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2008年11月 1日 (土)

まぼろしの邪馬台国

Yamataikoku_2同名の本が原作の作品。吉永小百合が主演ですが、竹中直人、江守徹、大杉漣、窪塚洋介など他にも日本を代表する俳優が多数出演しています。脚本はドラマ脚本家で有名な大石静、そして監督は最近では『20世紀少年』を演出した堤幸彦。聞くだけで豪華なキャストとスタッフにクオリティの高さを期待せずにはいられません。

>>『まぼろしの邪馬台国』公式サイト

それではレビュー。

さすがは吉永小百合。

日中戦争が始まり、仲の良かった隣の中国人一家と別れて日本に引き上げるとある少女とその家族。日本での生活は困窮を極め、少女は進学を諦めざるをえなかった・・・。のちに宮崎康平(竹中直人)の妻となる和子(吉永小百合)である。

福岡でNHKラジオの声優をしていた和子は番組にゲスト出演した康平と初めて出会うことになる。康平は盲目だったが一目で?和子を気に入り、島原に来るように薦めるのだった。

声優としての将来に不安を感じた和子は薦めにのって島原を訪れる。実は康平は島原鉄道の社長で、新しく始める島原観光バスのバスガールを指導してもらうために和子を呼んだのだった。バスガールなど経験も無い和子はその仕事を断ろうとするが、康平の懇願もあり3ヶ月の約束で挑戦してみることにした。

ある日島原を大豪雨が襲う。線路を確認するために康平は一人で出かけ行方不明に。発見された時、康平は土器を抱えていた。洪水で崩れた土地の下から出てきた土器に魅せられた康平は、会社の金で発掘をするようになり、結果社長を退任させられることになる。

一方、約束の3ヶ月が過ぎた和子は福岡に帰ろうと島原駅に。するとそこには康平と2人の子供たちがいた。島原にはまだ和子の仕事があると言う康平。それは康平と2人の子供の面倒をみることだった。こうして2人の邪馬台国探しの旅が始まった・・・。

初日の夕方にも関わらず劇場の入りは半分にも満たない状態。まぁなんというか、昔ならともかく今の吉永小百合と竹中直人の2人がメインの映画とあっては一般的には若干地味な印象が否めないのかなと。特に『レッド・クリフ』や『ハンサム☆スーツ』も本日初日でしたのでかなりの人がそちらに取られた模様です。もう少し初日ずらせばいいのに。

さて、しかし観客の入りと作品の質は必ずしも一致しないのは当然のことですね。特にこの作品は名だたる俳優さんたちがかなりの人数出演していますし。正直にいうと吉永小百合全盛時代を知らない私にとっては、彼女を一人のベテラン女優としか思っていませんでした。が、この作品を観て、何故吉永小百合がここまで多くの人に愛され、いまだに“さゆりスト”と呼ばれる人たちがいるのかの一端が理解できた気がしました。

素晴らしく観ている人を魅了するというか、作中に引き込む演技でした。竹中直人さんがとても魅力的な俳優なのはリアルタイムで彼の作品を観てきたので良く解っていましたが、吉永小百合+竹中直人は各個人の魅力をより一層高める実にぴったりのカップリングだと思います。

タイトルは『まぼろしの邪馬台国』ですが、邪馬台国探しは全編の半分程度。基本的には康平と和子が知り合い死が2人を別つまでの夫婦の物語です。こういうと語弊があるかもしれませんが、とても日本的な「ラブストーリー」と言ってもいいのかもしれません。

康平は九州男児ですし、和子にしても九州女ですから、いわゆる洋画にあるようなラブストーリーではないです。ですが旅の途中で康平が漏らした一言、「本当はもう邪馬台国はどうでもいい。お前とこうして2人で旅をしていることがとても幸せだ。」という言葉に胸を打たれました。

堤監督はコメント中で「なんだか気持ちいい晴れの日のようなお話」と言っていますが、正にその通り。感動で涙するシーンもありましたが、観終わった後のあの清々とした気持ち良さ。観終わって時間がたち、こうしてレビューを書いている今でもずっと続いています。とてもいい作品でした。。

個人的オススメ度Star5_6(堤監督の代表作になるでしょう。)

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受信: 2008年11月 2日 (日) 18時04分

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受信: 2008年11月 3日 (月) 09時28分

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受信: 2008年11月15日 (土) 13時31分

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