百万円と苦虫女
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まさに蒼井優による蒼井優による蒼井優のための映画です。どこまでも彼女を中心に彼女の魅力を上手く引き出した監督に脱帽。間違いなく新たな蒼井優ファンを増やした作品だと思います。もちろん演技ではあるのですが、ともすればそれを忘れて、まるで蒼井優本人の素を見ているかのような錯覚すら覚えてしまいました。
ストーリーは大きく4つに分けられます。鈴子に前科がついて家を出るまで、海の近くでの生活、山の近くの村での生活、そして東京に程近い都市での生活。鈴子は誰も自分を知らない場所で出来るだけ人と係わり合いを持たずに生きようとします。何故なら人と関わることで、自分の存在が自分で確認できてしまうから。自分から逃げるために“百万円を貯めては引っ越す。”を繰り返します。
自分の存在を認めたくない鈴子にとっては、他人に褒められることも嬉しくはあるけども複雑な気持ち。また人と係わり合いになりたくないのに、何処に行っても結局は面倒に巻き込まれる。海の家ではナンパされ、村では桃娘に選ばれる・・・。そんな時鈴子の顔は何とも言えず困った表情=苦虫女になります。そして家を出てから都市に戻ってくるまでは殆どがその表情。見事なほどに笑顔がありません。
しかしそんな彼女の表情から唯一人彼女の気持ちを理解してくれた人、それが森山未來扮する中島くん。彼と出会った事で、鈴子は本作を通して初めてとても素敵な笑顔を見せてくれます。唯一人鈴子のことを理解してくれ、唯一人鈴子が心を許せる中島くん、出会った瞬間から恋に落ちるであろうことは容易に想像が付きます。この2人の告白シーンは本作一番の見せ場!
中島くんが鈴子に「好きです」という瞬間は、何故か私の心臓がドキドキ。(笑)まるで自分が告白しているかのような気持ちにさせられました。それに答える鈴子の「私も中島くんのことが好きです。」というセリフ。文章にしたらありきたりですが、若い2人の恥ずかしくも勇気を出して告白する雰囲気や心情がとても伝わってきます。これは蒼井優だけでなく森山未來も好演でした。2人で寄り添って家路に着く後姿、そしてそっと手を繋ぐ様子は、これぞ青春ドラマの王道に相応しいシーン。
それだけに、中島くんが鈴子に「お金貸してくれる?」という頼みをした時には、「そんなばかな!」と耳を疑いました。そもそも森山未來自身が持つ雰囲気にそのセリフは似合わない!と思っていたら・・・。結末は人によって受け止め方が異なると思われるこの作品。私は鈴子の晴れやかな表情をみる限りハッピーエンドと受け止めたほうがいいのだろうと思っています。
個人的オススメ度(森山未來って意外とたくましい体なのね。)
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