ケータイ小説家の愛
公式サイトによると『恋空』、『赤い糸』を生み出した“ケータイ小説”に新たな名作が誕生した!のだそうな。主演はグラビアアイドルの田代さやか。そして共演が、まもなく公開の『真夏のオリオン』に出演している三浦悠。とはいっても全編で出てくるのはこのほかに木村啓太、谷口賢志の合計4人です。大変申し訳ないのですが田代さやか以外は聞いたことも無かったり…。
>>公式サイト
期待を裏切らないパーフェクトな駄作。
あらすじへ
←クリックお願いします
まあそもそも全く期待などはしてなかったのですが、期待以上に駄作でした。ケータイ小説の映画化としては『恋空』ですら全く評価していないんで、推して知るべしなんですが…。たまたま仕事帰りに前売券を買いに行ったら時間がピッタリだったもので、しゃれで観てみるかぁと吸い込まれるように…。怖いもの観たさとでもいうのでしょうか。(苦笑)という訳で今回は相当辛口です。
さて、ストーリーは作品の紹介自らが「ジェットコースター・ラブストーリー」と謳っているように、展開がとても速いです。まさにケータイ小説そのものですね。速すぎるが故に個々のエピソードの人間模様や心情の描き方は素晴らしい程に通り一遍の表面的なものでした。例えば、愛に振り向いてもらうために、不良に襲わせて助けに入る…あまりにもチープなストーリーを堂々と見せるそのある種の開き直りには苦笑いをするしかありませんでした。後は『恋空』などと同じように次から次へと主人公に降りかかる悲劇の数々。恋愛・セックス・レイプ・ドラッグ・妊娠・DV・流産・死、これでもかと言うほどてんこ盛りです。
結局“人の不幸は蜜の味”ってことなんでしょうか。この内容に夢中になる女子中高生は相当病んでいるとしか思えません。実は『恋空』の時も似たようなことを思いましたが、まだ三浦春馬と新垣結衣を始めとした俳優陣はキチンと演技の出来るしっかりとしたキャスティングでしたから、好き嫌いはともかく作品としては観られる仕上がりでした。しかし、本作では作品そのものの何処にも救いを見出せません。
そもそも愛と恋人役の友樹(三浦悠)そして幼馴染の田村(木村啓太)メインの3人の誰一人としてマトモな演技ができないのが痛すぎます。何処がどう悪いというよりも、観ていて素人が出ているかのようでした。終盤HIDEKI役の谷口賢志出て来るようになると、彼のまあ普通の演技でギリギリ最低ラインに届き始めたという感じ。せめて一人は流れを作れる俳優がいないとドラマにならない良い例です。
主人公の愛を演じる田代さやかは23歳。ちょっと昔の酒井若菜に似て可愛らしいのですが、いくら童顔でも女子高生は…。しかもグラビアアイドルにも係わらず何の露出もなし。それなら別に誰でもいいんじゃないの?と思わずにいられません。いかにも低予算、しかもプロジェクター上映、適当にお茶を濁した駄作を作るのは単にお金の無駄遣い。しかも若い世代にこのどうしようもない内容を見せることは、やがて邦画自身の首を絞めることに繋がっていくでしょう。
個人的オススメ度1.0
今日の一言:悪い映画の例を勉強させてもらいました!
| 固定リンク
最近のコメント