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2008年12月13日 (土)

ザ・マジックアワー

Magichourテレビに出まくって宣伝しすぎで逆にウザがられた三谷幸喜監督・脚本作品。佐藤浩市、深津絵里、西田敏行、綾瀬はるか等がメインの出演者だが、他にも数々の著名俳優が脇役やチョイ役で登場する。映画公開時にはあまりの宣伝のウザさに、興収に貢献するのが嫌で観るのを我慢しDVDにすることにした、個人的に曰くつきの作品。(笑)

>>『ザ・マジックアワー』公式サイト


観客を惹き込む計算された脚本

売れない俳優・村田大樹(佐藤浩市)はある日映画監督を名乗る怪しげな男・備後登(妻夫木聡)に自分の映画に出て欲しいとオファーを受ける。自分を必要とする男のためにと出演を了承し向かったのは、まるで映画のセットのような街・守加護。実は備後はこの街を牛耳るマフィアのボス・天塩幸之助(西田敏行)の部下で、ボスの愛人・高千穂マリ(深津絵里)に手を出したのがバレて命を狙われていた。

ボスが命を助ける条件としてだした“デラ富樫をつれてこい”という命令を遂行するために村田を替え玉に仕立てようと企んだのだ。そんなことは全く知らない村田は見事にデラ富樫を演じ、何故かその流れに巻き込まれてしまう周りの人々。しかし、やがて備後の計画もバレてしまう時が来る・・・。

ホント、公開時にはありとあらゆるテレビ局に出まくって宣伝しまくり、“いくらなんでもやりすぎだ。”と叩かれた三谷幸喜監督。ちなみに私は三谷作品の大ファンで、今までの作品は全て観てます、それも数回はね。三谷ワールドが大好きな私ですら、当時の三谷監督はウザかった。頭にきたんで劇場はスルーしたという訳です。まぁどっちにしろDVDになったら何回も観るだろうことは確実なんで・・・。

作品のストーリーとしては良くあるパターンではあります。いわゆる“相手がずっと都合良く勘違いしてくれる”流れが続いていく訳ですが、そんな中でも笑いのポイントはしっかり押さえてあります。村田がボスと初めて出会うシーン、芝居だと思っている村田は何度も演技を変えて最初から自己紹介するんですが、ボスは「どこかで見た様なきがする。」とか「またそこから?」など、観客が心の中で思っているツッコミを登場人物が語ってくれます。

知らず知らずのうちに自分の作品中に観客を取り込んでいき、観客と共に作品を楽しむ。そんな感覚がするのも三谷ワールドの良い点ですね。それにしても三谷監督の人脈でしょうか、いわゆる脇役の中でもあまり登場しない役や、本線とは関係の無いところで有名俳優が出演しているのもこの作品の見所。

劇中映画には鈴木京香や谷原章介、寺脇康文が、物語の序盤に村田撮影所で会うスター俳優に唐沢寿明、他にも中井貴一、天海祐希、山本耕史、香取慎吾らが登場します。変わったところでは映画監督役で市川崑監督も出ていたり。結構その場では気付かなかったりするんで、エンドロール観てからもう一回観直したりするのも面白いです。

小難しいことを考えなくても気楽に楽しめる娯楽映画、そしてどの作品にも漂うあの独特の雰囲気。しかし気楽な中の全てのポイントを計算して脚本を書いている三谷監督は、やはり天才なのだと感じます。もっとも人としては好きになれませんが。(苦笑)いずれにしても三谷ワールドが好きな人には堪りませんが、ダメな人はダメでしょう・・・好き嫌い分かれるんですよねぇ。さて、このレビューをアップしたらもう一度最初から観てみます。

個人的オススメ度Star4(綾瀬はるかの存在は微妙だ。)

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