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2009年8月 1日 (土)

バーダー・マインホフ 理想の果てに

Photo 『おくりびと』とアカデミー賞外国語映画賞を争ったドイツ映画。1960年代の反帝国主義革命の理想に燃える“バーダー・マインホフ・グループ”の闘争の歴史を描いた作品。主演は『クララ・シューマン 愛の協奏曲』のマルティナ・ゲデックと『es[エス]』のモーリッツ・ブライブトロイ。共演に『ヒトラー 最後の12日間』のブルーノ・ガンツも出演している。監督はウーリー・エデル。

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やっぱり似ている?ドイツ人と日本人

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『クララ・シューマン 愛の協奏曲』のクララ役が素敵だったマルティナ・ゲデック主演と聞いて鑑賞してきました。60年代の反帝国主義=反アメリカ主義の時代に生まれた反権力組織を描いた作品で、リアルタイムを知らない私としては純粋に近代史的作品として興味深いものがありました。それにしてもスクリーンに展開される様子は日本の60年学園闘争のようです。第二次大戦の同盟国じゃないですが、ドイツ人と日本人は思考回路が似通っているのかもしれませんね。

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本作は大きく前半と後半に分けられます。前半の中心人物はジャーナリストのウルリケ・マインホフ。彼女は学生運動の取材を通じて彼らに共感を抱き、彼らと行動を共にするようになるのでした。こうして出来たのが「バーダー・マインホフ・グループ」。面白いのは、前半の彼らは確かに反米思想の武闘派ではありましたが、まだ若かったせいもありあまり内向きな陰湿さを感じないことです。

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失敗を恐れない希望に燃えているとでも言ったらよいのでしょうか。レバノンでの戦闘訓練中に訓練共感とイザコザを起こし、イスラム国にも係わらず宿舎?の屋上で男女共に全裸になったりしてしまいます。やっているところがどこか子供っぽい、マルクス主義にかぶれたどこかインテリ臭い若造たちの集団のようにすら見受けられます。性の解放と帝国主義からの解放を重ね合わせて話すあたりがバカっぽくていいんですけど。

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さて、正確にはレバノンに訓練に言った時には「バーダー・マインホフ・グループ」改め「RAF(ドイツ赤軍)」が設立されているのですが、ドイツに戻るといよいよ本格的な武力闘争を開始します。ここからが後半で今度はアンドレアス・バーダーが中心。ちなみにドイツ赤軍は「日本赤軍」に倣って名づけられたそうで、これまた妙に日本人との繋がりを感じさせるのでした。ところがこんな武力闘争など長く続くわけも無く、というより画面から感じるのは随分杜撰な計画で、ほどなくバーダーもマインホフも逮捕投獄されることになります。

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独房に閉じ込められて次第に精神的に追い込まれていくバーダーたち。彼らを救出させるために外にいるRAF残党はハイジャックや誘拐など様々なテロを起こします。ところがここから先が日本とドイツの大きな違いでした。日本ではダッカ事件の際に“あなたとは違う”元首相のお父様が「人名は地球よりも重い」という言葉でテロリストに屈しましたが、ドイツではことはそうは進みません。すべてのテロは失敗に終わるのでした。

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失意の内に彼らは自殺してしまいます。もちろん私は彼らの思想に共感もしなければ理解するつもりもないのですが、面白かったのはバーダーたちを救おうとしたRAFの残党は、既にバーダーたちすら知らないメンバーだったということ。貧困などなく同じ宗教でも政治思想だけでテロリストは生まれてくるんです。まして、仲間や身内を殺されたり宗教問題が絡む中東で反米テロリストが生まれないはずがないんですね。

邦刑事捜査局長のホルスト・ヘロルドが言っていた、「我々はテロリストをもっと理解しなければならない。」この言葉を今こそもう一度かみ締める必要があるのだと感じました。

個人的オススメ度3.5
今日の一言:ヌーディストビーチから始まったのには驚いた!

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