かけひきは、恋のはじまり
ジョージ・クルーニーの監督・主演作品。『オーシャンズ13』、『フィクサー』とここのところヒット作が続いているジョージ・クルーニーですからこりゃ観ない訳にはいきません。というわけで、レイトショーにお決まりの横浜まで遠征です。だって近場のTOHOシネマズではやってないんだもの・・・。
>>『かけひきは、恋のはじまり』公式サイト
アーリーアメリカンが心地よい♪
舞台は1925年、禁酒法時代のアメリカ。カレッジフットボールは大人気だったが、プロフットボールの人気は未だ確立していなかった。そんな中、中年フットボウラー、ドッジ・コネリー(ジョージ・クルーニー)はブルドッグスの中心選手として大暴れしていた。
しかし、ある日スポンサーが降りてしまい、チームは解散に。そんな時ドッジがたまたまテレビで目にしたのが、戦争の英雄でカレッジフットボールの人気者、カーター・ラザフォード(ジョン・クラシンスキー)だった。彼をプロフットボールの世界に引き入れられればチームは再結成できる。そう考えたドッジは早速カーターの代理人・C.C.フレイジャー(ジョナサン・プライス)のもとを訪ねた。
そこで出会ったのが、男勝りの敏腕新聞記者、レクシー・リトルトン(レニー・ゼルウィガー)だった。彼女はタレコミ情報をもとにカーターの武勇伝に疑念をもっており、それを暴くためにカーターに近づいていたのだ。
首尾よくカーターをチームに引き入れることに成功したブルドッグスは連勝街道を歩み始める。試合に帯同するレクシーに恋心を持ち始めるカーター、そしてまたドッジも、この勝気な女性に恋愛感情が膨らんでいくのだった。3人の恋の行方はどうなるのか。
原題は『Leatherheads』つまり「皮の頭」。最初は意味が解りませんでしたが、観始めてすぐに解りました。当時のアメフトは今のようなヘルメットではなく皮製のキャップを被って試合をしていたんですね。そしてこのタイトルが示すとおり、確かに恋愛物語ではあるものの、当時のプロフットボールシーンがふんだんに登場します。
私はあまりフットボール自体に興味はないのですが、昔のアメフトってこんなんだったんだと、純粋に興味をひかれました。そもそも冒頭からジョージ・クルーニーが皮のキャップを被って走ってるんですよ?クールなイケメン、ジョージ・クルーニーのイメージを裏切ったこのシーンでストーリーに一気に引き込まれてしまいました。
ラブストーリーではありますが、レクシー勝気な性格や、ドッジのクールさのせいでのウェットな感じは全くしません。作品中1度だけあるドッジとレクシーのキスシーンはとても素敵で、そこはさすがジョージ・クルーニー監督のセンスの良さが光る場面だと思います。
そもそも、この作品はラブストーリーなのか・・・?フットボールしか能のないドッジが、プロフットボールを確立するため、チームを再結成するために国民的ヒーロー・カーターを引き込む。しかしそれと同時に、今までの自分の地位、つまりチームリーダーの地位を彼に奪われていくことになる訳です。
気がつくと今まで自分中心に回っていたチームがカーター中心になっていた・・・。しかしドッジとしては、というか男のプライドとしては口が裂けてもそれが悔しいと口にしたり、その座を奪い返すためにじたばたするようなことは出来ません。まして彼の選手としての能力が素晴らしいことはドッジも認めていて、チームのため、プロフットボール界が盛り上がるためには致し方ない・・・。そこでレクシー。
カーターは彼女にぞっこんになりますが、ドッジとしては、チームリーダーの座は譲っても彼女まで譲るつもりはない、といったところでしょうか。劇中ではわざわざドッジ、レクシー、カーターの年齢を確認するシーンが用意されています。年齢的にも彼女に相応しいのは俺(ドッジ)で、若造(カーター)には10年早い、という意味なのかなと思ったりも。
あれ、やっぱりこの作品はラブストーリーでいいのかな。(笑)ともかく、フットボウラーとしてのドッジと男としてのドッジ、台詞にはなっていませんが微妙な心情をジョージ・クルーニーが非常に上手く演じきっています。
全体として、元々私はアーリーアメリカンの雰囲気は大好きなせいもあり、BGMも凄くフィットして観ていて非常に心地よかったです。最後にシカゴで試合をするのですが、禁酒法時代のシカゴといえば「アル・カポネ」。『アンタッチャブル』と根底に流れる雰囲気は同じでした。もっとも『アンタッチャブル』の時代のほうが微妙に後のようですが。
ともあれ凄く面白い!というわけではないですが、何だか心地よい作品でした。
個人的オススメ度(ジョージ・クルーニーって何やってもカッコいい・・・)
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