アルティメット
リュック・ベッソン脚本・プロデュースのアクションムービー。本作は日本公開は2006年ですが、2009年現在は『アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ』が公開中。主演のシリル・ラファエリはベッソン作品でスタントマンを数多く務め、ダヴィッド・ベルは本作のアクションの肝、“パルクール”の創始者。監督のピエール・モレルはこれがデビュー作で、最近ではリーアム・ニーソン主演の『96時間』の監督も務めている。
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「NO CG! NO STUNT! NO WIRE!」のコピーは伊達じゃない!素晴らしいアクションの連続にため息が出るほど。劇場で見なかったことを大いに後悔する作品でした。実は未見のまま『アルティメット2』を観て、そのアクションの凄さに魅せられて、そのまま帰りにTSUTAYAに向かったものの見事にレンタル中、ようやっと鑑賞出来たという訳です。2は2でそのまま観ても十分面白いのですが、本作を観るとダミアン(シリル・ラファエリ)とレント(ダヴィッド・ベル)の背景や、2人の繋がりが解ってより思い入れが強くなることは間違いなし。
物語が始まるとまずは挨拶代わりとばかりにレントが襲われ、彼の“パルクール”仕込みのスーパーテクニックによる逃走劇が始まります。ダヴィッドは創始者だけあって、まさに凄いとしか言葉がないのですが、何気に追いかけるほうも凄かったり。あの追いかけるギャングの連中も“パルクール”の使い手なんでしょうか。5mぐらいの高さなら楽々飛び降りている気がするのですが、どういう脚の構造をしているのやら。さて、追いかけられた原因はギャングのボス・タハ(ラルビ・ナセリ)のドラッグを盗み出したため。バンリュー13地区で生まれ育ったレントはこの街からドラッグを一掃しようとしていたのです。
一方ダミアン。2では警察官になっている彼はこの時点でまだ軍所属。しかしやっていることは同じで潜入捜査だったりします。1対複数なれども軍の特殊部隊という設定で魅せる格闘アクションはただひたすらカッコイイ!正統派アクションのお手本ともいえます。演じているシリルの経歴を見てみると、ベッソン監督の『TAXi2』、『トランスポーター1・2』でスタントを務めているとのこと。本人の公式サイトを見ると『トランスポーター3』の記載もありますが、流れからしたら演っているんでしょう。そういえば『トランスポーター3』で自転車アクションから車の窓に直接脚から飛び込むスタントは、本作や『アルティメット2』でも観られますから、シリルの十八番なのかもしれませんね。
タハに妹・ローラ(ダニー・ヴェリッシモ)を拉致されたレイトは1度は助け出すものの、警察の裏切りで再度攫われ、レイト自身も拘束されます。これがダミアンとレイトの出会いのきっかけになるのでした。ダミアンは盗まれてバンリュー13地区に持ち込まれた中性子爆弾の起爆解除を命じられ、その案内役としてレイトが指名されるのです。この2人、2では息の合ったコンビでしたが、最初はお互いに全く信頼していなかったんですね。2人とも何かと言うと「俺を信じろ。」と言うのが逆説的で面白いです。本作でも2でも面白いのは、彼らの見せ場は逃亡の時にこそ発揮されるということ。だから2人とも主人公なのに走る走る!
最終的にハッピーエンドなのはお約束ですが、この「アルティメット」シリーズの場合、ずっと敵だった相手とも和解してしまうのが特徴。つまり最終的には同じバンリュー13地区の住人であって、敵はフランス政府だということで落ち着くのです。要は1も2も理由はそれぞれあれどもバンリュー13地区を破壊してしまおうという政府内部の人間が真の“悪”だということなのでした。全てが終わりバンリュー13地区に戻る1のラストが、まるっきり2のオープニングになっているところがニクイ演出です。個人的にストーリーは本作の方が解り易いと思いますが、アクションは2の方が派手ではないかと感じました。いずれにしろ両方ともノリのよいラップに合わせた映像が気持ちいい作品です。
個人的おススメ度3.5
今日の一言:2で妹・ローラはどこいっちゃったんだ?
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