太陽のかけら
主演は『バベル』や『ブラインドネス』に出演していたガエル・ガルシア・ベルナル。4月10日公開の『失われた肌』と併せて、ガエル主演2作品が一気に公開になります。先行する本作は彼の初監督作品。当然のことながらメキシコ映画です。ガエル演じるクリストバルが一目惚れする相手、アルゼンチン人のドロレスを演じるのは本作がデビュー作となるルス・シプリオータ。とてもキュートな女優さんです。
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どこを切ってもどこかで聞いた話

ガエル・ガルシア・ベルナルを見るといつも故アイルトン・セナを思い出してしまうのは何故だろう…。そんなこともあってか、結構好きな俳優だったりします。もっとも、『バベル』も『ブラインドネス』も私的にはいま一つな作品でしたが。そんな訳で、若干不安を覚えながらも新宿バルト9に足を運んだのでした。


結論から言うと、微妙な作品でした。つまらなくはないです。ただ、本作の設定そのものが使い古されているため、ストーリー展開に新鮮さを感じらなかったんですね。ガエル扮するクリストバルは政治家の息子で、メキシコでは上流階級の人間です。彼は父の母校ハーバード大学を受験するも落ちてしまうのでした。彼は別にハーバード大学など行きたくなかったけれども、父の母校ということもあり、その薦めを断れなかったのです。
ここまでで、既に「どこかで聞いたことある話だなぁ」と思いませんか?(笑)さて、クリストバルの家にはインディオの使用人の息子で幼馴染のアダンがいました。ある日クリストバルは自宅に友人を招待してパーティーを開きます。そこに現れたのがドロレスというチャーミングな女の子。一目で彼女に恋をしたクリストバルは、アダンが彼女と楽しげに話すのが気に入りません…。っとまあ、こんな感じでストーリーは進んでいきます。


ただし、ガエルは流石に良い演技をしていました。クリストバルの気持ちの変化、アダンに対する嫉妬心や、好きな女の子と話すときは妙に饒舌になってしまう青年の心情は観ていてとても良く伝わってきます。特に私が男性のせいか、クリストバルの気持ちにシンクロする部分を多く感じました。またドロレスがアダンと仲良く話すんですよ、これが。別に彼女は、いや女性は楽しげに話したからといって恋愛感情があるわけでもないし、ましてやクリストバルと付き合っている訳ではないんだからいいじゃない!と言うでしょうね。


良くないんです。その女性を好きな男にとってそれは全然良くない事なんです。(笑)私から言わせて貰えば無意味な嫉妬こそ男の証なんですから。さて、私の恋愛観はどうでもいいですね。で、ラテン系の人間らしくクリストバルにも実は恋人がいました。要はドロレスのことは完全に浮気だった訳です。彼女がパーティーに来るのを遅らせるために、クリストバルは彼女に嘘の道順を教えたりします。この辺は理解は出来ますが、流石に私は実行できないです。(苦笑)
最終的にクリストバルの妹が起こすとある事件が原因で彼は全てを失います。と同時に幼馴染のアダンとの間にも決定的な亀裂が出来てしまうのですが、そこを知りたい!と思われた方は本作をそこそこ楽しむことが出来るでしょうから、是非ご覧になってください。人間が伝わってくる作品ではありましたが、設定をもうちょっと捻ってあれば…惜しい。ガエルは来週公開の『失われた肌』でも主演を務めています。そちらも観てみたいと思います。
個人的オススメ度(ガエルでなかったら★2かなぁ。)
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