アラトリステ
『ロード・オブ・ザ・リング』でアラゴルン役だったヴィゴ・モーテンセン主演のスペイン映画。スペイン映画ってあまり観たことないんですが、とりあえず西洋史モノ大好きでヴィゴ・モーテンセンが出てるということで観てきました。原作は同名の小説で、スペインのベストセラーだそうな。(by Wiki)
>>『アラトリステ』公式サイト
歴戦の剣士、されど所詮歩兵
舞台はは17世紀のスペイン、フェリペ四世の時代。ディエゴ・アラトリステ(ヴィゴ・モーテンセン)はフランドルの戦いで戦死した戦友との誓いを守るためにその息子を引取り、従者をさせながら育てていた。歴戦の剣士でありながら今は汚い仕事に手を染めて暮らしている彼の元に、ある日奇妙な仕事が舞い込んだ。“異端の英国人2人を殺せ”。一端は引受けるものの、何か心の奥に釈然としないものを感じたアラトリステはその2人の命を独断で助けてしまう。これが全ての始まりだった。国家的な謀略、付け狙われる命、愛する人と結ばれ得ぬ葛藤、様々な困難がアラトリステに降りかかる。しかし剣に生きてきた彼のとる道は唯一つ。“闘う”ことだったー。
冒頭に西洋史モノと書きましたが、実は殆ど関係ありません。もちろん知っていればそれなりに背景が読めますが、いわゆる『エリザベス:ゴールデン・エイジ』や『ブーリン家の姉妹』のような歴史物語ではありません。ま、元が小説なんで当然といえば当然なんですが。
個人的にはとても好みの作品でしたが、いかんせん難しい!とにかく登場人物の名前と顔が全く結びつかないままに事件は起こりそして展開していくため、そもそも何でアラトリステが狙われているのか、結局映画本編を見ただけでは解りませんでした。自宅で公式サイトやウィキペディアなんかで情報を収集して初めて物語の全容が理解できました。
もうちょっと具体的に言うと、アラトリステは国家的な謀略に巻き込まれてしまうのですが、そこで多くの貴族や神父、殺し屋なんかが関わってくる訳です。ここの人間関係がすごく解り辛い。ただ、本作は歴戦の剣士アラトリステの英雄譚なので、そうした謀略以外の部分、例えば戦友との義を大切にしたり、愛する人との結婚に悩んだり、更には戦闘のシーンであったりとかは普通に観ていれば解ります。
映画としてその解る部分だけでも意外と面白いなと感じることが出来ました。他には当時のスペインの剣士の服装だとか、宮廷の様子など歴史考証にあたる部分もとても興味深くてイイですね。服装は貧乏人の設定なんでみすぼらしいながらもカッコイイ!特に半身のマントは何か凄くカッコイイです。もっともこれはヴィゴ・モーテンセンが着てるからというのが多分にあるんでしょうけど。(笑)
最期までアラトリステは剣士として、誇り高きスペイン軍の兵士として生き抜きます。しかしある面では、歴戦の剣士でありながらも、当時のスペインにおいては、結局は貧乏な一市民であり、そして所詮は歩兵でしかない、という悲哀も感じました。この作品、一通り内容を理解した上で、DVDがでたらもう一度観てみたいと思います。その時にはまた違った面白さを発見出来るかもしれません。
個人的オススメ度(将来的に4つになるかも・・・)
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スペイン国王フェリペ四世の傭兵アラトリステは、カピタン(隊長)と呼ばれる歴戦の剣士。 幾多の勲功を立てながら市井に暮らし、戦死した友の息子を引き取り育てている。 戦場からマドリードに帰って来た彼に、「イギリスから来た異端者ふたりを殺せ。」という奇妙な依頼が舞い込むが、そこには国家を巻き込む陰謀が隠されていた…。 愛と戦いの歴史スペクタクル。 R-15... [続きを読む]
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2009年最初に観た作品が“アラトリステ”です。
イースタン・プロミスのヴィゴ・モーテンセン主演最新作です。1月5日、京都シネマにて鑑賞しました。
何でも世界中でベストセラーとなっている歴史小説の映画化だそうです。主人公のアラトリステは実在した人物ではなく、架空の人物。17世紀初頭のヨーロッパは全域で抗争が相次ぎ激動の時代だったそうです。原作小説は、黄金時代の帝国スペインが没落していく歴史のうねりを背景に、架空の主人公アラトリステの活躍を描いた冒険小説です。波乱に満ちた物語はスペイン... [続きを読む]
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出演:ヴィゴ・モーテンセン、エドゥアルド・ノリエガ、ウナクス・ウガルデ、ハビエル・カマラ、エレナ・アナヤ
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