ザ・ムーン
監督は『アポロ13』のロン・ハワード。NASAが初めて公開する映像と10人の元宇宙飛行士たちのインタビューから構成されるドキュメンタリーフィルム。もちろん初めて月面に降り立ったバズ・オルドリンも登場。月面着陸のLIVEを知らない世代なので、楽しみにしていた一作です。
>>『ザ・ムーン』公式サイト
映画にする必要性が解らない

完全なドキュメントフィルムです。NASA蔵出し映像を編集し、その間に10人の元宇宙飛行士のインタビューを挟む、最初から最後まで完全にこのパターンです。そもそも何で映画なのか解らない・・・。NHKスペシャルでもいいじゃないかと思うんですが。ただ誤解の無いように、内容は結構面白いんです。観たことのない映像、今明かされる裏話、それなりに知的好奇心を満たしてくれる作品でした。
ただ、スイマセン、実際にアポロ11号のニール・アームストロング、バズ・オルドリン、マイク・コリンズ、の3人が選ばれてロケットが飛び立つまでは爆睡しました。ぶっちゃけ、そこまでは物凄くつまらないから。いやもう、映画館であそこまで寝たのは久しぶり、むしろロケット発射の時よく起きてたなと思うぐらい。(笑)
ところが、アポロ11号が発射してから地球に戻るまでは、一転眼が離せないぐらい夢中になってしまいました。ニールアームストロングの「1人の人間には小さな一歩だが、人類には大きな飛躍だ。」は、あまりにも有名なセリフで、私を含め実際にその当時生まれていない人でも知識としては知っているでしょう。ですが、それがどんな状況下で発せられた言葉で、他の宇宙飛行士はそれをどう聞いていたのか等は実際に本作を観ないと解らなかったことです。
ところで、ニール・アームストリングを含めて、10人の元宇宙飛行士たちがつむぎ出す言葉、これがとてつもなく素晴らしい。どうしえ彼らはこうも詩的なセリフをすらすらと口にできるのか。普通はキザったらしく聞こえてしまうような言葉が、彼らの成し遂げた偉業をバックボーンにすると素直に耳を傾けてしまう。彼らはその言葉を口にする資格がある、そう感じました。(彼らの言葉の多くは公式サイトで見ることができます。)
そんな中でも、私が一番印象に残ったのはマイク・コリンズの言葉でした。彼は人類初の月着陸飛行に参加しながら、月には行かず1人指令船で2人の帰りを待ちます。後に「宇宙で最も孤独な男」と呼ばれたしかし彼はしかし孤独を感じなかったと言うんですね。その時地球には30億人の人間が、そして月には2人が、しかしその間の指令船には私だけだ、しかし孤独は感じなかったと。
何と誇り高い人なんだろうと感動するとともに、人類初の月着陸飛行という偉業の前には、地上の人間が考える尺度は通じないということなのだろうと思いました。彼らが地球に帰還し、世界中を回った時、どの国の人々も“アメリカがやった”ではなく“我々(人類は)やった”と言ったそうです。正にその偉業がどれ程のことだったのかを物語るエピソードです。
ところで本作の監督は『アポロ13』のロン・ハワードですが、実際のアポロ13号の映像も出てきます。電源を確保するために月着陸船に移る様子、地上管制室で宇宙飛行士たちが打開策を検討しあう様子、『アポロ13』で観たあのシーンのリアルを観るのは興奮しました。
事ほど左様に、私は魅入っていた訳ですが、実際に月面着陸をLIVEで見た世代の人たちはこの作品を観てどう感じるのでしょうか。懐かしい?知ってるよ!へぇ、あの時こんなだったんだ!色々な感じ方があるとは思いますが、知らない世代より確実に面白く観られそうです。ちょっと悔しいですっ!(by ザブングル)
一点だけ残念だったこと。それは最後のまとめが「地球を大切にしていない」というような、エコ的まとめになってしまったこと。確かに宇宙から地球をみた彼らが発する地球環境保護の言葉は強烈な説得力があります。しかし、私は敢えてそんなことには触れず、ドキュメンタリーフィルムらしく締めて欲しかった。最後の最後で何だか急に安っぽく感じてしまったのは私だけではないはず。
個人的オススメ度
(魅力的な作品ですが、やっぱり映画でなくても・・・)
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» ザ・ムーン/ In the Shadow of the Moon [我想一個人映画美的女人blog]
月面着陸40周年記念で作られたドキュメンタリー{/moon_mov/}
1995年のトム・ハンクス主演『アポロ13号』で絶賛を受けたロン・ハワード監督が製作、
監督のデイヴィッド・シントンは、長編映画監督は初挑戦ながら、BBC TVのサイエンス映画部門でドキュメンタリー映画を数多く手掛けてて、
ドキュメンタリー作品のいわばプロフェッショナル。
これまで未公開だった映像含む、嘘偽りなしの実際の映像と宇宙飛行士たちのインタビューで魅せる{/kirakira/}
2007年のサンダンス映画祭での... [続きを読む]
受信: 2009年1月17日 (土) 11時27分
» ザ・ムーン [いとし・こいし ~いとしいこいしいものごとのおぼえがき~]
ザ・ムーン 1/16(金)TOHOシネマズ西新井
このポスター、妙に惹かれるなーと初日鑑賞です。
打ち上げの瞬間から宇宙へ、そして月へ・・・なんてな壮大な宇宙の映像を期待してたのだけど、アポロ計画で月に行った宇宙飛行士達のお話がメインかも。
とはい... [続きを読む]
受信: 2009年1月17日 (土) 14時27分
» 2009-12『ザ・ムーン』を鑑賞しました。 [はっしぃの映画三昧!]
#63704;映画を鑑賞しました。#63893; 2009-12『ザ・ムーン』(更新:2009/01/16) * 評価:★★★☆☆ 一ヶ月フリーパスポートで鑑賞の18本目。 「この一歩小さな一歩だが、人類には大いなる飛躍だ。」 アポロ計画の飛行士たちのインタ..... [続きを読む]
受信: 2009年1月17日 (土) 20時44分
» ザ・ムーン [映画通信シネマッシモ☆プロの映画ライターが贈る映画評]
月を訪れた米国の宇宙飛行士たちの証言と当時のニュース映像でつづるドキュメンタリー。冷凍保存していたというNASAの蔵出し映像が貴重だ。驚きなのは、月面着陸が失敗した場合に備えて、ニクソン大統領の声明が用意されていたこと。実際には成功したと知っていても「残念な....... [続きを読む]
受信: 2009年1月17日 (土) 23時12分
» ザ・ムーン(2007年) [勝手に映画評]
月面着陸40周年の今年。人類で月面に降り立ったのは、わずか12人。その全てが存命ではないが、アポロ計画に携わった宇宙飛行士たちの生の声を中心とした、ドキュメンタリー。今回の映像には、宇宙飛行士たちが撮影して通常は液体窒素で保存されているNASA蔵出しのモノも含まれている。
嘗て月面に降り立った宇宙飛行士たちは、既に80歳前後の年齢であるが、映像を見る限り、80歳近い年齢の人とは思えないほど元気な姿を画面に見せている。逆に言えば、それほど健康な体であったから、宇宙飛行士にもなれたのだろう。
アポロ... [続きを読む]
受信: 2009年1月18日 (日) 15時34分
» ザ・ムーン [★試写会中毒★]
満 足 度:★★★★★★★
(★×10=満点)
監 督:デヴィッド・シントン
■内容■
アメリカ合衆国が宇宙計画で
ソビエト連邦に後(おく)れを取っていた1960年代。
ケネディ大統領の強い意... [続きを読む]
受信: 2009年1月18日 (日) 18時28分
» ザ・ムーン [Lovely Cinema]
JUGEMテーマ:映画館でみました!
2007年/アメリカ・イギリス
監督:デヴィッド・シントン
[続きを読む]
受信: 2009年1月18日 (日) 19時29分
» ザ・ムーン [象のロケット]
人類初めての月面着陸から40年。 2009年現在でも地球外に立った人間は、1969年から1972年のアポロ計画により飛び立った9機のロケット中でも12人のみ。 命がけで偉業を成し遂げた宇宙飛行士たちの生の証言と、液体窒素で保存されていたNASAの貴重な蔵出し映像で綴る奇跡の宇宙体験…。 宇宙科学ドキュメンタリー。... [続きを読む]
受信: 2009年1月20日 (火) 11時48分
» ザ・ムーン [Memoirs_of_dai]
僕らが生まれてくる♪♪
【Story】
アメリカ合衆国が宇宙計画でソビエト連邦におくれを取っていた1960年代。ケネディ大統領の強い意志のもと... [続きを読む]
受信: 2009年1月22日 (木) 05時37分
» ザ・ムーン [映画鑑賞★日記・・・]
原題:IN THE SHADOW OF THE MOON公開:2009/01/16製作国・年度:イギリス、2007年上映時間:100分鑑賞日:2009/01/22監督:デヴィッド・シントン提供:ロン・ハワードそれは奇跡の宇宙体験+あらすじ+アメリカ合衆国が宇宙計画でソビエト連邦に後(おく)れを....... [続きを読む]
受信: 2009年1月23日 (金) 12時59分
» ★「ザ・ムーン」 [★☆ひらりん的映画ブログ☆★]
今週の平日休みの1本目は「TOHOシネマズ川崎」で。
ひらりん的には珍しく、スヌーピーのエコバック付だったから前売り券を買っていたのね。 [続きを読む]
受信: 2009年1月24日 (土) 02時25分
» ザ・ムーン(映画館) [ひるめし。]
月へ―。 [続きを読む]
受信: 2009年1月25日 (日) 14時06分
» 奇跡の宇宙体験~「ザ・ムーン」 [ひょうたんからこまッ・Part2]
『ザ・ムーン』
IN THE SHADOW OF THE MOON
(2007年・アメリカ/100分)
公式サイト
2007年第30回サンダンス映画祭・ワールド・フィルム部門観客賞受賞
「一人の人間には小さな一歩だが、
人類にとっては大きな飛... [続きを読む]
受信: 2009年1月25日 (日) 15時48分
» ザ・ムーン [future world]
子供のころ、家にあった地球儀、その横には月球儀まで・・・
「ここが‘静かの海’、アポロ11号が着陸したところよ」
と母が教えてくれたことを思い出す。。。
人類が月に降り立って早40年、アメリカはその前後数年の間に9回で12人も月へ人類を送っている・・・
40年...... [続きを読む]
受信: 2009年1月26日 (月) 21時57分
» 成功の裏にあるモノ。『ザ・ムーン』 [水曜日のシネマ日記]
月に赴いた宇宙飛行士たちの証言と映像を基に体験エピソードを綴ったドキュメンタリー映画です。 [続きを読む]
受信: 2009年1月30日 (金) 12時51分
» ザ・ムーン [とりあえず、コメントです]
アポロに乗って月を目指した宇宙飛行士たちのインタビューを中心に当時の映像や 未公開映像を綴ったドキュメンタリーです。 宇宙を目指した男たちの月への憧れと誇りが真っ直ぐに伝わってくる作品でした。 月への道は宇宙への歴史です。 この作品では月を目指した時代背景と共に、どのように月を目指したかが語られています。 ケネディ大統領の声明。失敗を繰り返したロケット製作。貴重な40年前の映像が満載です。 有人飛行へ挑戦する前の無人ロケットは、何度も爆発事故を起こしています。 初めて有人飛行の計画を伝えられた宇宙... [続きを読む]
受信: 2009年2月 2日 (月) 23時51分
» 『ザ・ムーン』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「ザ・ムーン」□監督 デヴィッド・シントン □キャスト バズ・オルドリン、マイケル・コリンズ、ジム・ラヴェル、ジーン・サーナン■鑑賞日 1月25日(日)■劇場 TOHOシネマズ川崎■cyazの満足度 ★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想> 月にウサギが・・・なんてロマンに満ちていた時代はいつのことだったろう。 人類が初めて月に降り立ってから約40年。 実際に体験した宇宙飛行士の証言をもとに、今まで公開されていなかった貴重なフィルムも合わせて公開したド... [続きを読む]
受信: 2009年2月 3日 (火) 12時04分
» ザ・ムーン−(映画:2009年6本目)− [デコ親父はいつも減量中]
監督:デイヴィッド・シントン
出演:バズ・オルドリン、マイク・コリンズ、ジム・ラヴェル、デイヴ・スコット、ジーン・サーナン
評価:65点
人類が始めて月に降り立ってから40年。40年で月面に立った人類はたったの12人。
多くの人たちが予想したよりも遥かに....... [続きを読む]
受信: 2009年2月 6日 (金) 23時51分
» ザ・ムーン [小部屋日記]
In the Shadow of the Moon(2007/イギリス)【DVD】
監督:デビッド・シントン
出演:バズ・オルドリン/マイク・コリンズ/アラン・ビーン/ジム・ラベル/エドガー・ミッチェル/デイブ・スコット/ジョン・ヤング/チャーリー・デューク/ハリソン・シュミット/ジーン・サーナン
それは奇跡の“宇宙体験”
アポロ計画8〜17号に参加した宇宙飛行士のインタビューとNASAの蔵出し初映像を基にしたドキュメンタリー。
1969年7月20日、アポロ11号が月面に着陸。アームストロング... [続きを読む]
受信: 2009年6月10日 (水) 12時40分
» 月にキツネとキャット [Akira's VOICE]
「ザ・ムーン」
「きつねと私の12ヶ月」
「ミーアキャット」 [続きを読む]
受信: 2009年6月15日 (月) 10時34分
» ザ・ムーン [映画君の毎日]
ザ・ムーン スペシャル・エディション
¥4,441
人類が初めて月に第一歩を標してから40年。前人未踏の地に辿りついた元宇宙飛行士たちしか目撃していない奇跡の体験を語った圧巻の言葉の数々…。今だ 12人しか知らない、遥か38.4万キロの旅へ誘う感動の一大エンタテインメント... [続きを読む]
受信: 2009年9月23日 (水) 01時50分
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