三国志/THREE KINGDOMS
主演は『インファナル・アフェア』、『墨攻』のアンディ・ラウ。共演のマギー・Qとサモ・ハンは今回はオリジナルキャラクターで出演。実は試写会を観た方から、三国志演義のファンはちょっと・・・と言葉を濁されたので、かなり不安を抱きつつの鑑賞となりました。以前にも書きましたが、私は学生時代三国志研究会所属だったので、ちょっとハードルは高めです。果たしてどうなることやら・・・。
>>『三国志』公式サイト
期待以上の作品だ・・・。
いや〜、かなりの不安を持って観に行ったのですが期待以上でした。期待以上にダメな作品。あ、今回はかなり愚痴モードですので悪しからず…。元々三国志演義を題材にした作品は、過去に多数の失敗作が山積みとなっています。これもその山に積み上げられる作品の一つになるでしょう。
そもそも上映開始直後に、サモ・ハン演じるオリジナルキャラ・羅平安という趙雲の兄が出てきた時点でもう不安一杯。(デブゴンかぁ…って古っ)三国志演義は登場人物に魅力がある物語ですから、私はオリジナルキャラは必要ないと思っています。演義を映画化するのであれば忠実に映像化するのが一番。元々世界中で知られる大ベストセラーなんですから。
本作は三国志演義の人気武将・趙雲の一生を描くという切り口。それはいいのですが、いくらなんでも人生駆け抜けすぎ。(笑)そもそも一人の一生を描くのに僅か102分はちょっと短かすぎかと。ベンジャミン・バトンを描くのに167分もかかってるんですよ?あまりにもサクッと何十年もの月日を飛ばされると、頭が追いついていかないです。
どうにも馴染めないのが、曹操の孫娘・曹嬰とかいう女性。何としてもヒロインを登場させたかったのでしょうか。しかし、オリジナルキャラにしなくても、三国志演義を映画化するのであればそれに相応しい女性の登場人物は他にいくらでもいるのに…。その点『レッドクリフ Part』で周瑜の妻・小喬にリン・チーリンを配役したのはうまいと思います。演義でも非常に美人な女性として知られていますから。
そして、あまりにも無茶なのが、その曹嬰が趙雲と一騎打ちでほぼ互角に戦うシーン。もう呆然と眺めているしかなかったです。何で老いたとはいえ天下の趙雲が女性と互角の戦いをせねばならないのか。こんなシーンは趙雲の価値を貶めているだけです。
結局、趙雲はオリジナルキャラの兄・羅平安の裏切りが原因で戦いに負け死ぬという結末。一応劇中では「その後趙雲の姿を見たものはいなかった…」なんて終わり方にしていますが、何のフォローにもなっていません。だいたい趙雲は天寿を全うすることになっています。話を曲げるにしても何も人生の最後を曲げなくてもいいじゃないですか…。
他の三国志映画ではあまり見かけない“関興”や“張苞”、“ 芝”といったキャラクターを登場させてきたりするのは、ファン心理をくすぐるものであったものの、あまりにお粗末な物語に悲しくなってしまいました。コピーに“完全映画化”とありますが、何処が完全なのか…。書きたいことはまだまだありますが、切りがないのでこの辺にで。この今度中国人の友達に作品の感想を聞いてみようかなと思います。
個人的オススメ度(演義ファンじゃなければもう少し楽しめるのかも。)
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