私は猫ストーカー
イラストレーター・浅生ハルミンの同名のエッセイを映画化。主演は『3年B組金八先生』の星野真理。共演に『フィッシュストーリー』の江口のりこ、徳井優、坂井真紀と実力派が揃っています。監督は鈴木卓爾。脚本や俳優もこなすマルチな才能を持った鈴木監督ですが、本作が長編デビュー作です。最初に予告編、じゃなくてポスターを観た瞬間、ネコ好きの私としては速攻前売券を購入したのでした。
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優しく素敵な観るエッセイ
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ネコ好きな人のための作品です。もちろんネコ好きじゃなくても十分楽しめますが、ネコに対する愛情と、ネコ好きな人がとても丁寧に描写された作品ですから、そこの部分を感じられるかそうでないかは大きいのではないかと思いました。映像もさることながら、途中に挿入される原作・浅生ハルミンさんのイラストアニメーション、それに乗って流れる「猫ストーカーのうた」がもうとても素敵で心に響きます。余談ですが日曜に鑑賞して、リピーター500円割引鑑賞券をもらったので月曜日も行ってしまいました。(笑)
“谷根千”、谷中・根津・千駄木といった東京の下町に暮らすネコたち…。家ネコもいれば野良ネコもいます。でものんびり生活しているその姿は昔の日本を思い出させてくれるほのぼのとした風景。本作に登場するネコたちは実際に“谷根千”に暮らしています。星野真理さん演じるハルは猫ストーカー。時間があるとすぐに町にでてネコを探しに出かけます。そしてネコを見つけると、彼女曰く3つの秘伝に従ってネコとの一時を楽しむのでした。ハルを追いかけるカメラはまるで星野さんのドキュメントフィルムのようで、星野さん自身のネコに対する愛情が伝わってきます。
途中に沢山挿入されるネコたちの映像。ネコだけを観ていてもイイ。ネコとじゃれあう人を観ているのもイイ。どちらにしても観ているコチラは終始ほおが緩みっぱなし。ああ何て和むんだろう。ハルのバイト先の古本屋、店の名前は「猫額洞」。文字通り猫の額ほどの小さな古本屋で、その店のマスコットネコがキジトラのチビトムです。ちなみにこの「猫額洞」は中野新橋に実在するお店を借りたそうですが、よくもまあそんな都合の良いお店を見つけてきたものです。
ハルがお店からチビトムをストーキングしていくシーンは観ていて何だかとても楽しいのでした。話しかけるハルのことなど無視してトコトコ歩いていくチビトム、全くネコってヤツは身勝手なんです。でもそんなところがネコ好きにはまた堪らないんですけど。のんびりとした雰囲気の中で進んでいくストーリー、それが破られたのはとある事件からでした。古本屋のご主人が昔好きだった女性にあげた本が手元に戻ってきて、それを奥さんが見つけてしまったのです。やきもちを妬いた奥さんはご主人を無視!そして文字通りチビトムを猫可愛がりするようになるのでした。
ところが…何とそのチビトムが失踪してしまいまうのです。ネコが帰ってこないこと、それは外飼いではそんなに珍しい話ではありません。でも奥さんは半狂乱になってチビトムを探し回ります。終いにはご主人に「警察に行ってよ!」と当り散らすのです。ムチャ言いますよね。でも私は奥さんの気持ちは良く解りました。同じ経験をしたので…。いてもたってもいられないんです。でもそれは人の感情。チビトムにとってはハルにストーキングされていたときと同じように、人の感情なんて関係ありません。そしてチビトムは帰ってきませんでした。
数日後、奥さんはすっかり落ち着いてご主人のもとに戻ってきます。そしてまたあのゆったりとした日常が戻ってきました。「え?」と思われるでしょう。実は本作はこれといった結末は用意されていないんです。“谷根千”に暮らすネコたちと人間たちの日常を切り取った作品です。だから…ハルは今日も猫ストーカーを続けています。ハルが猫ストーカーを続ける限り、きっとどこかでまたチビトムと会えるでしょう。意外とすぐ近くにいる、そんな気がするんです。
個人的オススメ度4.0
今日の一言:↑の評価は物凄く個人的です。(笑)
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