガニスタン。マレー教授の教え子2人は、アーヴィングの作戦に従い、実際に対テロ戦争の任務に就く。それぞれの場所でそれぞれの人間がそれぞれの思惑を抱く中、彼ら2人の前に敵が現われた・・・。
いや、終わり方があまりにも唐突だったもので・・・。思わず自分が途中で寝てしまって、間を見逃したのかと思ってしまいました。(苦笑)ストーリー自体はそれほどダイナミックな展開をするものではないです。むしろ淡々と進んでいく感じ。
メインの登場人物であるアーヴィング、ジャニーン、マレー教授の3人、そして教授の教え子2人のそれぞれの場所での行動を描いているのですが、大きく違うのは教授の教え子は“戦場”にいて、他の3人はアメリカ本土にいるということ。つまり安全な場所にいるホワイトーカラーと危険な場所にいるブルーカラーの対比になっているという訳です。
教え子2人は自分たちがそれぞれ黒人とスパニッシュというマイノリティであるからこそ、行動を起こすことで国を変えることが出来ると考えたのですが、結局そんな想いも、一人の男の野望を達成するための道具として利用されてしまう。正に『大いなる陰謀』であり、またそれが現実でもあります。
2人の行動を認めつつも、軍に入隊する=戦争に参加するということに戸惑いを覚えるマレー教授や、事実を報道したいと思っても必ずしもそうは行かず、マスコミが戦争の片棒を担ぐことになってしまうことに葛藤するジャニーンを見るにつけ、“自分ならどうする?”と思わずにはいられないです。
戦争を身近に感じられない日本ではあまり考えたことの無い現実を考えさせられる作品でした。
個人的オススメ度(トム・クルーズとしくったなぁ・・・)
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