相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿

大ヒットドラマ『相棒』シリーズから誕生したスピンオフ作品。警視庁鑑識課の米沢守を主人公にすえた今回の作品の主演は六角精児。先日鑑賞した『罪とか罰とか』では警察官役でしたので、どうも警察モノに縁があるようです。相方の相原刑事を演じるのは萩原聖人。他にも片桐はいりや伊武雅刀といった個性派俳優が揃っています。もちろん、水谷豊と寺脇康文もポイントポイントでちゃんと登場してました。（笑）
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鑑識も演技も実力派？

実は私は『相棒』シリーズを一度も観たことがありません。当然映画の『相棒』も観ていません。ですが、なかなか楽しめた作品でした。もちろん随所にシリーズを見ている人の心をくすぐると思われるシーンも用意されています。スピンオフ作品ですので、特に物語冒頭は誰でもすんなりとストーリーに溶け込めるように丁寧な作りになっていると感じました。

まずちょっと意外だったのは、米沢の元妻が殺害されたのかと思いきやそうではなかったこと。予告編を観る限りでは、米沢の元妻が殺され、現在の夫・相原刑事とともに犯人を捜す…そんなストーリーなのかと思い込んでいました。ところが、遺体からくすねた毛髪でその知子が元妻ではない事が判明します。この場面ではさすがに鑑識・米沢守らしく、科学鑑定で血液型を割り出してくれます。

ところが、この後はせいぜい指紋をとるぐらいで、あまり鑑識というか科学捜査らしいシーンが出てきません。もっと『ＣＳＩ科学捜査班』のような感じだと思っていたので、ちょっと残念な気がしました。一応、別件で逮捕された容疑者のパソコンからデータを復旧するシーンとかもあるのですが、何の説明もなく一瞬で復旧してしまいましたし…。（苦笑）

基本的に新たな証拠や証言を得る度に、それを裏づける捜査をするのですが、その展開が非常に早いです。上記のハードディスクのシーンもそうですが、ある事象に対する答えがあっという間に出てしまいます。シリーズ未見の私にとっては人物に対する思い入れが全くないので、ちょっと早いぐらいの展開の方がテンポ良く観られて飽きがこないという良さはありましたが。ただし代わりにストーリー上の贅肉は全てそぎ落としたかのようで遊びの部分が殆どないですから、このあたりは好みの分かれるところかもしれません。

それにしても、六角精児は実に面白い演技をします。上手いというよりも、味があるというよりも面白い。もちろん本人は真剣なのでしょうけども、いつも丁寧なその口調やオタッキーな風貌がどうにも“interesting”でした。対する萩原聖人ですが、今回はあくまでも米沢守が主役ということもあって、六角の演技に併せていた、というより六角を引き立たせる演技をしていたように感じました。元妻を殺された悔しさを表に出しつつも言葉はあくまでも丁寧に演じる彼がいつもよりもぎこちなく観えたのは私だけでしょうか。

さて、一応ミステリーということもあり、最後には犯人が判明しますが…。まあ何も言いません。（笑）でもま、登場人物は限られてますからね。ところで、エンドロールの後に『相棒』新シリーズで寺脇康文に代わって及川光博が出演する予告編をやっていましたが、ファンの方としてはどんな思いなんでしょうね？個人的にはこのコンビはこのコンビで面白そうだなと思いましたけれども。

個人的オススメ度（更なるスピンオフはあるのかな？）

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