犬と私の10の約束
それでも感想。
突っ込み所満載すぎw
大学病院に勤める父・祐市(豊川悦司)は仕事人間。娘のあかり(福田麻由子)の誕生日にも仕事で帰りが遅くなる。ある日あかりが学校から帰宅すると母・芙美子(高島礼子)がいない。芙美子は父の病院に緊急入院していた。寂しさを紛らわすために犬を飼いたがるあかりの前に1匹の子犬が現れる。その子犬を飼うにあたり芙美子は“犬と私の10の約束”を聞かせるのだった。子犬はソックスと名付けられた。
一時退院をする母だったが、夏を待たずに亡くなる。あかりのショックを癒してくれたのはソックスだった。母を亡くした斉藤家に大きな変化が訪れる。父の転勤で札幌に行くことになったあかりは、自宅を見つけるまでの間幼馴染の星くんにソックスをあずけるのだった。しかしその星君が音楽留学することになり、ソックスは再びあかねの元に帰って来た。
やが7年の月日が流れる。大学の獣医学部を卒業したあかり(田中麗奈)は旭川の動物園に勤め始めた。幼馴染の進(加瀬亮)との恋、仕事の充実感、忙しさにかまけてソックスとは疎遠になるばかりだった。一緒に過ごせる時間は残り少なかったのに・・・。そんなある日、祐市からの電話でソックスが起き上がれなくなったことを知り急いで帰宅するあかり。祐市はあかりに母が描いた“犬と私の10の約束”のスケッチブックを渡す。
そこであかりは約束の9番目を思い出すのだった。「私は10年ぐらいしか生きられません。だから、できるだけ私と一緒にいてください。」
いきなり結論からいうと、物語ははっきりいってつまらないです。どこかで聞いた使い古されたエピソードの連続。突っ込み所が満載過ぎてストレートに感情移入出来ません。
いきなり庭にゴールデン・レトリバーの子犬は紛れ込んでこないだろ。預けたソックスをほったらかし(それも水道の蛇口にリードを引っ掛けただけ。)で一家で海外出掛けないないだろ。勢いで大学病院辞めていきなり開業って・・・wいくら幼馴染でも人の家に無断で上がりこまないでしょ。(しかも2回目はソックスつれて・・・)ちゃんと世話もせずほったらかしにした星家にまた愛犬を預けるあかりの神経は・・・。
っとまあ、あまりにも不自然かつむちゃくちゃなストーリー展開に気持ちは引く一方でした。ところが!ソックスが亡くなるシーンはやっぱり泣けるんですよね。この作品は“犬の十戒”(作者不明の英文の詩)をモチーフにして制作されたそうですが、要は“犬の十戒”自体が素晴らしい詩だということで、それに合わせるために後付けで物語をつけたから、陳腐なお話になってしまっているのでしょう。
“犬と私の10の約束”は犬と人間の関係を犬が人間に語りかける形式でつづられています。これは必ずしも犬だけに当てはまる内容ではなく、殆どのペット全般に当てはまることです。特に自分で犬や猫を飼っている人は、自然と約束の内容を自分に当てはめて考えてしまいます。
誰でも当然わかっているけども、あえて普段考えないようにしていること。すなわち「ペットは自分たちより先に死ぬ。」これをスクリーンの中で突きつけられるために泣けてしまうわけです。いずれにしろこの作品の見所はそこだけと言ってもいいかもしれません。演じている役者さんたちは私も非常に好きな役者さんたちなんですが、脚本は失敗です。
余談ですが、豊川悦司と田中麗奈を見ていると「大豆ですから!」に見えてしまったのは私だけでしょうかw
個人的オススメ度(ここ最近観た邦画3作品全部に加瀬亮さんが出演w)
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