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2008年11月24日 (月)

私は貝になりたい

Kaininaritai 中居正広主演、仲間由紀恵が共演、監督は『華麗なる一族』の福澤克雄、プロデュースは『花より男子ファイナル』の瀬戸口克陽 と高視聴率俳優とTBSのヒットメーカーという超豪華な顔ぶれ。元々フランキー堺主演でテレビ版が制作されたのがあまりに有名なこの一作。映画・テレビ合わせると4回目のリメイクとなる本作はどんな作品に仕上がったのでしょうか。

>>『私は貝になりたい』公式サイト

それぞれの想い

高知のとある港町で理髪店を営む清水豊松(中居正広)とその妻・房江(仲間由紀恵)。長引く戦争の影響で満足に食べるものも無い有様だったが、息子の健一(加藤翼)と3人で幸せに暮らしていた。そんな豊松のもとにもついに赤紙(召集令状)が届く。

脚の悪い豊松と滝田(荒川良々)は隊の中でも上官に睨まれていた。ある日豊松たちの舞台に、司令部からB29から脱出したアメリカ兵を捜索する任務が与えられる。発見したアメリカ兵は一人は死亡2人は虫の息だった。大尉は豊松と滝田にこの2人を処刑するように命じる。嫌々ながらも上官の命令に服従する2人・・・。

戦後・・・、豊松は無事高知の家に戻り理髪店を再開していた。そこに突然訪れるMPのジープ。豊松は戦犯容疑で逮捕される。そして裁判-直接殺害に関与した豊松は死刑を宣告される。「何故?どうして俺が!」夫の状況を知った房江は面会に訪れる。

「一緒に帰りたいなぁ・・・。」そう嘆く豊松のために房江は助命嘆願の署名を200人分集めることを決意する。大統領宛の減刑の嘆願書に付けるためだ。一縷の希望を抱きながら雪の山道を房江は歩き続けるのだった・・・。

上映終了後、ふと周りを見ると色々な世代の人たちがいました。若い20台のカップル、中年のおばさん2人組、杖を突いた白髪の老婦人・・・。戦争を知る世代も知らない世代も、皆黙って劇場を後にする姿に、私は思わず“みんなこの映画から何を受け取ったんだろう?”と思いました。

比較しても仕方ないですし、比較すること自体無意味だとは思いますが、作品の質としてはフランキー堺主演版の方が勝っていると思います。正直、始まってすぐの理髪店のシーンで中居くんの第一声を聞いた瞬間、「ぐはっ、こりゃキツイ・・・」と思いましたから。

何というか、「うたばん」そのまんまの声が聞こえてきたので(そりゃ同じ人ですから当たり前っちゃ当たり前ですが。)このトーンでずっと最後まで続くのかと思うとそれだけでウンザリって感じだったんです。結局“軽い”んです。発する言葉が。戦前・戦中の人間を演じるのには無理があります。

ところが、もともとのストーリーには流石に力があります。無理やり引きずり込まれていくんですね、これが。そして裁判が行われ、その判決が出るシーンあたりから、スクリーンに釘付けになっている自分がいました。中居くん、お世辞にも今回の芝居は上手いとは言えません。しかし、彼なりに話を自分のものとし、魂を込めている必死さは圧倒的な迫力となって伝わってきました。

そして、福澤監督もその迫力に負けじとジャイさんワールド全開、圧倒的な映像力で我々観客に訴えかけてきます。仲間由紀恵の好演はこの2人の魂のぶつかり合いの中で上手くストーリーを落ち着かせていました。まあ出来れば中居くん、最後の遺書を読むぐらいのトーンで台詞を話してもらえると重みが出ると思うんですが。

いずれにしろ、あまりに圧倒的な迫力に押され続けて、私は“泣く”どころか、目に涙が溜まることすらありませんでした。フランキー堺主演版はかなり泣けたんですが。そこで冒頭に書いた通り、いわゆる感動の名作風には仕上がっていないこの作品、それぞれ皆さんはどのように感じたのかなと思った訳です。おかしな言い方かもしれませんが、本作は新たな「私は貝になりたい」だと思います。色んな意味で。過去の作品とは別の作品だと思って観てみて欲しいです。

個人的オススメ度Star4_12(石坂浩二らベテラン勢の演技はサスガでした!)

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