きつねと私の12か月
『皇帝ペンギン』のリュック・ジャケ監督作品。主演は・・・というより本作では人間は3人しか出てきません。主人公リラの少女時代を演じるベルティーユ・ノエル=ブリュノーと母親となったリラを演じるイザベル・カレ、そして大人になったリラの息子です。ららぽーと横浜遠征鑑賞第2弾♪
>>『きつねと私の12か月』公式サイト
美しい風景、可愛いキツネ、
されどちと単調・・・
正直に言います、リアがテトゥとある程度仲良くなるなるまでは眠くて何度も意識が飛びました。さすがに単調過ぎて盛り上りの欠片もないためです。ひたすら可愛らしい少女が森の中をキツネ探し。確かにジャケ監督らしくアルプスの風景は非常に美しいですが、リラクゼーションビデオじゃないんだから・・・。
どうしてもキツネを触りたいリアですが、相手は野生動物、そう簡単にはいきません。つまり超単調な部分=テトゥと仲良くなるための準備期間なんですね。そこが大変であればあるほど初めて触れた時のリアの気持ちが良く理解できるし、感動を呼びます。
クラシック音楽を聞くと眠くなるのは、その音楽が素晴らしくて、リラックスできるからだといいますが、本作の前半も同じことなのかもしれません。そういう意味ではジャケ監督の術中にはまってしまったということなのでしょうか?(笑)
本作は母親になったリアの回想という設定です。そうした手法は別に珍しくもありませんが、変わっているのは、作品がいわんとする主題も劇中でリア自身に語らせるという点。曰く「テトゥは人間と友達になれないことを知っていた。」息子にそういって語る母親になったリア。しかしそれじゃダメじゃないのか?子供が自分で答えを見つけなければならないのでは?
そこまで考えた時、はたと気付いたのが、この言葉は息子にじゃなく、我々に向って発せられているのではということ。リアの笑顔、好奇心に満ちた子供らしい笑顔・・・昔の私たちは、昔の子供たちは皆ああじゃなかったでしょうか。
現代日本風に言えば「森の中で子供を一人遊ばせるなんてとんでもない!」となるのでしょうが、危険なことを経験し、怪我をし、失敗し、それで私たちは学んできたはず。今の日本に生きる我々にはある意味痛烈なメッセージに聞こえます。
表面上、本作の見所は兎にも角にも、アルプスの美しい四季、そしてそこに生きるキツネを含めた動物たちです。これはこれで中々普段お目にかかれない映像であり一見の価値ありかと思います。何しろ美しすぎて眠くなりましたしね。(笑)
さて、最後に、あまり突っ込みたくはないのですが、せっかく一年という長い時間をゆっくりと丁寧に観せてきてくれたのに、所々手を抜いたかのようなシーンがあったのは残念でした。リアが崖上から家に帰る時、カットが変わったらいきなりもう崖の下を走っていたりだとか、リアが一年中同じ服を着ていたりだとか・・・。細かい点ですが、そういう部分をしっかり詰めて欲しかったです。
個人的オススメ度(うーん、好みの問題かなぁ・・・)
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