ワルキューレ

トム･クルーズ最新作。監督は『Ｘメン』シリーズのブライアン･シンガーです。来日時には『ワルキューレ』のロゴ入りヘリコプターから颯爽と降り立つトムがテレビでも流されましたね。いつものTOHOシネマズ府中では入場に行列までできていました。指定席なのに行列って…。それだけ皆の期待が大きい本作、早速観てきました。
>>公式サイト

トム･クルーズに栄光あれ！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑クリックお願いします

コピーにあるとおり確かに全編息を呑むスリリングな展開。これはかなり面白いです。上映開始早々トム･クルーズ扮するシュタウフェンベルク大佐が機銃掃射されて負傷するという予告編でお馴染みの場面からスタート。『ウォッチメン』も最初予告編の映像からスタートだったんですが、同じ人が編集してるのかそれとも、最近の流行なんでしょうかね？いずれにしろそこから大佐がヒトラー暗殺計画に誘われる件までで、一気にストーリーに引き込まれてしまいます。

本作は実話を元にしているそうですが、そうはいっても冷静に考えると、それ自体はそんなに珍しくもないんですよね。映画に限らずヒトラーの暗殺話なんていうのは今までもいくらでもテーマになってきたし、事実４０回近くの暗殺未遂事件があったそうですから。しかも実際問題ヒトラーは暗殺されませんので、ぶっちゃけ“ワルキューレ”作戦は失敗に終わることは当然な訳です。ただ逆に言うとだからこそエンタテインメントとしてどう私たちを楽しませてくれるのか。本作の注目はそこに尽きます。

シュタウフェンベルク大佐は負傷が癒えた後、オルブリヒト将軍にヒトラー暗殺経計画に誘われます。このオルブリヒト将軍はストーリー上でトム・クルーズと共に最後まで登場する重要人物。先週公開された『アンダーワールド：ビギンズ』のヴァンパイアの長老役をやっていたビル・ナイは、志は高くともどこか気の小さい将軍役を実に巧妙に演じて見せてくれます。トム･クルーズが一際目立つ本作ですが、ビル・ナイだけでなく『ハリー・ポッター』シリーズのケネス・ブラナーや『フィクサー』のトム・ウィルキンソンといった名優が脇を固めていることでキリリと引き締まった作品に仕上がっていると言えます。

大佐が計画実行を宣言してからはもう一気加勢。緊迫感溢れるストーリーに時間の過ぎるのを忘れてのめり込みます。もう一度書きますが、暗殺は失敗することに決まっているのに！しかし、既にどっぷりとはまっていると、「上手くやれば成功するかもしれない…」なんて普通に考えてしまったり。気分は既に反乱軍の一員でした。それだけに、爆発を成功させた後、ヒトラーの姿をスクリーンにちらっと認めた時の失望感・落胆はとても大きかったりします。「あぁ、やっぱりだめだったか…」。いや、だから最初からダメなのは解っていたはずなんですけどね。（苦笑）このシーンから先は一気に現実に引き戻され、心は大佐たちの行く末を案じるモードに入ります。

それにしても過去も現在も戦いを制するのは情報戦だということがよく解りますね。たかが通信担当の人間の判断、それだけでドイツの未来が決まってしまった訳ですから。これはかなり恐ろしいことです。もしあそこで通信担当が別の判断をしていたら･･･。歴史の“ｉｆ”を想像することは歴史好きにとっては堪らなく楽しいことですが、本作にもこうした歴史の“ｉｆ”な点が点在しています。もしヒムラーがいなくても作戦を実行していたら、もしオルブリヒト将軍が迷わず予備役を招集していたら…。作品を観た人同士でこうしたことを語り合えるのも本作の楽しみ方の一つかもしれません。

最後になりましたが、主役のトム･クルーズ。相変わらずすこぶる格好いい！正にハリウッドスターを体現していますよね。その彼が今回は隻眼だわ、右手首はないわ、左の指は欠けてるわと結構ボロボロなんですが、ボロボロがまた格好いい。（笑）演技的には悪くはないけど、特に良いとも言えない。個人的にはあの眼帯などは全く似合っていないと思うのですが、でもそれでもトム・クルーズはそこにいるだけでトム･クルーズなんだなと思います。トム･クルーズに栄光あれ！

個人的オススメ度（歴史に残る名作ではないけど面白いです！）

↓いつも応援ありがとうございます！ランキング参加中です。ポチッとご協力頂けると嬉しいです♪