ウィッチマウンテン／地図から消された山

１９７５年に製作された『星の国から来た仲間』をリメイクした作品。『ゲーム・プラン』のアンディ・フィックマンが監督。製作が『ベッドタイム・ストーリー』のアンドリュー・ガン。主演は『ゲット・スマート』のドウェイン・ジョンソン、彼が助ける兄妹役をアレクサンダー・ルドウィグと『チャーリーとチョコレート工場 』のアンナソフィア・ロブが演じています。鑑賞するまで知らなかったのですがれっきとしたディズニー映画でした。
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あれれ？こういう作品なんだ？

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これは明らかに誇大広告な作品でした。あの予告編、“アメリカ政府はこの山の存在を地図から消した…”という煽り文句には相当ワクワクさせられた方は多いのではないでしょうか。「エリア５１」だとか「ロズウェル事件」といったキーワードに感じるのと同じ感覚を期待すると裏切られます。ただし、よくよく調べてみると本作は１９７５年に公開された『星の国から来た仲間』のリメイクだとのこと。基本のプロットが古いということと、ディズニーピクチャーズであるということをあわせて考えると、相応の内容だと言えるかもしれません。

物語りも至って単純で特に捻りがあるわけでもありません。というか『ＴＡＸＩ』と『トランスポーター』を合わせてＵＦＯ風味にしたとでもいいますか…。（苦笑）ひょんなことから兄妹のエイリアンを乗せてしまった（乗ってしまった？）タクシードライバーのジャック・ブルーノ（ドゥエイン・ジョンソン）は、彼らの乗ってきた宇宙船がウィッチマウンテンにあることを突き止め、米軍やエイリアンの襲撃から逃げながらそこに向かい宇宙船を取り返すのでした。逃亡の間にジャックはそのエイリアンの兄妹と心を通わせるという人類とエイリアンの友好万歳なお話しです。

何ともご都合主義な本作の主人公・ジャックを演じていたドゥエイン・ジョンソンですが、どこかで見たことがあると思ったら、『ゲット　スマート』で敏腕スパイ・エージェント２３を演じていたんですね。個人的にはエージェント２３はいいキャラでしたが、本作のジャックは微妙です。プロレスラーという異色の経歴でありながらそれが活かされている訳でもなく、凄腕のタクシードライバーという設定の割には、そのテクニックを存分に見せてくれるのかといえばそうでもない…。せっかくなら『デス・レース』のジェイソン・ステイサム張りに見せ付けてくれれば良かったのですが。

エイリアンの兄妹であるサラ（アナソフィア・ロブ）とセス（アレクサンダー・ラドウィグ）もまた微妙。予告編でも見せ付けてくれましたが、兄のセスの分子密度を自由に変えられる能力はまだともかく、妹サラの能力が念力って…。いずれにしても１９７５年当時ならともかく、今時あの程度の能力で彼らにエイリアンを感じろといってもそれは無理な相談です。ディズニーピクチャーズということで、思い切りターゲットを低く設定したのかもしれませんが、それでも今時この程度で喜ぶ子供がいるとも思えません。日米問わずに。

結末としてはＵＦＯは無事取り返します。まあそれそのものは大した驚きも無いので書いてしまっているわけですが、問題はその前、事実上のラストシーンです。ＵＦＯの前でジャックと途中から合流したフリードマン博士（カーラ・グギノ）そしてサラとセスが手をつなぎ…。っとこの辺で止めておきますが、それまでの１時間半は一体何だったんだと思わせるようなオチでした。私は、何か突出している訳でなく全ての要素が平均してレベルの高いのがディズニーピクチャーズの良いところだと思っていたのですが、本作は平均してレベルが低い、いうなれば「中の下」的な作品になってしまっていると感じました。

個人的おススメ度2.5
今日の一言：見事に何も残らない作品です。

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