トランスポーター３ アンリミテッド

主演はもちろんこの人、ジェイソン・ステイサム。製作・脚本も変わらずリュック・ベッソン。黄金コンビによるヒット作「トランスポーター」シリーズの第３弾です。共演のナターリア・ルダコワはベッソン自らのスカウトによるもので、本作がデビュー作。第１作からのレギュラー、フランソワ・ベルレアンも相変わらず健在です。


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自縄自縛で自乗自爆？

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相変わらずの突き抜けたスピード感が特筆モノ！正直に言うと、あまりに速過ぎるアクションに目が付いていかないこともしばしばあるのですが、気持ちイイほどのスピード感に特化した演出は、やっぱりトランスポーターシリーズならではです。ジェイソン・ステイサム演じるフランク・マーティンのもはやお馴染みと化したワイシャツ・ストリップ・アクションも健在で、本作でも惚れ惚れするような肉体美を披露してくれました。ちなみにＫ－１のセーム・シュルトも出演しており、彼とフランクの対決も見ものです。

更に、愛車・アウディＡ８を駆ったカーチェイスの今回のお相手はメルセデス・ベンツ。この２台のドイツ車対決はかなりの見どころです。大体片輪走行なんて久々に観ましたよ。しかも走る場所がオンロードだけじゃなくてオフロードまで。この２台の高級車をオフロードでガンガン走らせるとは…。車好きにはあり得ないシーンですね。全くやることがとことん突き抜けてます。さすがはリュック・ベッソン。ちなみに車以外の乗り物では今回は何故かマウンテンバイクが登場。（笑）スタントでしょうけども、フランクのバイクテクニックもかなりカッコイイので注目です。

さて、観る側が期待していた部分に関しては、ある意味ほぼ満足だったと言えるのですが、全体としての評価はいま一つでした。それは今回の重要な設定、車から２０ｍ以上離れたら爆死するというこの条件に縛られすぎてしまったから。前作までは運び屋といえども車をベースに広い範囲でのフランクの活躍を楽しめましたが、今回は否が応でも車に乗りっぱなしのことが多いのですね。しかも何故か車内でのフランクとヴァレンティーナの顔のアップがやたらと多い。ひたすらこの２人のアップで切り返しが続くのですが、絵的には面白くもなんともない訳です。

特にこのヴァレンティーナ役のナターリア・ルダコワは、リュック・ベッソン自らがスカウトしたとの触れ込みですが、失礼ながら彼女のシミ・ソバカスだらけの顔はお世辞にもアップに耐えるとは言い難いです。劇中ではフランクの肉体美に惚れた彼女が、自ら彼にセックスを求めますが、残念ながら全くセクシーさを感じません。更に彼にストリップをさせるシーンでは、仕方なくにしろそんな要求にのって体を見せるフランクに違和感を覚えました。ジェイソン・ステイサムの売りはその体でもありますけど、無理矢理なシーンは頂けません。

完全に水没した車を引き上げて、その場であっというまに修理をしてジョンソンたちを追いかけるに到っては、あまりに強引過ぎるというもの。もともとフィクションの作品ではありますが、それでもリアルで素晴らしいカーアクションを見せてくれる作品だけに、車に関する部分でのいい加減な展開は興醒めです。結局終わってみれば前作、前々作の面白さに比べるとどうも劣化は否めない気がしたのでした。

個人的おススメ度3.0
今日の一言：あの廃棄物って結局なんだったんだろう？

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