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2009年6月26日 (金)

人生に乾杯!

Photo_2 これが初体験のハンガリー映画。ということは当然話していたのはハンガリー語?監督は本作が長編デビュー作となるガーボル・ロホニ。主演はエミル・ケレシュ。共演にテリ・フェルディ。といっても殆どが主人公の老夫婦と若い刑事のカップルの話なのでこの他に目だって登場するのは2人ぐらいだったり。ハンガリーといえば元共産主義国でF1の開催国だということ位しか知りませんが、ちょっとコミカルなノリが気になった作品です。
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素敵な老夫婦のラストラン!

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ハンガリー映画だとは露知らず、予告編を見る限りでは、何やらやむにやまれぬ事情で老夫婦が銀行強盗をするらしい…。老夫婦の置かれた厳しい状況を皮肉ったクライムムービーかと思いきや、そんなに単純な話ではなかったのでした。言ってみれば本作は痛快なクライムラブストーリーです。メインで登場するのは4人。エミル(エミル・ケレシュ)とヘディ(テリ・フェルディ)という老夫婦と、アギ(ユーディト・シェル)とアンドル(ゾルターン・シュミエド)というカップル刑事、逃げるほうも追うほうもカップルという面白い設定です。

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そもそもの発端は貧乏。年金だけでは生活していけなくなったエミルたちは、ついに2人の大切な思い出の詰まったダイヤモンドのイヤリングまで借金のかたに差し出す羽目になります。実はこのイヤリングは物語上重要なキーアイテム。社会主義国時代、共産党幹部の運転手をしていたエミルはひょんなことから知り合った伯爵令嬢・ヘディに一目惚れし、軍から匿うのですが、その時に彼女にあげたのがこのイヤリングでした。思いつめたエミルは彼の宝物である愛車チャイカに乗り、郵便局で強盗を働きます。

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しかし…根は善人のエミルですから、強盗の仕方がまたのんびりとユーモラス。「金を出してください!聞こえますか?」と命令じゃなくて何故かお願いベース?だったり、後にヘディも加わり夫婦で襲う時も、読書家のエミルが叫んだ脅し文句は犯罪小説の中に登場する台詞だったりと、何だか調子はずれなところが観ていて微笑ましいぐらいです。こんな2人を追う刑事アギとアンドルは微笑ましい老夫婦とは逆に別れる寸前。原因はアンドルが浮気したことでした。何とか良いところを見せてアギに再び振り向いてもらおうとスタンドプレーに走るアンドルは失敗ばかり。益々2人の溝は深まります。

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この辺り、犯罪を重ねているのに年金生活をしていた時よりもお互いの絆が強まっているエミル&ヘディ夫婦とは対照的。「“脳みそ吹っ飛ばすぞ”はちょっと下品だったか?」「いいえ、素敵だったわ。」なんてやりとりがありますが、むしろそんな会話ができる2人が素敵です。途中からは、成り行き上とはいえ怪我をさせてしまったアギを連れての逃亡となりますが、そこでアギは2人の間の揺るぎない信頼関係に気付くのでした。その信頼の源は冒頭に紹介された、軍から彼女を匿ったシーンに由来するものです。

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逃亡を続ける2人はテレビにも取り上げられ、何故か年金制度を批判する人々にとってのヒーローになっていきます。最初はテレビのインタビューに対して彼らを悪く言っていた隣人たち、しかし彼らがヒーローになると手のひらを返し、何故か襲われた被害者までもが2人に同情し好意的な話をし始め…。「ぷっ」と吹きだしてしまうような面白いシーンですが、同時に小さな国で娯楽がテレビしかない場所でのその影響力の強さ、全員が右向け右をしてしまうことの怖さを感じたのでした。

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さて、そんな世の中の流れと関係なく逃亡劇は続きます。エミルにとってはあの社会主義国時代に、愛した女性を軍から匿い逃げ切ったからこそ今がある訳です。そんな彼から伝わってくるのは、警察などいかほどのものかという気迫としたたかさでした。それ故にラストシーンはそのまま受け取ることはできませんし、ある意味予想通り。「俺といれば人生スリル満点だ。」なんて言える歳の取り方をしたいものです。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:若い頃のヘディ役の女優さんはなんて人?

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コメント

お~、面白そうですね。
チェック、チェック!

投稿: ツボ | 2009年6月26日 (金) 15時14分

やってることは犯罪事件なんですけど、老夫婦の冒険ラブストーリーという見方も出来るかもしれませんね。逃避行の中で愛の絆を取り戻していく老夫婦の姿がとっても微笑ましかったです。

かつて苦難の時代を乗り越えた二人にとっては警察なんてそれほど恐れる相手ではなかったのかもしれませんね。痛快でほのぼのする作品でした。

投稿: かのん | 2009年7月27日 (月) 10時39分

◆かのんさん

確かに老夫婦の冒険ラブストーリーでしたね。かのんさん上手いこというなぁ。(笑)本質的には重い内容を扱っているのに、見終わったあとは面白かったなぁって感じでしたもんん。

あの暗黒の共産主義時代に比べたら、今の警察なんてどうってこともないし、よしんば捕まっても命まではとられない、いずれにしろ先はたかが知れているっていう開き直りもあったんでしょう。(笑)

投稿: KLY | 2009年7月27日 (月) 21時13分

KLYさん、こんばんは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*

私はエミルとヘディを観ているうちに
おしどり夫婦の逃避行というよりも
恋人同士の駆け落ちのように見えてくるのが不思議でした。

私もハンガリー映画はあまり観ていなくて
観た作品ですぐに思い浮かんだのは『暗い日曜日』だけかな。

投稿: BC | 2009年7月29日 (水) 01時37分

◆BCさん

こんばんは^^
ああ、駆け落ちとは上手いこといいますねぇ。でも一緒に逃げる前はいま一つ上手く行っていないというか、倦怠期というかそんな感じにも見受けられましたから、第二の恋愛なのかも。^^

私はハンガリー映画は初体験だと思います。正直言ってブログを書き始める前は、あんまり何処の映画とかって意識しないで観てたものでわかんないのが多いんですけど。(笑)

投稿: KLY | 2009年7月29日 (水) 02時13分

あんなじじ様クールで素敵!
久し振りに会ったときに「こんなにお前に会いたくなるなんて」って
言ったとき、あたしまでじんわりときちゃいましたよ~。

投稿: miyu | 2009年8月 3日 (月) 21時38分

◆miyuさん

こんばんは~^^
素敵なじーさまですよね~。最高にいかしてます。殆どシチュエーションに説明はないものの、キチンと最初の出会いのシーンとかを見せてくれているからこそ、みんな共感できるんだと思うんですよね。上手い演出でした♪

投稿: KLY | 2009年8月 4日 (火) 01時10分

KLYさん
こんにちは!
腰痛を患っているとは思えないエミルの
スーパーじいさんパワーには驚きです。
おっしゃるとおり大変な状況を生き抜いて
来たことがベースとなっているのでしょうね。中だるみもなく、楽しく鑑賞出来ました。観客は結構年齢が高かったですね。
KLYさんもこんな夫婦を目指して下さいね!

投稿: mezzotint | 2009年8月10日 (月) 12時28分

このすがすがしさは何処からくるんでしょうね。ボクも、時々、この○○強盗とやらをしてみたいと想いを馳せる事があります。すーと一発。

でもやめときます、めんどいですから。

あのチャイカに乗りたいと激しく思います。あの二人のように、笑いながらゆっくり走りたいですね。海を見に行きたいなぁ。

投稿: keyakiya | 2009年8月19日 (水) 23時14分

◆keyakiyaさん

こんばんは^^
チャイカじゃないですが、あれを観た時、昔旧東ドイツで作られていたトラバントを思い出しました。でもトラバントよりチャイカの方が高級そうです。

私はあの2人のように歳を取れたらいいなぁって思ってます。かなりカッコイイですよ♪

投稿: KLY | 2009年8月20日 (木) 00時22分

KLYさん、こんばんは。

おじいちゃんとおばあちゃん、やってる事は強盗と犯罪ですがどこか見てて応援してしまいました。

こんな老夫婦見てると自分も歳とったらああいう夫婦になりたいなんて思っちゃいます、まぁその前に結婚しなくちゃいけない話なんですがね(笑)

投稿: Hitomi | 2009年9月23日 (水) 19時01分

◆Hitomiさん

そうなんですよね。応援しちゃいます。というか、劇中の人たちもみんな応援していたところに、この国の人々の苦労している点が良く現れているんだろうなと思いました。
いや確かに、こんな素敵な歳のとり方をしたいですよね。^^

投稿: KLY | 2009年9月23日 (水) 20時37分

こっちに来るまで、半年もかかってしまいましたね。
DVD出るのと、どっちが先か?くらいの遅さですわ。
結構期待してたんですよ。
あの辺の東欧の国の映画は、なかなか辛辣なのが多いので。
小技が効いてて、興味深く見ました。
そのイヤリングとか、車に、キューバの旗とか!!
なんですが、基本犯罪なんだよなあというのが、ちょっと引っかかったしまった。

あのイヤリングですが、ずいぶん前でしょうから思いだされるのも大変でしょうが、最初のシーンで、クレアが天井から落ちてきたとき、自分のイヤリングをエミルに渡して、「助けて」・・・と。
で、最後にそれを彼女に返した・・・だったように思えました。

投稿: sakurai | 2009年11月 1日 (日) 22時26分

◆sakuraiさん

こんばんは☆
結構かかりましたねぇ。^^;
確かに基本犯罪ですよね。まあ、直接的に人は傷つけてないってとこなんでしょうけど。
イヤリングの件は…ごめんなさい、正直読み返してもよく覚えてないです^^;最初の方のシーンだったことは覚えているんですが、天井が崩れて…とかは記憶になくて。(苦笑)

そうそう、ちょっと宣伝なのですが、ブログ左のサイドバーに乗せているのですけど、sakuraiさんも恐らくご存知のmigさんの弟さんの作品が山形国際ムービーフェスティバルにノミネートされたんです。お時間に余裕があって、尚且つ行ける場所(土地勘がないので。)でしたら是非ごらんになって頂けたらと思いまして。^^

投稿: KLY | 2009年11月 2日 (月) 00時58分

ですよね。
半年も前で、その後膨大に見てらっしゃるでしょうから、そんな細かいとこは、どうでもいいんですよ。

で、山形国際ムービーフェスですが、行けるとこは行くつもりをしておりました。
migさんの弟さん!といわれてもピンときますせんが、映像部門10作品とありましたので、それに選ばれたんですね。
14日に上映のようですが、時間調べて、行けるようでしたら、ぜひ見たいと思います。
教えていただいて、ありがとうございました。

投稿: sakurai | 2009年11月 2日 (月) 08時23分

もうひとつ。
ハンガリー映画をあまりご覧になったことがなかったということですが、『君の涙 ドナウに流れ』が、ほんとにいいです。
すごい映画です。機会がありましたら、ぜひどうぞ。

投稿: sakurai | 2009年11月 2日 (月) 23時21分

◆sakuraiさん

いやいや、申し訳ないです。実際面白い映画ではあったんですが、評価の通りだったってことかもしれません。もちろん自分の中でってことですけどね。

弟さんは片岡翔さんといいまして彼の『ぐるぐるまわる』がノミネートされたんです。若い監督さんですけど、私は彼のセンスが好きで勝手に応援させてもらってまして。(笑)山形と聞いてsakuraiさんを思い出しまして、お伝えするだけでもさせてもらおうと図々しくも書き込ませてもらった訳です。

『君の涙 ドナウに流れ』ですね。ありがとうございます。普通にTSUTAYAでレンタルしてるかな。うちの近くのは品揃えわるいんで。^^;

投稿: KLY | 2009年11月 3日 (火) 00時16分

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