食客
原作は韓国での人気コミック。韓国初のグルメ・エンタテインメントと銘打たれたこの作品、主演はキム・ガンウ、そのライバル役にイム・ウォニ、紅一点ヒロインにイ・ハナとこの3人を中心に物語は展開されます。とはいっても何度か書いたように、韓国ドラマも映画も全く詳しくない私的には3人とも全くの初見。どんな演技をみせてくれるのか、それはそれで楽しみだったりします。(笑)
>>『食客』公式サイト
韓国食文化の一端を垣間見た
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私の数少ない韓国映画鑑賞歴の中でも、このタイプの作品は初めてです。朝鮮王朝最後の王・純宗に仕えた待令熟手(テリョンスッス)の遺品の包丁を継承する料理人を決めるための試合が開催される…。韓国の食文化は焼肉という一面で日本に定着していますが、そうではない韓国文化の一端を垣間見ることができ、その意味でとても面白く鑑賞できた作品でした。ただし!日本人(じゃないですけど役柄上)に謝罪をさせるのが大好きな韓国のお国柄が出ている作品でもあります。個人的に思うことはありますがここでは書きません。


さて、物語は老舗料亭「雲岩亭」の次期料理長を決める勝負のシーンから始まります。競っているのは天才料理人のソン・チャンと「雲岩亭」現料理長の孫オ・ボンジュ。ここで意外なのは勝負のテーマが「フグの刺身」だということ。韓国にもふぐ刺しってあるんですね。私の印象では肉の食べ方を知り尽くした国って印象だったので、ちょっと驚きました。ちなみにソン・チャン役のキム・ガンウはサッパリとしたイケメンで天才料理人という言葉がピッタリです。対するオ・ボンジュ役のイム・ウォニは見た目が既に老舗料亭のボンボン。これは実に上手いキャスティングです。


さて、オ・ボンジュの策略で勝負に敗れたソン・チャンは田舎に引き篭もってしまうのですが、紆余曲折の末、TV局の要請で冒頭書いたコンテストに参加…というより引っ張り出されます。このコンテストの内容がまた面白いんですね。この手のコンテストというと、私はフジテレビの「料理の鉄人」だとか、漫画「将太の寿司」あたりを思い浮かべるのですが、何れもキッチリ料理勝負。ところがこのコンテスト、日本の感覚で言うと料理から外れた部分でも競われています。焼物勝負では最高の炭を捜し求め、そして極めつけは牛の解体…。あくまで映画なので実際がどうなのかは解りませんが、この映画の通りだとすると韓国の料理人は牛の解体までできるんですね。


それぞれに悲しいエピソードは含まれていて、特にソンの牛に関するエピソードは涙を誘うと共に、食の根源に関わる問題を再認識させてくれます。させてくれるんですが、ソン自身が割とあっさり振り切って次に進んでしまうんで、何時までも浸って、食のあり方に考えを巡らせていた自分がちょっとバカっぽかったりしました。(苦笑)いずれにしても、もうちょっと色んな韓国独自の食材や、調理法、包丁の技、調味料などなど、見せるべきポイントはいくつもあっただろうし、観せて欲しかったですね。


料理自体は色んな料理が見られ、そのどれもが美味しそうでした。コンテストで多く見られた宮廷料理?も良いのですが、個人的にはソンが自宅で作る料理がホント美味しそうで…。当然夕食は焼肉に決定したわけですが。(笑)全然本線のストリート関係ないのですが、ソンとオの助手役2人が繰り広げる「ラーメンを美味く食べる方法」のストーリーも笑えます。ちょっとプロット的には古いかもしれませんが、韓国らしさが“味わえる”作品でした。
個人的オススメ度3.0
今日の一言:雲岩亭って美食倶楽部と被りすぎ!
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