アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~
よしながふみの人気コミックを韓国で映画化。これまで日本でドラマ化やアニメ化はされてきましたが、どうしてまた映画化だけ韓国なんでしょうね。主演は本作が映画デビューとなるチュ・ジフン。ちなみにこの後も『キッチン ~3人のレシピ~ 』の日本公開が控えています。ドラマはそこそこに、アニメは割りとしっかり観ていましたんでストーリーはほぼ判っています。というわけで、今回は若手俳優の演技に注目して観てみたいと思います。
>>『アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~』公式サイト
若い俳優のフレッシュな演技に注目!
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恵比寿ガーデンシネマは整理番号順の入場です。59番ということで今ひとつの席しか取れないかなぁと思っていたら、ほぼ中央前よりのよい席が取れてほっと一息。そしてあたりを見回すと・・・あれ?女性しかいない?。ちょっと待て、いくら韓流といったってそれはなかろう、と数えてみたところなんと男性客は4人!うち私以外は全員カップル!!ちなみに座席数167のうち150位入っている状態です。まだまだ韓流パワーは衰えていないということを目の当たりにしたのでした。


さて、肝心の作品です。私は原作は未読、ドラマはたまに観ていた程度。アニメはわりとしっかり観ていたので、どうしてもアニメとの比較になってしまいますが、その意味では想像通りの出来栄えでした。ストーリーは無駄なく踏襲されていて、111分の中で上手くまとめられていたように思います。途中ミュージカルとまでは言えないですが、主役のチュ・ジフンがダンスを披露してくれる場面は面白い遊びで、実写ならではを感じられる楽しいシーンです。このあたりミン・ギュドン監督の腕の良さを感じました。


さてチュ・ジフンが演じる主人公ジニョクは、幼い頃誘拐され、犯人に毎日のようにケーキを食べさせられたが故にケーキが大嫌い。なのにケーキ店アンティークのオーナーという変わり者。(実は変わり者だったわけではないことが後に解るのですが。)チュ・ジフンはいかにも韓流イケ面といった格好良さで、ぶっきらぼうだけども優しいジニョクを上手く演じていたと思います。ただ、ちょっと厳しいことを言うと、彼ぐらいのイケメンで演技力を持つ韓流スターは他にも沢山いますから、今後が勝負かなと思いました。


むしろ私が注目したのは、アンティークのパティシエで“魔性のゲイ”ソヌを演じたキム・ジェウク。彼も映画デビュー作ですが、素晴らしい演技をみせてくれました。メガネをかけている時はパティシエとしてプロフェッショナルの顔を、素顔の時は一人のゲイとしてセクシーな顔を見せてくれます。もちろん同一人物ですから、持っている雰囲気のベースは同じでなくてなりません。しかし、観る人にその違いがはっきりと解る演技を見せてくれました。ところで、個人的にメガネをかけた横顔がキムタクに似てる気がしたんですが、私だけかな?(笑)(追記:そういえばペ・ヨンジュンにも似てるかも。笑)


ギボム役のユ・アインは映画2作目、スヨン役のチェ・ジョホは映画デビュー作とフレッシュな顔ぶれながらそれぞれのキャラクターを忠実に演じている一生懸命さは伝わってきます。若い俳優ですからコレからが楽しみですね。少し残念だったのがタイトルが「アンティーク」であるのに、何故アンティークなのかをほんの短いのシーンで済ましてしまったこと。確かにアンティークなカップが登場しお客とのやり取りで「アンティークの器を出していいの?」「ウチでは出すんです。」なんてシーンがあるんですが、いかにもこれではとってつけたような説明です。店全体が醸し出す雰囲気や調度品の類は中々に良い感じでしたので、もう少し丁寧に見せることでそのあたりを表現して欲しかったところ。

言葉は韓国語なのは当然ですが、元々舞台は日本ですし、ストーリーの殆どが店か部屋の中で進んでいくのでいわゆる韓国映画っぽさは感じません。誰にでも馴染みやすい作品だと私は思うのですが…、まあ現実を見るとやっぱり女性向きなんでしょうね。あ、もちろん観終わってからスイーツを食べに行きましたよ。(笑)
個人的オススメ度3.0(日本の映画会社が映画化権をとらなくてどうするのかと。)
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