ディズニーネイチャー/フラミンゴに隠された地球の秘密
ウォルト・ディズニーの新レーベル「ディズニーネイチャー」の記念すべき第1作目。アフリカはタンザニアにあるナトロン湖に飛来するフラミンゴに密着したドキュメンタリーフィルムです。『つぐない』や『イースタン・プロミス』のプロデューサーを務めていたスティーヴン・ギャレットが今回もプロデューサー。日本語版ナレーションは今や若手人気No.1女優の宮崎あおいが担当しています。
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知っていそうで知らない鳥、フラミンゴ
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実は余り期待していませんでした。試写会に当選していなかったらスルーしていたかもしれません。ディズニーピクチャーズの新レーベルで自然や環境をテーマに扱った「ディズニーネイチャー」の第1弾として製作された本作は、フラミンゴの生態に迫るというものでした。これが意外に面白い。フラミンゴという鳥を知らない人はいないと思いますが、じゃあ野生のフラミンゴの生態をどの程度の人が知っているのかというと、かなり限られた人になってくるのではないでしょうか。


タンザニア北部にあるナトロン湖は塩分濃度が極めて高い湖で、そんな環境でも水中に生息する赤い色素を持った藻類が大繁殖すると真紅の湖へと変化します。そしてその頃、その藻類をエサにするフラミンゴたちが何処からともなく飛来するのでした。その数およそ10万羽!そしてその赤い色素を持った藻類を食べるとフラミンゴの体は、私たちの良く知る真紅の体へと色を変えるのです。そもそも彼らは繁殖のためにこの湖に飛来するのですが、とにかくまずその圧倒的な数に驚かされます。その10万羽がいくつかのグループに分かれて求愛行動をする様子は、なにやらコール・ド・バレエを思わせるものがありました。



ナトロン湖は雨季が過ぎると水分が蒸発し、いたるところに塩の塊で出来た島が現れ、そこにフラミンゴたちは巣を作り卵を産み落とします。ところで皆さんはフラミンゴのヒナを見たことがありますか?上の写真がそうなのですが、ふわふわで灰色の産毛に覆われ、実に愛らしいですよね。生まれて数時間で早くも立ち上がろうとヨタヨタと…そんなヒナにお母さんは自分たちが食べた真っ赤な藻類をお腹から戻して液状にしたフランゴミルクを飲ませます。弱肉強食の野生環境ですから、少しでも早く丈夫に成長して欲しいと願わずにいられません。


ある時期を過ぎるとフラミンゴの群れは一斉に移動を始めます。ヒナとあわせて今度はおよそ20万羽の大移動。しかもヒナはまだ飛べませんから歩いての移動になります。こらがまた壮大で思わず見とれてしまうほど。ところが、不用意に塩の水溜りに脚を突っ込んでしまったヒナはその水分が蒸発するたびに脚の周りが塩で覆われ、終いには塩の足かせが邪魔で歩けなくなってしまいます。これは運が悪いとしかいいようがないのですが、これもまた自然の厳しさなのですね。


塩の島から水辺に移動が終わっても敵は沢山います。そして必ず何百羽という単位で襲われて命を落とすのです。この試写会のあと、玉川大学の先生のトークショーがあったのですが、先生によれば、野生のフラミンゴは普通に生きれば寿命は40年ほどで、実はフラミンゴの総数は40年の一生の内に2羽の子供を育てられれば増えて行き、1羽を育てれば変わらないのだそうです。しかし、現実にはフラミンゴの数は種類によっては減っています。1回で約10万羽も生まれているのにも係わらずです。ただ、減っているとはいえ、フラミンゴは今はまだ絶滅の心配はありません。しかしそんな今だからこそフラミンゴが安心して繁殖できる環境を守らなくてはいけないのでしょう。
個人的オススメ度3.0
今日の一言:たかがフラミンゴと侮るなかれ…。
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