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2008年12月15日 (月)

山のあなた~徳市の恋~

YamanoanataSMAPの草彅剛が主演で按摩師・徳市を演じる。相方の按摩師・福市には加瀬亮が、そして徳市が恋する東京の女性をマイコが共演。製作にフジテレビのの亀山千広、企画にトレンディドラマで一世を風靡した大多亮が参加。清水宏監督の1938年に発表した『按摩と女』のリメイク作品。

>>『山のあなた~徳市の恋~』公式サイト


色褪せた文庫本の様に

とある山道を杖をついた2人の男が山の湯治場に向けて歩いていた。徳市(草彅剛)と福市(加瀬亮)は、冬は海辺の湯治場、暖かい春先からは山の湯治場を行き来する按摩師だ。徳市は勘が鋭く、追い抜いた目開きの人数や、すれ違う子供の数をぴたりと言い当てる程だった。ほどなく後ろから馬車が迫ってくる。馬車には子供連れの男(堤真一)と女(マイコ)が乗っていた。湯治場につくと、早速宿に呼ばれる徳市。部屋に行ってみるとそこにはあの女がいた。何でも訳ありで東京から来たのだという。そんな女に徳市はほのかな恋心を抱くのだったー。

まるで一昔前、昭和初期の色褪せた文庫本を読んでいるかのような感覚に陥りました。元作が1938年といいますから、実際かなり昔の作品になりますが、台詞の端々にそれが感じられます。しかしそれが決して嫌味ではなく、自然に耳に聞こえるので、物語序盤こそ多少戸惑いましたが、すぐに耳に馴染みました。はっきりとした綺麗な日本語、ややもすると文語体に近いその台詞まわしは、最近の崩れた日本語の中で生活している私にとっては非常に心地よく感じたのも事実です。

もちろんわざとそうした演出にしたのだと思いますが、ただ残念なことに堤真一演じる東京から来た男・大村とその子供だけが時々その心地よさを破ってくれました。(苦笑)子役に多くを求めても無駄なのでこれは致し方ないとしても、名優・堤真一が何故か時々普通の現代人になってるんですよね・・・。東京から来た男だから、敢えてそうしたしゃべり口調なのかなと思ったりもしたのですが、ある部分ではしっかり古典的なんですからそれは違うんでしょう。

個人的に草彅くんはSMAPの中では一番演技上手だと思っていますが、今回も飄々とした徳市を見事に演じきっていました。彼の演技の幅の広さには驚かされます。しかし今回特筆なのはやはりこの人でしょう。徳市が恋する女を演じるマイコ、彼女はハーフにもかかわらず着物が似合う最高にイイ女でした。あまり演技なれしていないのが逆にこの作品では良い方向にでているかと思います。モデルさんだそうですが、今後の作品に期待したいですね。

山の緑、川のせせらぎ、鄙びた湯治場・・・狭いながらも日本の原風景を舞台に、按摩師・徳市が抱いた恋心を描いたこの作品、スケールとしては非常にちっぽけなお話ですが、何故か心落ち着かせるものがあります。故に映画として面白いとか面白くないとかそういった判断基準が当てはまらないのではないか、そんな風にすら思えました。

個人的オススメ度Star3(温泉行きたくなりました!)

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