THE CODE/暗号
なんでもネットを中心に展開を広げている「探偵事務所5」シリーズの劇場版だとのこと。私は劇場版しか聞いたことがありません。地味な作品ですが、中々に実力派俳優を揃えています。主演は尾上菊之助。ヒロインに稲盛いずみ、他にメインで出演している俳優だけでも、松岡俊介、斎藤洋介、宍戸錠、松方弘樹…と若手からベテランまで満遍なく網羅。チョイ役で出演している人の中には「え?」っと言う人もいます。
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日本探偵協会推薦作品?!
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“探偵事務所5”の探偵たちはみな“5”から始まる3桁の数字で名づけられているそうな。とまあ、ネット中心の世界で流行っているらしいということで公式サイトを覗いて見ると…、何と2ndシーズンまであるんですね。なるほど道理でチョイ役にも関わらず有名俳優が多くキャスティングされているはずです。むしろ今回劇場版に出てこなかった探偵の方が多いぐらい。これは一度きちんと見てみる必要がありそうです。さて、とはいえ劇場版は劇場版。事実私は予備知識ゼロで観に行きましたが十分に楽しめる構成になっていました。
劇場版は尾上菊之助の演じる探偵507が主人公。暗号解読の専門家である探偵507はかなり難しい暗号も一目見ただけで解読してしまう天才です。物語序盤は探偵事務所5がある川崎市の複数個所に爆弾が仕掛けられ、その解除キーを507が解くという展開。といっても、この序盤は507がいかに天才的能力を持つかを我々に見せ付けるためのエピソードです。爆発寸前でも全く動じない冷静さ、これがまた尾上菊之助のお坊ちゃま顔にイメージがピッタリ!流石は梨園の御曹司ですね。
この事件をきっかけに上海に渡り、日本軍の秘匿した財宝のありかを示した暗号を解くというのが本作のメインストーリーです。上海で彼をサポートする探偵が探偵事務所5の会長である探偵500(宍戸錠)と上海支部の探偵523(斎藤洋介)。とは言っても実はこの2人、特に会長はサポートというほど共に行動する訳でもありません。523は途中すこしだけ活躍するシーンが観られますが、そもそも演じているのが斎藤洋介さんですから、既にその存在感と演技だけで十分私たちを楽しませてくれます。更に嬉しいのは会長こと宍戸錠の活躍。
実は敵役(簡単に敵役と割切れないのではありますが)の椎名を演じているのが松方弘樹。この2人知っての通り、元々は松方さんが東映のヤクザ映画「仁義無き戦い」シリーズで、宍戸さんが日活のアクション映画でスターになった方々です。この2人の決闘シーンは見もの。旧陸軍中野学校出身の椎名のロングコートの風貌はヤクザのヒットマン風。そして宍戸さんはエースのジョーと呼ばれた殺し屋のままにリボルバーで早撃ちを見せてくれるのでした。もちろんリアルタイムで見ていたわけではありませんが、リボルバーの劇鉄を手のひらで弾く様に撃つスタイルは子供の頃によく真似たものです。それがスクリーンで観られるとは!私の見間違いでなければ、確かベルトのバックルにもACEとか入っていたと思うのですが。
さて、実は暗号の解読自体はそう困難もなくさらっと解けてしまったり。ここで序盤の507の天才っぷりを見せ付けられた伏線が活きて来ます。何しろ天才ですから。多少ヒントが合っただけで解けてしまっても観ている側としては、“507ならやってくれるだろう。”と思ってしまうんですね。そこで、重要な役割を果たすのが暗号を持つ女・美蘭(稲森いずみ)。彼女と507の人間関係がまた見どころになってくるのです。一口に恋愛とは言えません。どんな難解な暗号をも解いてしまう507も彼女の心中までは中々読み解けないようで…。更にそこに椎名と会長の因縁のストーリーも加わってくると来ては、本作はストーリー自体が難解な暗号といえるのかもしれません。
元々のファンはサイドストーリー的に楽しめるでしょうし、私のように知らなかった人間にとっては、シリーズの入り口としても楽しめると思います。
個人的オススメ度3.5
今日の一言:稲森いずみは昔より綺麗になったと思ふ
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