ゴー・ファースト 潜入捜査官/Go Fast
リュック・ベッソン率いる映画製作会社ヨーロッパ・コープの作品。実話をベースに麻薬組織への潜入捜査官を描いたクライムアクションムービーです。主演は『デイズ・オブ・グローリー』(日本未公開)で第59回カンヌ国際映画祭男優賞を受賞したロシュディ・ゼム。『アーサーとミニモイの不思議な国』をプロデュースしたエマニュエル・プレヴォストが今回もプロデュースと脚本を務めている。 |
何とも地味、でもその分リアル! |
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なんと東京では新宿バルト9の1館、それも1日に21時台の公開1回きりという恐ろしく鑑賞チャンスの少ない作品です。しかもレイトショー扱いじゃないんで通常料金。それでも10人程度の客の入りでした。何でこんな上映環境なんだろう…と思ったものの、観てみたらそれも納得の恐ろしく地味な作品なのでした。『トランスポーター3』や『96時間』が公開中のリュック・ベッソンが率いる映画製作会社ヨーロッパ・コープの作品と言う触れ込みでしたが、私の予備知識はその程度。観て初めて知ったのですが実話ベースの話なんですね、コレ。
“潜入捜査官”というタイトルの印象から勝手にアメリカ映画だと思っていましたが、ベッソンなんですからフランス映画に決まってますよね…。ちなみに「ゴー・ファースト」というのは、ヨーロッパで麻薬を目的地に最速で運ぶ連中のこと。そうなると必然的に「トランスポーター」シリーズを思い出す訳で。やっぱりこの作品にもアウディが登場します。というより登場する車だけ見ると「トランスポーター」シリーズより遥に豪華!プジョー、ポルシェカレラ、ポルシェカイエン、BMW、プジョーと名だたる高級車だらけ。これらの車が爆走するカーチェイスシーンは“そこそこ”みものです…。
いやその、やはりこの作品の場合、実話ベースと言うのが最大の足かせであり、最大の良さだと思うんですね。主人公のマレク(ロシュディ・ゼム)は最初警察官として潜入操作をしていますが、同僚を麻薬密売組織に殺されます。おりしも麻薬組織撲滅を狙うフランス麻薬取締局はそんな彼を採用し、潜入捜査官として訓練したのち組織に潜入させることに成功するのでした。麻薬組織の取引の様子や用心深さ、取締局での訓練の様子、“ゴー・ファースト”としての役割などはさすがにリアリティがあります。ことに、麻薬を運搬する車の前を偵察専用の車が走り、全ての指示を出すという設定は「へぇ、そんなことまでしてるんだ。」とちょっとトリビア。
そうしたリアリティが大切にされている分、当然ながらそこには荒唐無稽な出来事は起きません。例えば『トランスポーター3』ではアウディの片輪走行なんて離れ業も登場しますけども、本作では到って地味に疾走するのみ。一般車の間を猛スピードですり抜けていく様子を観ていると確かに腕がいいのは解るのですが、あくまでもそれは常識的なレベルでの範疇なんですね。もっともポルシェの窓を拳銃でぶち割ったり、アウディとBMWを破壊したりと、お金の掛け方はちっとも地味ではないんですけど。
他に銃撃戦もあるのですが、これまたとてもノーマルというかやっぱり地味。比べるものでもないですが、「西部警察」にも負けてます。一応麻薬組織に先に潜入しているアメリカ人がいるという設定で、観てたら普通に誰だか解るんですが、もうちょっとその彼女と連携して組織内でのスパイ活動的なところを観せてくれたりしても良いんじゃないかと。せっかく美人でセクシーなのにもったいないです。如何せんせっかく潜入しても、本当に単なるドライバーとしての役割しかしてないんで…。ベッソンらしい突き抜けたモノが無かったのは本人が直接携わっていないからなんでしょう。
個人的おススメ度3.0
今日の一言:公開環境を考えるとDVDでいいと思う…
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