宇宙(そら)へ。
『ディープ・ブルー』、『アース』のイギリスBBCが今度は宇宙をテーマに製作。NASA50周年、人類の月面着陸40周年を記念したドキュメンタリー。NASAの秘蔵映像をふんだんに使ったアメリカの宇宙開発史を振り返った作品と言ってもよいかもしれない。製作総指揮・監督は『ダイアナ ~プリンセス最期の日々~ 』を手掛けたリチャード・デイル。日本語版ナレーションは宮迫博之(雨上がり決死隊)が務める。
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小学校の頃の夢に思いを馳せて…
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NASAの50周年と人類月面着陸40周年記念の作品だということですが、もうそんなに経つんですね。同じくNASAの蔵出し映像を使用した作品としてはロン・ハワード監督の『ザ・ムーン』がありますが、あちらがアポロ計画までをメインに実際に搭乗した宇宙飛行士にのインタビューを交えたドキュメンタリーなのに対して、本作はマーキュリー計画からスペースシャトルまで人類が、というよりアメリカの宇宙開発史を辿るドキュメンタリー。アポロ計画時には生まれていなかった私としては本作の方が自分の中の当時の経験という引き出しがある分感じるところが多かったです。
私たちの世代の男子は子供の頃の“将来の夢”といえばプロ野球選手に並んで宇宙飛行士という答えが出てきたものでした。それだけ60年代から80年代のNASAの宇宙開発が私たちに与えてくれた夢は途方もなく大きかったと言うことです。アポロ11号のアームストロングの『1人の人間には小さな一歩だが、人類には大きな飛躍だ。』の言葉は何度聞いても震えが来るほどの感動を覚えました。今回は月面車から走りながら撮影された月面のフィルムも見ることが出来るのですが、これまた素晴らしくクリアな映像であり、しかも主観撮影しているのでまるで自分が月面を走っているかのよう!ただただ魅入っていました。
さてアポロ計画が終わり1981年に初めてスペースシャトルの打ち上げに成功する訳ですが、この時の映像は今でもはっきりと覚えています。あのシャトルの機体の格好良さに惚れこみ、プラモデルを何体も作ったものでした。それまでのサターンロケットと違って、大空を滑空して戻ってくるスペースシャトルに、アニメでよく観る近未来を重ね合わせテレビに噛り付いて観ていました。この辺りまで来るともう思い出の映像と言っても良い物です。命綱なしの宇宙遊泳は静止画としては何度も見たことがあるのですが、こうして前準備の様子や実際に動いている様子は初めて。
そして1986年あのチャレンジャーの爆発事故が起こります。ついこの間のことのようですが、もう20年以上前なんですね。繰り返しニュースで流された爆発の瞬間は、今観ても呆然としてしまいます。いわゆるロケット時代とは違って、スペースシャトルに未来を見ていた私たちは、誰もが心の中でシャトルに事故なんか起こるはずが無いと思っていました。そういう時期はもう過ぎ去ったのだと。しかしほんの6年前に今度はコロンビアが宇宙からの帰路、空中分解してしまう事故が…。
宇宙開発史は紛れもなく死と隣り合わせの冒険です。スペースシャトル・チャレンジャーの爆発事故後のスピーチで、当時のレーガン大統領は「私たちは宇宙計画が始まったばかりだと言うことを忘れている。我々はパイオニアなのだ。」と言っています。しかし更に続けて「臆病な人間に未来はない。勇敢な人間にのみ未来は開ける。」とも言います。アメリカ人らしい言葉であり、同時にそれは今後も続いていく宇宙開発に対する大きなエールでもありました。
日本人宇宙飛行士も徐々に増えてきて、日本の子供たちは、私たちが子供の時よりずっと宇宙が身近に感じられるようになってきたと思います。ただ、そう感じられるような環境は、多くのパイオニアたちの命の上にあるものだということを忘れてはいけないでしょう。是非家族で観に行って、お父さんやお母さんはちゃんと教えてあげて欲しい、そんな作品でした。
個人的オススメ度4.0
今日の一言:宮迫さんのナレーションが意外にイイ!
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» 「宇宙(そら)へ。(rocketmen)」映画感想 [Wilderlandwandar]
公開2日間はなんと500円で見られるということで、さっそく見てきました。TOHOシネマのマイルも溜まるし、お徳ですね( [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 04時36分
» 宇宙(そら)へ。 [ともやの映画大好きっ!]
(原題:ROCKET MEN)
【2009年・イギリス】試写で鑑賞(★★★☆☆)
1958年発足当初から全てのプロジェクトの仔細を、16mmカラーフィルムに記録していたNASA=アメリカ航空宇宙局。
撮影されたまま誰の目にも触れずに、文字通り"凍結"されていたNASA50年に及ぶ膨大なオリジナルフィルムに、史上初めてアクセスして作られたドキュメンタリー。
ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で、初めて宇宙を眺めてから400年。
人間の探究心、好奇心、向上心には底が無いですよね。
これはNASAが行って... [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 05時34分
» 宇宙(そら)へ。/ニール・アームストロング [カノンな日々]
壮大な自然の神秘をとらえてきたイギリスBBCのドキュメンタリーシリーズが今回テーマにしたのは「宇宙」。NASAの所蔵する膨大な資料映像から厳選されたフィルムによって描かれるのは壮大な宇宙と未知の世界へ挑む人々の記録でした。
+++ちょいあらすじ... [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 08時15分
» 『宇宙(そら)へ。』(2009)/イギリス [NiceOne!!]
原題:ROCKETMEN監督・脚本・製作総指揮:リチャード・デイル翻訳監修:毛利衛公式サイトはこちら。<Story>打ち上げに失敗したロケットの姿、船内火災、そして飛行士たちの死。予期せぬ事故の凄惨なありさまに言葉を失い、頭を抱える地上職員の緊迫した表情は、宇...... [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 14時07分
» 宇宙(そら)へ。 [映画] [映画鑑賞★日記・・・]
原題:ROCKET MEN公開:イギリス製作国:2009/08/21上映時間:98分鑑賞日:2009/08/21監督:リチャード・デイルナレーション:マイケル・J・レイノルズ日本語版ナレーション:宮迫博之+あらすじ+米ソの宇宙開発競争に伴い、1958年に設立されたNASA(アメリカ航空宇宙局....... [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 16時45分
» 「宇宙へ。」 ステップ・バイ・ステップ [はらやんの映画徒然草]
本日公開の本作、今日明日観ると500円ということで早速観てきました。 宇宙をテー [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 18時33分
» 宇宙へ。(吹替版) [勝手に映画評]
NASA創立50周年、アポロ月面着陸40周年を記念してイギリスBBCがNASAの膨大な記録映像をまとめたドキュメンタリー。NASAはアメリカの政府機関なのに、何で映像化がイギリスのBBCなのか?と言う突っ込みは無し(笑)
マーキュリー計画、ジェミニ計画、アポロ計画、スペースシャトル計画と時代を追ってアメリカの宇宙開発史が振り返られます。もちろん、アポロ1号の悲劇、スペースシャトルチャレンジャーの悲劇、同じくコロンビアの悲劇もきちんと語られています。ですが、もう少しで悲劇になるところだったアポロ13... [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 19時41分
» 『宇宙へ。』(2009) [【徒然なるままに・・・】]
NASA設立から50年、人類の月面着陸から40年、という節目に作られたというドキュメンタリー映画。『ディープ・ブルー』と『アース』のスタッフが作ったという触れ込みではあるが、製作がイギリスの国営放送局BBCだというだけで、シリーズ第3弾とかいうわけではない。
またタイトルは、「うちゅうへ」ではなく「そらへ」と読む。
NASAの秘蔵映像を満載ということから、NASAのプロパガンダ映画になっているのかと思いきや、然に非ず。
アポロ13号の事故こそ省かれていたものの、アポロ1号やスペースシャトル... [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 21時13分
» 宇宙へ【2009イギリス】 [ピョンスケさんの徒然blog]
原題:ROCKET MEN(2009年イギリス)監督:リチャード・デイル これを [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 22時00分
» 宇宙(そら)へ。 [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP]
NASAの宇宙開発は、多くの犠牲の上に成り立つ特権的プロジェクト。いったいなぜ人類はこうまでして宇宙を目指すのか。そこには、未知の領域への挑戦という神々しい情熱と、米ソの軍事目的と領土拡大まで視野に入れた競争意識という下世話な動機が同居していた。そんな人....... [続きを読む]
受信: 2009年8月22日 (土) 23時34分
» 宇宙(そら)へ。 [だらだら無気力ブログ]
『ディープ・ブルー』『アース』に続き、イギリスBBCがアメリカの NASAの50年に及ぶ、宇宙開発への歴史をNASAに眠る オリジナルフィルムをもとに作られたドキュメント映画。... [続きを読む]
受信: 2009年8月23日 (日) 01時48分
» 宇宙(そら)へ。 [とりあえず、コメントです]
約50年のNASAの歴史を、記録フィルムを元にBBCが創り上げたドキュメンタリーです。 アポロ計画からスペースシャトルまで、搭乗員たちの命がけのチャレンジが映っていました。 [続きを読む]
受信: 2009年8月23日 (日) 14時03分
» 宇宙へ。 [象のロケット]
1957年、ソ連が成功させたスプートニクの打ち上げに危機感を募らせたアメリカは、翌年1958年にNASAを設立。 米ソの宇宙開発競争が幕を開けた。 打ち上げに失敗したロケットの姿、船内火災、飛行士たちの死、初の月面着陸…、全てのプロジェクトを記録していた膨大なNASAのオリジナルフィルムをイギリス公共放送BBCが編集し蘇らせた宇宙ドキュメンタリー。... [続きを読む]
受信: 2009年8月23日 (日) 23時36分
» 試写会「宇宙へ」(そらへ) [ITニュース、ほか何でもあり。by KGR]
2009/8/12、新宿、明治安田生命ホールでの開催。
比較的こじんまりとした会場で、中断から後ろはかなり傾斜がある。
前方の列でも前席が邪魔になることはない。
***
ソニー・ピクチャーズの配給。
「宇宙へ」と書いて「そらへ」と読ませるが、「空へ」とは何の関係もない。
BBCの製作なので、EARTH(Gyao)、Home(アスミック・エース)
と似たような映画かと思っていたが、ちょっと違った。
一言で言うと、NASAの宇宙開発の歴史をかいつまんで100分にまとめた、
ドキュメンタリー番... [続きを読む]
受信: 2009年8月24日 (月) 23時55分
» 宇宙へ。 (吹き替え版) [風に吹かれて]
地球はなんて美しいのぉ~ 公式サイト http://www.we-love-spa [続きを読む]
受信: 2009年8月25日 (火) 09時52分
» 『宇宙(そら)へ。』... ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2009年:イギリス映画、リチャード・デイル監督・脚本・製作総指揮。 ≪日本語ナレーション版≫ [続きを読む]
受信: 2009年8月25日 (火) 22時16分
» [映画『宇宙(そら)へ。』を観た] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆この作品、公開初日と二日目は500円と言う特別料金で鑑賞できたそうで、故に、私は通常料金を払うのが癪なので、せめてレイトショーで観た。
<ワーナーマイカル・村山>には、お客さんが、私を含めて3人しかいなかった^^;
映画『アース』のBBCスタッフが放つ次なるテーマ「宇宙」のドキュメントらしいが、
『ミーアキャット』も、「『アース』のBBCスタッフが放つ次なるテーマ」がふれこみだったと思う^^;
で、NASAの50周年を記念して作られたらしいが、何故、イギリスの国営放送が、なのであろ... [続きを読む]
受信: 2009年8月26日 (水) 00時40分
» 宇宙へ。 (吹き替え版) [風に吹かれて]
地球はなんて美しいのぉ~ 公式サイト http://www.we-love-spa [続きを読む]
受信: 2009年8月26日 (水) 13時40分
» ★宇宙(そら)へ。(2009)★ [CinemaCollection]
ROCKETMEN映時間98分製作国イギリス公開情報劇場公開(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)初公開年月2009/08/21ジャンルドキュメンタリー映倫G【解説】米ソの宇宙開発競争に伴い、1958年に設立されたNASA(アメリカ航空宇宙局)。マーキュリー計画からアポロ計画...... [続きを読む]
受信: 2009年8月26日 (水) 23時39分
» 「宇宙(そら)へ。」 [みんなシネマいいのに!]
NASAのマーキュリー計画→アポロ計画→スペースシャトルの歴史を振り返るドキュ [続きを読む]
受信: 2009年8月29日 (土) 23時04分
» 宇宙へ。 [☆彡映画鑑賞日記☆彡]
『幾多の尊い命が、その栄光を支えた。』
コチラの「宇宙へ。」は、設立50周年を迎えたNASA(アメリカ航空宇宙局)が設立当初から記録していたフィルムを、イギリスのBBCがその膨大な記録映像を編集し、1本の映画にまとめた8/21公開のドキュメンタリー映画なのですが....... [続きを読む]
受信: 2009年9月 2日 (水) 21時19分
» 宇宙へ [メルブロ]
宇宙へ 278本目 2009-38
上映時間 1時間38分
監督 リチャード・デイル
出演 NASA関係者
会場 TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
評価 5点(10点満点)
「ディープ・ブルー」「アース」のイギリスBBCが、NASA50年の歴史を探るドキュメンタリー映画。
過去の作品のよう...... [続きを読む]
受信: 2009年9月 4日 (金) 13時07分
» 映画:宇宙(そら)へ。 [よしなしごと]
公開初日の8/21と22はなんとすべての映画館で500円という超低価格設定。記事にするのが遅くなっちゃいましたが、初日の8/21に宇宙(そら)へ。を観てきました。低価格設定にもかかわらず映画館のスタンプカードには押印してくれました。スタンプの値段を考慮すると実質300円未満で観ることができました。
最近、出張だったり、ドラクエにはまっていたり、教習所に通ったりで記事にするのがだいぶ遅くなりました。... [続きを読む]
受信: 2009年9月 7日 (月) 03時45分
» 「宇宙(そら)へ」劇場鑑賞 [流れ流れて八丈島]
9月10日有効期限の武蔵野館の優待券で、ギリギリセーフのレイトショーですしかも、中野での試写会からのハシゴなんで、時間的にもギリギリです次からは、もっと余裕を持って使いたいものですねということで、本日の2本目の映画は、「宇宙(そら)へ」を観てきましたジ...... [続きを読む]
受信: 2009年9月11日 (金) 06時42分
» 宇宙へ。(’09) [Something Impressive(KYOKOⅢ)]
NASAの映像で、年頭に見た「ザ・ムーン」('07)の系列と思って気になってたドキュメンタリー、近隣では今週までのようで、先日新宿武蔵野館で見ました。出来れば字幕版の方を見たかったのですが、今回吹替え版で、ナレーションは宮迫博之でした。
やはりアポロ11号の人類が月面到達の臨場感、索漠とした月面の様子、訓練中のアームストロングの危機一髪の脱出等初め、アポロ関連で、「ザ・ムーン」に重なる所もありましたが、
その前後、冷戦の煽りでの宇宙開発熱、チンパンジーのハムに始まって、有人飛行、徐々に改... [続きを読む]
受信: 2009年9月19日 (土) 12時02分
» 宇宙(そら)へ。 [★試写会中毒★]
満 足 度:★★★★★★☆☆☆☆
(★×10=満点)
TOHOシネマズ みゆき座 にて鑑賞
監 督:リチャード・デイル
■内容■
設立から50年、
人類初の月面着陸に成功してから40年が経過したNASAには、
知られざ... [続きを読む]
受信: 2009年10月12日 (月) 10時21分
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