映画は映画だ
主演はソ・ジソブとカン・ジファンの2人。といっても私には誰なのか全く解らず。そもそも『冬のソナタ』すら観たことがなく、韓流ブームとやらには全然興味なし。ヨンさまやウォン・ビン、チェ・ジウ位は知っていますが…。むしろフィギュアスケートのキム・ヨナちゃんの方が私の中では遥かに上位に位置していたりする訳で。(笑)ただ割と多くのブログで好評価を得ていたので気にはしていた作品です。 >>公式サイト |
冒頭にも書いた通り、全然韓流に興味がない私は100%スルーのつもりだったのですが、世の中解らないものですね、ちょっとした偶然で鑑賞することに。いや、実は『昴 -スバル-』(レビューは後日UP♪)を観に行ったらたまたま“カップルデー”とやらいうイベントだったらしく、何と夫婦やカップルは2人で2000円で観れるというじゃないですか。こりゃもう一本!という訳で鑑賞と相成った次第です。
とはいっても実は、ネット上の評判は割と良いので気にはなっていました。結論からいうと評判通り見応えある作品です。私は男ですが主演の2人の目力に魅せられてしまいました。(笑)ソ・ジソブの半分眠ったような、しかし鋭い目つきは根っからのやくざ、裏社会を歩んできた雰囲気を醸し出しています。あの目はかなり怖いです、でもカッコイイんですね、これが!どこかで見た気がして帰宅してから調べたら『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』の夜叉役で出演していました。そういえば…とちょっと意外な感じです。
そしてもう一人の主人公カン・ジファンのどこか憎めないホンワリとした目元は育ちの良さ、表世界で光を浴びてきた人間を醸し出していました。ところで、カンを観ていると若かりし頃の船越英一郎に似ていると思ってしまうのは私だけでしょうか。(えーと、ファンの皆さん怒らないでくださいね。)
さて、よく日本でも芸能関係の仕事を「ヤクザな商売」といったりしますが、一見すると全く異なる種類の職業が、実は紙一重なことをこの作品は見せてくれます。ガンペは元々俳優を目指したが挫折し今はヤクザ。しかしスタに誘われて映画の撮影に参加し始めるとこれが中々良い演技で下手な俳優顔負け。一方スタは人気俳優であることをカサに着てやりたい放題。自分の好きな女性を娼婦のように扱ったり、マネージャーに当り散らしたり、挙句の果てに映画の撮影なのにも関わらず、共演者2人を本気でぶん殴り病院送りにしてしまうという…殆どやっていることはヤクザ並みでした。
撮影が進むにつれてスタとガンペの距離は徐々に縮まっていきます。これは劇中の台詞にもありましたが、お互いに似たもの同士相通ずるものがあったのでしょう。少なくともガンペは映画俳優の夢が少しの間だけでもかなったことで、ささやかな喜びを手にしていました。ところが、本業でトラブルが発生しボスからは映画に出るのを止めろと命令されます。悩んだ末に結局最後まで撮影には参加するのですが、圧巻だったのがそのクランクアップのシーン。(この後はネタバレしてますから、鑑賞予定の方は読まないほうが良いデス。)
それは2人のケンカシーンでした。足元の悪い湿地で行われた泥だらけの喧嘩シーンはかなり印象深い名シーンです。2人とも泥だらけでもうどっちがどっちかわからないほど。そんな中スタが顔面を殴られ倒れると一面の灰色の泥のなか、口だけが鮮血で真っ赤に染まります。その異様に鮮やかな赤に目を奪われました。やってることはただのケンカなんですが、その圧倒的な画力に魅せられます。
さて、似たもの同士の2人にもやがて別れが訪れます。ガンペは彼の所属するヤクザ組織のボスを陥れようとするペク会長を仏像で殴り殺す現場にスタを立ち会わせます。その時のガンペの血まみれの顔に光る鋭い目は「所詮ヤクザはヤクザ、おまえたちとは住む世界が違うんだ」と物語っていたのでした。これが即ちタイトルの意味する“所詮映画(の世界)は映画(の世界)でしかない”つまり『映画は映画だ』という言葉はガンペの心の台詞だったのでした。
しかし…韓国人俳優は演技の基本がしっかりしています。そしてカッコイイ!おば様方がヨン様に夢中になる気持ちも少しは解ったような気がします。(笑)
個人的オススメ度(それでも韓流に興味が湧かない私…)
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» 映画は映画だ [そーれりぽーと]
タイトルに惹かれて『映画は映画だ』を観てきました。
★★★★
韓国の映画だとしか知らなかったのですが、どうせ観客少ないと高を括ってたら満席の立ち見状態。
それも2館で上映してるのに、なんで??と思ったら韓流スターが主演だったんですねぇ。
もう客席の大半はおっかけのおば様連中で埋まっててびっくりです。
韓流ブームってまだまだ健在だったのね。
立ち見で入ったんだけど、上映直前に偶然席が空いたので座れて良かった。
そんな事はどうでも良くて、この映画作りがむっちゃ面白い。
スランプにおちいった暴力俳優と... [続きを読む]
受信: 2009年3月25日 (水) 01時08分
» 映画は映画だ ★★★★★ [(´-`).。oO(蚊取り線香は蚊を取らないよ)]
公式サイト プラデラレビュー
全てが正反対(実は似た者同士)の二人の男の確執から最終的には奇妙な友情が生まれる、というありがちな話ながら、アクション映画の撮影という舞台設定にて劇中のアクションを必然とし、だがしかしそれはあくまでも虚構でありリアルではな....... [続きを読む]
受信: 2009年3月25日 (水) 13時35分
» 『映画は映画だ』(@「シネマのすき間」) [ラムの大通り]
-----さあ。お楽しみの火曜日。
カタログハウスの「シネマのすき間」の日。
今日はのお話は、
ここでは初めての韓国映画。
タイトルは『映画は映画だ』。
一見、ふざけたタイトルだけど、
ニャんと、あのキム・ギドクが関わっているというから
一筋縄ではいかニャそう。
主演は人気のソ・ジソブとカン・ジファン。
こてこての韓国映画かと思いきや、
いつしかお話のほうは、お魚ムツゴロウに。
これって、どういうこと?
よく分からないニャあ。
(byフォーン)
「お魚には目がないのニャ」... [続きを読む]
受信: 2009年3月25日 (水) 21時27分
» 「映画は映画だ」 [てんびんthe LIFE]
「映画は映画だ」シネマミラノで鑑賞
一昨日の食事会で同じ教室のSさんが何ともせわしなく落ち着かず、早く帰ろうとしているので何があるのかと聞いたら、昨日のジソプの舞台挨拶のチケットが運よく取れたのだそう。
それでお風呂に入って、パンチャパンチャ(韓国語でキラキラとかピカピカの意味)に変身するので…ということだったらしい。
あれ~、最近ジソプ、ジソプって言っているけど、ヨン様ファンじゃなかったっけ?
DVDで2本ほどみた記憶があるけど、ソ・ジソプ私も初めてスクリーンでお目にかかるお方。
除... [続きを読む]
受信: 2009年3月27日 (金) 00時30分
» 映画は映画だ [象のロケット]
映画の撮影中に共演者を殴り、次々と病院送りにしてしまったスタは、ついに相手役を引き受ける役者がいなくなってしまった。 困り果てたスタは、以前高級クラブで出会ったヤクザのガンペに出演しないかと持ちかける。 渋ったガンペは自分とも本気で闘うなら出演するという条件を出すが…。 映画スターとギャングスターの人生が交差するアクション・ドラマ。 PG-12... [続きを読む]
受信: 2009年3月28日 (土) 00時59分
» 「映画は映画だ」なれたかもしれない別の人生に泣く [soramove]
「映画は映画だ」★★★★久々オススメ韓国映画
ソ・ジソプ 、カン・ジファン 主演
チャン・フン 監督、2008年、113分
「ヤクザのガンペと映画俳優のスタ、
強引な展開ながら
ラストのアクションには熱くなれる、
久々韓国映画でイキのいいのに出会った」
なかなか面白い韓国映画がなくて
スター映画以外の公開も少なくなったが
この映画のラストには満足。
無鉄砲でプライドだけは人一倍の俳優が、
ひょんなことからヤクザと
共演することになった、
映画を撮影し... [続きを読む]
受信: 2009年3月31日 (火) 07時43分
» 映画は映画だ [いつか深夜特急に乗って]
製作年:2008年 製作国:韓国 監 督:チャン・フン 現実 [続きを読む]
受信: 2009年4月 8日 (水) 20時38分
» 映画は映画だ/ソ・ジソプ、カン・ジファン [カノンな日々]
コレ、すごく観たかった映画で公開されてから日にちはけっこう経ってるんですが、当初上映していた新宿のシネマスクエアとうきゅうとあの界隈がどうも私は苦手で観に行けずでして、そのうちシネマート辺りでかかるかDVDを待つかしようと思ってたら新宿武蔵野館で上映してくれ...... [続きを読む]
受信: 2009年5月 7日 (木) 08時01分
» 「映画は映画だ」劇場鑑賞 [流れ流れて八丈島]
新宿武蔵野館の優待券の有効期限が明日で切れちゃうので、貴重な休日の昼間に新宿に出てきました。いま武蔵野館で公開中の映画はもうどれも観たのばかりなので、唯一観てない「映画は映画だ」を観ました。映画スターとヤクザの二人の男を題材にした韓国映画です。主演の二...... [続きを読む]
受信: 2009年5月 9日 (土) 19時57分
» 映画は映画だ▽▲キム・キドク原案・製作 [銅版画制作の日々]
つかの間でもいい。違う人生を生きてみたい。
5月26日、京都シネマにて鑑賞。キム・キドクが原案・製作をしているということもあって、少し気になっていた作品です。韓国トップスターW主演だということです。でも私はあまりこのお二人の方のことは知りません(笑)京都シネマにはシアターが3つあります。その1つのシアターではあの「重力ピエロ」が上映されていて、遅い時間なのにお客さんがいっぱい。こちらはというと、その前の上映は結構入っておられたようですが・・・・・。ふたを開けるとたったの3人のみ!ということでガラガ... [続きを読む]
受信: 2009年5月31日 (日) 10時39分
» 映画は映画だ [迷宮映画館]
これはいい!!かっこええ男は、目にいいです。 [続きを読む]
受信: 2009年7月 2日 (木) 11時48分
» 『映画は映画だ』 [再出発日記]
ソ・ジソプの映画復帰ご祝儀映画である。監督・脚本:チャン・フン原作:キム・ギドク出演:ソ・ジソプ、カン・ジファン、ホン・スヒョンヤクザのガンペと映画俳優のスタ。出会うはずのなかった二人がある日偶然、高級クラブに居合わせた。サインを求めるガンペに、「短い...... [続きを読む]
受信: 2009年7月29日 (水) 18時13分
» 映画評「映画は映画だ」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2008年韓国映画 監督チャン・フン
ネタバレあり [続きを読む]
受信: 2010年8月12日 (木) 18時37分
» 白と黒〜『映画は映画だ』 [真紅のthinkingdays]
人気映画俳優スタ(カン・ジファン)は短気で粗暴な性格ゆえ、映画製作現場で
度々揉め事を起こしていた。共演者に重傷を負わせたため、孤立した彼は窮余
の策として、映画俳優志望だったヤクザ、ガンペ...... [続きを読む]
受信: 2010年11月15日 (月) 10時00分
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