ビッグ・フィッシュ
主演は最新作『天使と悪魔』が大ヒット中のユアン・マクレガー。監督は『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 』のティム・バートン。ティム・バートン監督といえばジェニー・デップとのコンビが目立ちますが、このカップリングは果たしてどうなんでしょうか。ちなみに、この作品にも監督の恋人ヘレナ・ボナム=カーターが一人二役でしっかり出演しています。
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文字通り大ぼら話!
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観終わった後、心に暖かみが残る良作でした。ティム・バートン監督といえば『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』、『チャーリーとチョコレート工場』(←凄い好きです!)といった、ちょっとクセのある作風で知られています。もちろん好きな人にとってはその雰囲気が堪らないものがあるのですが、正直言ってガイ・リッチー監督同様、好き嫌いは割と分かれるタイプの監督なのは否めません。
ですが本作はそのバートン監督のクセを残しつつも、物語の中心軸を父と息子の心の絆に置いて上手く描き出していました。歳をとった父・エドワードのホラ話の回想という形でストーリーは進んでいきます。それこそ、エドワードが生まれた瞬間から話は始まるのですが、母親が分娩の際に思い切りいきんだ瞬間、赤ん坊がお腹から飛び出して廊下を滑っていくというあり得ない強烈なつかみ!しかし大笑いしながら例によってティム・バートンワールドへと引き込まれます。
息子ウィルは父親のあまりのホラ話に、何処までが本当で何処からが嘘なのかが解らなくなってしまいます。そして同時に父親が本当はどういう人間なのかを見失ってしまいます。そんなリアル世界での父と息子の対立の合間に、ホラ話の内容が挟まってくるのですが、これがまた凄い。コピーの「人生なんて、まるでお伽噺さ。」とは正に言いえて妙でした。
身の丈4、5mはあろうかという巨人、小さなピエロ、脚は一つで胴体から上が2人の女性、森の中のか隔絶された美しい町…この辺はバートン監督の独壇場といった感じ。ちなみに小さいピエロ役の俳優さんは『チャーリーとチョコレート工場』でウンパ・ルンパを演じていた人でした。(笑)それにしても、バートンワールドの回想シーンがホラ話ということは、そもそもバートン監督の作品はホラ話なんでしょうか?(笑)いずれにしろあの巨人とウンパ・ルンパ…もといピエロ役の人は当分頭から離れなさそうです。
リアル部分の映像はごく普通の撮り方で、これをバートン監督が撮っているとは思えないほど淡々としたストーリー展開。しかしバートンワールドのON・OFFの使い分けでそれぞれのパートの印象がお互いに際立ちます。それは良い意味で慣れをうまないからなのだと思いますが。それだけに最後の父と息子が病室のベッドで話すシーンは特に感動しました。
実は私は、若き日のエドワード役のユアン・マクレガーは、現在のエドワードとの差があまりにもありすぎると感じていたのですが、ふと考えると己の間違いに気付きました。そもそもホラ話なんです。自分が美化されていたって不自然でも何でもないんですよね。大切なのは自分がどう生きてきたのかということ。そもそも自分の人生を面白おかしく他人に語ってあげられる人がどれだけいるでしょうか。結局、父の人生物語の最後を締めくくったのは息子のウィルでした。
父親は息子に、ホラ話を通じて自分の人生が充実していたことを、そして息子にもまたその息子に自分の物語を語って聞かせてあげられるような人生を歩んで欲しいと、そう言いたかったのではないでしょうか。
個人的オススメ度3.5
今日の一言:普通にも撮れるんだ、ティム・バートン!(笑)
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