西の魔女が死んだ
主演のサチ・パーカーは女優シャーリー・マクレーンの娘。公開時には京王エージェンシーが製作委員会に入っていることもあり、京王線の車両全部に中吊り広告がでたほど。試写会の応募をするも外れ、観よう観ようと思っているうちに意外なほど早く公開が終わってしまったので、やっと鑑賞です。
>>『西の魔女が死んだ』公式サイト
深い深いおばあちゃんの愛
まい(高橋真悠)は母親(りょう)に宣言した「私もう学校には行かない。」母は理由を聞かなかった。そして次の日、まいと母はおばあちゃん(サチ・パーカー)の家に向かった、しばらくの間まいはおばあちゃんの家で生活することにしたのだ。
まいはおばあちゃんが大好きだった。あばあちゃんもまいのことをとても愛していた。まいが「おばあちゃん大好き!」というと決まっておばあちゃんはこう答えた。「I know.」と。ある日おばあちゃんはまいにおばあちゃんの祖母は実は魔女だったのだと話をする。驚くまい。そしてまいも魔女になりたいと希望する。
翌日からまいの魔女修行が始まった。それはまいにとってとても新鮮で楽しい毎日だった。それはおばあちゃんにとってもだ。しかし、ある事件がその楽しい日々を台無しにするー。
とても心が癒される作品です。おばあちゃんのまいに対するあふれんばかりの深い愛情が観ている私たちにひしひしと伝わってきて、その優しさは日々の生活に疲れた私たちの心を癒してくれます。サチ・パーカーの演技、とても丁寧に日本語を話すその様は一言一言が説得力に富み、芯の強さを感じさせてくれました。少しも強制するような調子ではなく、穏やかに“言って聞かせる”あの口調は思わず「何を言うのかな?」と聞き入ってしまいます。
観ていてに既に亡くなった自分の祖母を思い出さずにはいられませんでした。きっと祖母も無条件で自分のことを愛していてくれたのだろうと思います。その時はもちろん子供だったこともあり分かりませんでしたが。
そんなおばあちゃんですが、唯一、まいをひっぱたいてしまうシーンがあります。その次のシーンではタバコを吸っているおばあちゃんの後姿がただ映っているだけなのですが、そのワンカットで、おばあちゃんは悟りきった聖人君子なのではなく、一人の人間としてまいのことをどれだけ愛していたのか、そしてその愛するまいに手を挙げてしまったことを後悔しているということをより強く我々に印象付けてくれます。
まいはおばあちゃんと不本意なお別れをすることになりますが、亡くなる前におばあちゃんはまいにあるメッセージを残します。まいは不本意なお別れをしたことをずっと心に抱えていたのですが、そのメッセージで、“おばあちゃんはいつだってまいのことを愛している”ということを悟ります。このシーンは私の心にずっと残る名シーンとして記憶されると思います。
ところで、おばあちゃんはイギリス出身という設定で、実際にサチ・パーカーもイギリスに住んだこともあるせいか、随所にイギリスらしいアイテムが出てくるのも本作品のポイント。野いちごのジャム、紅茶、クッキー、サンドイッチ、食パンなど観ていると食べたくなってきちゃいます。(笑)イチゴのジャムは作ったことがありますが、多少は手間が掛かるものの簡単に作れますし、なにより売っているものより断然おいしいです。
最後は余談になってしまいましたが、とても感動的な名作で、気持ちよくさせてくれる作品です。是非一度観て欲しいですね。
個人的オススメ度(キム兄がいい味出してます。)
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