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2009年4月18日 (土)

エグザイル/絆

Photo_2 『ハムナプトラ3』や最近では『プラスティック・シティ』に出演しているトニー・ウォン主演作品。監督はジョニー・トー。1999年の返還直前のマカオを舞台に、幼馴染でありながら今はそれぞれの使命を帯び、香港裏社会に生きる男たちの文字通り“絆”を描いた作品。熱い友情に裏打ちされた5人の実に男くさい生き様に痺れます。
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男の格好良さは立ち姿にアリ!

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いやはや何ともカッコいい!本作はチョウ・ユンファの『男たちの挽歌』から、本作主演のアンソニー・ウォンも出演している『インファナルアフェア』という流れの中で確立されてきた、いわゆるノワールムービーと呼ばれる作品です。物語冒頭からメインキャスト5人が一点に集まり、幼馴染のの友人を殺す側と守る側に別れて銃撃戦を始めるという構成なのですが、そこには観客の気持ちをしっかりと掴む演出や演技がありました。

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本作を通して全てのアクションシーンで感じたのは、ジョニー・トー監督は“静と動”の使い方が非常に上手いということ。冒頭のシーンにしても、まずは組織の裏切り者ウーを除いたブレイズたち4人が集まります。しかしそこでは僅かな台詞が交わされるだけ。基本的に4人は黙って葉巻を口にしながらウーの帰宅を待ちます。帰宅したウーとともにブレイズとタイは自宅に入り、お互い無言のまま拳銃を取り出す・・・。この間余計なおしゃべりは殆どナシ。

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そして次の瞬間いきなり始まる銃撃戦!静かにゆったりとした時間の流れが、急に激流へと変化します。ところが、そんな激流の中でも変化しないのが、その場に身を置いているブレイズたち当人。スクッと立ったまま銃を乱射している姿に目を奪われました。もちろんやや遅れて、彼ら自身もアクションを起こしますが、彼らの立ち姿はそれだけで素晴らしい演技ですね。伝統芸能を見るかのような様式美というか、まるで逃げる・避けるという行為が彼らの中の美学に反するかのようでした。

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この拘りの演出が本作のガンアクションが他の作品のそれとは一線を画している印象を与えてくれます。それはつまり本作のガンアクションがシーンとしての迫力もさることながら、何よりも男たちの格好良さ・魅力を観る者に伝えてくれるから。ところで魅力といえば、ブレイズ役のアンソニー・ウォンとタイ役のフランシス・ン、2人はこの手の作品の必須アイテムであるロングコートとサングラスが物凄く似合います。

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さて、最初に幼馴染と書きましたが、実は別に劇中でそれに関する説明はありません。子供のころの5人と思われるモノクロ写真が最初と最後に短く出てくるだけ。しかし、冒頭の銃撃戦の後のシーンを観ればそれは一目瞭然です。5人はウーの奥さんを含めて夕食を食べますが、その食べっぷり、それは腹をすかせて一つ釜の飯を貪る様に食べる野良犬を思わせるものでした。ブレイズが飲んだスープに拳銃の弾が入っていて、それをぷっと吐き出すとその場の全員が吹き出します。その笑顔、それは真の絆で結ばれたもの同士だからこそ出せる表情でした。

当然ながらこの後も物語は続いていきますし、紆余曲折を経てラストシーンを迎えるのですが、敢えて誤解を恐れずに言うのであれば、私は本作の持つ魅力の全てはこの冒頭部分に込められていると言っても良いのではないかと思いました。

個人的オススメ度3.5(昔は香港映画といえばカンフーだったのに…笑)

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受信: 2009年4月17日 (金) 22時23分

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受信: 2009年4月18日 (土) 01時34分

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受信: 2009年6月19日 (金) 15時50分

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受信: 2010年5月27日 (木) 18時22分

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