鈍獣
『少年メリケンサック』の宮藤官九郎が脚本。元々は同名の戯曲を映画用にリライトした作品です。メイン出演者は浅野忠信、北村一輝、真木よう子、佐津川愛美、南野陽子そしてユースケ・サンタマリアの6人。監督は本作が映画デビュー作になる細野ひで晃。宮藤官九郎作品が好きなことと、予告編の映像で楽しみにしていた本作、何やらえらくブラックコメディっぽさが漂います。
>>『鈍獣』公式サイト
策士クドカン策に溺れる?!
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予告編で感じたブラックユーモアは予告編だけのものでした。本編を通して観ると、別にそれ自体は面白くも何ともなく、そもそもこの作品のどこをどう楽しんだら良いのかがイマイチ理解出来ませんでした。随所に出て来る小ネタは相変わらずのクドカン流でクスッとさせられるのですが、だからといって本作のストーリー自体が面白いのかと聞かれると答えに窮するところがあります。いずれにしても『少年メリケンサック』のような笑えるコメディを期待していくと裏切られますのでご注意あれ…。とはいったものの作品の構成としてはなかなか興味深いモノがありました。
とある雑誌に連載小説『鈍獣』を書いている作家・凸川。その凸川が突如失踪して、担当編集者の静(真木よう子)が、小説の舞台となっている田舎に彼を探しにくるところから物語はスタートします。細かいストーリーはあらすじを読んで頂くとして…。静が電車でその田舎に向っていると、突然その電車が急停車。前の席に座っていたおじさんの腹に激突します。実はこのシーンがスタートでありエンディング、ちょうど一本のヒモを結んで輪にした時の結び目なのでした。といってもネタバラシしないと解らないとは思いますが…。
ちなみにこの時に静がぶつかった相手が大相撲第62代横綱・大乃国の芝田山康。そしてここで彼を登場させたことが、本作のストーリー上で象徴的な出来事なのですが、この時点でそこまで読みきれる人はいないでしょう。(笑)ともかく静は凸川の行方を尋ねて、岡本(ユースケ・サンタマリア)たちのところに行き着きます。そして凸川を取り巻く奇妙な人物たちから一人ずつから凸川とのエピソードを聞き出して行くというのが本作の流れ。ノラ(佐津川愛美)、順子ママ(南野陽子)、江田っち(北村一輝)、岡本の順で聞き取りは進みます。
凸川に書かれた小説の中身が気に入らない岡本と江田っちは順子ママやノラを巻き込んで凸川殺害を目論むも、余りに鈍い彼は全然死なないのでした。で、どうやって殺すのかは予告編で全部見せちゃってたり…。結局唯一明かされていない殺害方法(正確にはそれもチラチラ見せちゃってます。)が最後の岡本の告白で語られ、それが冒頭の電車急停車に繋がると。その構成の妙だけがみどころなのかも知れません。
奇妙な登場人物たちも、ユースケ・サンタマリアはいつも通りですし、北村一輝は完全にスベッてますし、南野ちゃんは今更だし、佐津川愛美はどうでもいいし…。クドカンならではの脚本の捻りなのかもしれませんが、今回はいま一つです。狙いすぎて外してる感じ。セットや衣装や各種ガジェットも独特の世界観を出してはいますがそれだけでは…。どうしても観たい方以外はDVDで十分な作品です。
個人的オススメ度
2.0
今日の一言:ジェロの「江田バーカー」ネタだけ笑えました。


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» このはしわたるべからず [MESCALINE DRIVE]
九段会館大ホール。先日、ある映画の完成披露試写会に潜入した。はっきりしない空模様の木曜日だった。時々... [続きを読む]
受信: 2009年5月18日 (月) 22時06分
» 鈍獣 [UkiUkiれいんぼーデイ]
JUGEMテーマ:映画
2009年5月16日 公開
★★*☆☆☆ あれれぇ〜これほんとにクドカンの脚本? 星2つ半
もぉ、おしまい?
観て参りました、初日の初回シネ・リーブル梅田さんで。
ストーリー
失踪した小説家凸やん(でこやん)こと凸川(でこがわ)(浅野忠信)を捜す編集者の静(真木よう子)が降り立ったのは、なぜかすべてが相撲中心の寂れた町、ときわ。
ホストの居ないホストクラブで彼女を待ち受けていたのは、地元を牛耳る江田(北村一輝)とその腰巾着の警官・岡本... [続きを読む]
受信: 2009年5月19日 (火) 08時17分
» 鈍獣 [だらだら無気力ブログ]
宮藤官九郎が岸田國士戯曲賞を受賞した同名戯曲を自ら映画用に脚本を 書き上げたファンタジックミステリー。 失踪した作家を捜しに、編集者が作家の故郷を訪ねてくるが、そこで 編集者は作家に起きた衝撃の事実を知ることになる。。週刊誌に連載されていた小説『鈍獣』が賞..... [続きを読む]
受信: 2009年5月19日 (火) 23時31分
» 映画「鈍獣」@GAGA試写室 [masalaの辛口映画館]
今回は「Yahoo!映画/ユーザーレビュアー」を招いた試写会だ。客入りは8割ほど。映画上映後には細野ひで晃監督招いて観客とのティーチインが行われた。 映画の話 殺しても死なない鈍感な男、凸やん(浅野忠信)。とある事情により彼の殺害を目論む、自分のこ...... [続きを読む]
受信: 2009年5月20日 (水) 13時52分
» 鈍獣 [うふふ・映画三昧。]
これの予告編。
これが相当、面白くてですね。
特に、北村一輝さんが「疲れたら疲れたって言うから!!」って逆ギレ風だった、その1シーンに予告ながらゲラゲラとウケてしまい、
腹抱えて笑っちまう映画を想像して、観に行ってしまいました(^^;
劇場で抱腹絶倒しちまったらどうしようかと、心配までしてたのに、
まぁまぁ、そんなほどではありませんでした。
笑えるどころか!
実は、ものすごく、イイ話だった(笑)
もちろん、コメディなんですけどね、路線は。
昔のイジメられっ子... [続きを読む]
受信: 2009年5月21日 (木) 00時51分
» 鈍獣 [象のロケット]
田舎町・ときわのホストクラブ“スーパーヘビー”へ、行方不明の作家・凸川を探しに、編集者・静がやって来た。 現れたのは経営者で唯一のホスト・江田、江田の愛人20年の順子ママ、ブリっこホステス・ノラ、嘘つき警官・岡本の怪しすぎる面々。 凸川が故郷で遭遇した25年前の忌まわしい事件を雑誌に書いたことが失踪の原因だと分かったのだが…。 ブラック・コメディ。... [続きを読む]
受信: 2009年5月22日 (金) 09時31分
» 鈍獣 [そーれりぽーと]
この時勢、映画館は怖いけど我慢出来んよね。
殺しても殺しても死なない幼馴染。
クドカンによる脚本らしく、面白そうな設定の映画『鈍獣』を観てきました。
★★★
コメディーと言うほど笑いを追及したものではなくて、ストーリー展開と登場人物が面白い映画です。
やってる事は恐ろしいのに、幼馴染云々ノスタルジックな感覚と、凸やんのキャラクター、屁理屈台詞の連続に引き込まれてしまい和んでしまう。
殺そうとしても死なないのではなくて、確実に殺してるはずのなに死なない幼馴染を浅野忠信が茶目っ気たっぷりに演じている... [続きを読む]
受信: 2009年5月22日 (金) 21時59分
» 鈍獣 [いとしこいし ーいとしいこいしいものごとのおぼえがきー]
鈍獣 5/16(土)TOHOシネマズ
週刊誌記者の静は、失踪した作家、凸川(でこがわ)の行方を探りに、彼の故郷にやって来た。そこで待ち受けていたのは、凸川の同級生で町の実力者の江田、警察官の岡本、そして江田の愛人、純子とホステスのノラだった。静は、... [続きを読む]
受信: 2009年5月23日 (土) 15時57分
» 鈍獣 [映画、言いたい放題!]
ブログネタ:最近いいことあった?
参加中
舞台挨拶付き試写会に行ってまいりました。\(^0^)/
同行者が可能だったので、
主演の浅野くんが好きな妹を誘いました。
私は特に贔屓の人はいなかったので、
ジェロの歌が聞ければいいなという感じ。(笑)
ショッ... [続きを読む]
受信: 2009年5月24日 (日) 21時40分
» ★「鈍獣」 [★☆ひらりん的映画ブログ☆★]
久しぶりの劇場鑑賞・・・といっても10日ぶりくらいだけど。
「消されたヘッドライン」にしようかと考えたけど、
社会派の崩れた体型のラッセル・クロウは最近ハズレてるのでパスっ。
やっぱりクドカン・ワールドを堪能したいなーーー。
... [続きを読む]
受信: 2009年5月28日 (木) 03時10分
» 『鈍獣』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「鈍獣」□監督 細野ひで晃 □脚本 宮藤官九郎 □キャスト 浅野忠信、北村一輝、ユースケ・サンタマリア 、真木よう子、南野陽子、佐津川愛美、ジェロ■鑑賞日 5月24日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0.5)<感想> 興味を持った予告編ほどドッカンドッカン笑いが起こるわけではなかったが、クドカン・ワールドの特異な雰囲気は十分出ていたと思う。 しかしながらこの映画での“間”は、僕にはイマイチのれなかったんだなぁ・・・。 ... [続きを読む]
受信: 2009年5月29日 (金) 17時21分
» *鈍獣* [Cartouche]
{{{ ***STORY***
週刊誌記者の静は、失踪した作家、凸川(でこがわ)の行方を探りに、彼の故郷にやって来た。そこで待ち受けていたのは、凸川の同級生で町の実力者の江田、警察官の岡本、そして江田の愛人、純子とホステスのノラだった。静は、失踪する前に、江田と凸川が再会していた事実を知る。実は、凸川は、江田の過去を小説のネタにしており、怒った江田は、凸川を殺そうとしたのだ。しかし、凸川は、何度殺そうとしても死なない…?! gooより}}}
日本で一番ご多忙な脚本家なのではと思わ..... [続きを読む]
受信: 2009年5月30日 (土) 11時54分
» 「鈍獣」劇場鑑賞 [流れ流れて八丈島]
試写会「ザ・スピリット」が消化不良だったからってわけでもないけど、明日は日曜日だしもう1本、ということで新宿武蔵野館へ行って株主優待券で21時15分開始の「鈍獣」を観てきました宮藤官九郎の脚本で主演が浅野忠信ということで、面白くないはずがないという期待...... [続きを読む]
受信: 2009年5月30日 (土) 12時47分
» Don't think,feel!~「鈍獣」~ [ペパーミントの魔術師]
なんでブルースリーの名ぜりふ持ってくるんだ(笑) うちのPC「どん、けもの」って打たないと タイトル書けませんでした、あああ・・・。 さて。 なんでポロしてもポロしても死なないのか、 そこはもうわかんないまんま終わっちゃいます。 だって凸やんだから。(理由にな..... [続きを読む]
受信: 2009年5月30日 (土) 18時36分
» 鈍獣 [ダイターンクラッシュ!!]
6月6日(土) 21:30~ チネ11 料金:1200円(レイトショー) パンフレット:未確認 『鈍獣』公式サイト つまらん。シュールでブラックなジョークのつもりなのかもしれないが。 元は、岸田國士戯曲賞の芝居だそうだ。よく賞をとれたもんだ。 微妙に豪華な出演者が台無し。 お勧め度:☆★ 大乃国度:☆☆☆☆ 俺度:☆★ ... [続きを読む]
受信: 2009年6月 7日 (日) 03時56分
» 鈍獣 [Memoirs_of_dai]
死んだ男は芝田山
【Story】
失踪した小説家の凸川(浅野忠信)を捜すため、担当編集者の静(真木よう子)は彼の故郷を訪ねることに…。
... [続きを読む]
受信: 2009年6月10日 (水) 23時46分
» 泣く獣 [Akira's VOICE]
「鈍獣」
「なくもんか」 [続きを読む]
受信: 2010年8月28日 (土) 10時35分
» 映画評「鈍獣」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆★(5点/10点満点中)
2009年日本映画 監督・細野ひで晃
ネタバレあり [続きを読む]
受信: 2011年3月 4日 (金) 13時35分
» 《鈍獣》 [日々のつぶやき]
鈍獣 プレミアム・エディション [DVD]/浅野忠信,北村一輝,真木よう子
¥4,935
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監督:細野ひで晃
出演:浅野忠信、北村一輝、ユースケ・サンタマリア、真木よう子、佐津川愛美
世界一鈍いアイツが、俺たちの人生を壊しにやってくる。
「編集者の静... [続きを読む]
受信: 2011年3月 4日 (金) 15時49分
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