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2009年9月23日 (水)

青の稲妻

Photo 中国は山西省のとある都市を舞台に描かれる青春映画。監督は後に『長江哀歌』『四川のうた』を送り出すジャ・ジャンクー。製作にオフィス北野が加わっていることもあり、エグゼクティブプロデューサーとして、北野武作品のプロデュースを手がける森昌行も参加。主演はチャオ・ウェイウェイとウー・チョンの二人の若手俳優だが、ジャ・ジャンクー作品には欠かせない女優、チャオ・タオももちろん出演している。
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そして気が付けば…

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個人的にこの手の青春ドラマはとても好きだったりします。似たような作品で言うなら台湾映画『九月に降る風』のような青臭さを含みつつも、そこまでの開放感はないといった感じ。これは台湾と中国の国家体制の違いによるところが大きいのだと思うけども、そもそも中国映画には必ずといっていいほどどこか抑圧された空気があります。それは逆に言うと、現実の中国を映し出したリアリティと言って良いのではないでしょうか。ちなみ、オフィス北野が製作に参加していたせいもあってか、に主人公の2人を見ていると『キッズ・リターン』を思い出したのですが、内容は全く別物です。

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中国は山西省の大同と言う街に住む2人の少年シャオジィ(ウー・チョン)とビンビン(チャオ・ウェイウェイ)は親友同士。シャオジィは無職、ビンビンは勤め先をクビになり、今は2人ともブラブラと毎日を無駄にすごしています。ビンビンには恋人ユェンユェン(チョウ・チンフォン)がいましたが、シャオジィは募集中。しかしある日、モンゴル王酒のキャンペーンガールを務めるチャオチャオ(チャオ・タオ)に一目惚れしてしまいます。物語はこの2組の恋愛模様と、男同士の友情がクロスオーバーしながら展開されていくのでした。

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ビンビンとユェンユェンのカップルからは、恋人の前で格好つけたい男子と、そんな彼のことが好きだけれど親に認めてもらえるようにちゃんとして欲しいという女の子の気持ちが伝わってきます。それにしても、いつもビデオでを見ながら何をするわけでもなく時間を過ごす2人は意外と純だなぁと。2人で手をつないで「任逍遥」を歌う様子はちょっと青臭いですが青春していて良い感じ。ユェンユェンが北京の大学に行くことを知ったビンビンは、彼女と一緒にいるために軍に入ろうとします。、好きな人と一緒にいるためならばちょっと驚くような選択をしてしまうのも若さの特権というものですね。

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一方のシャオジィ。実はチャオチャオはヤクザのチャオサン(リー・チュウビン)の女でした。チャオチャオも最初のうちはあからさまに「ガキの相手なんかしてられないわ!」という態度でしたが、しかしとある事件をきっかけに2人は惹かれあうようになります。チャオサンの子分に痛めつけられるシャオジィ。しかしそれでも全く懲りずにアタックし続ける…。ビンビンとは別の意味で彼もまた青春してます。これ位の年頃の男子が年上の女性に憧れるのはある種、流行り病のようなもの。想い叶ってホテルで一夜を過ごす2人…、しかしどうも噛み合わない会話。僅か2歳違いだけれど背負って生きてきたものの重みの差がそのまま出てしまった結果でしょう。

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軍への入隊を決めたビンビンが受けた健康診断の結果、なんと彼は肝炎だということが判明します。入隊はおろか、恋人との接触も避けたほうが良いという最悪の結果…。携帯電話をプレゼントされ、無邪気に喜ぶ彼女と、恐らく別れを決意しているビンビン。そしてシャオジィの方も彼がホテルで目覚めるとチャオチャオは姿を消していました。まさに2人とも「任逍遥」の歌詞通り「有愛有心不能活到老 叫我怎能忘記イ尓的好」(愛も情も死するまで続くわけではないのに おまえの心を忘れる事もできない)の心境でしょう。

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彼らがこうして悶々とした日常を過ごしている間にも世間は絶えず動いています。北京五輪決定を伝える街頭テレビ、喚起に沸く人々のなかでビンビンとシャオジィだけが全く関心がなさそうにしているのが印象的でした。若さ故に自らのことで手一杯、世の中の動きなど関係ない。街に絶えず流れ続けている宝くじの宣伝の声が何か虚無的です。そして気が付くと2人だけになってしまったビンビンとシャオジィ。ラストのエピソードは唐突ではありますが、結局最後に残るのは自分だけと言うことなのか…。「任逍遥」=“自由気ままに生きる”のは構わないけれど、その代償は払わなければならないのか、そんなことを思いました。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:エンディング、気が付くと2人が歌ってる…

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