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2009年10月20日 (火)

悪夢のエレベーター

Photo タレント堀部圭亮の長編映画監督デビュー作。脚本も当人が務める。木下半太の同名小説をベースに映画化したミステリーコメディだ。主演は『252 生存者あり』の内野聖陽。共演に『鈍獣』の佐津川愛美、『いけちゃんとぼく』のモト冬樹、『ロボゲイシャ』の斎藤工が出演。この4人がエレベーターに閉じ込められ脱出を目指すも、予想だにしない文字通り悪夢が彼らを襲うのだった…。
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仕掛けは秀逸でも絵的につらい。

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予告編を見てかなり期待していたのですが、思ったほどではなかったというのが正直なところ。それにしても全くのネタバレなしには何も書けないほど企画命といってよい作品でした。即ち本作は、既に公になっている4人がエレベーターに閉じ込められ、そこで起こった出来事を描いたシークエンスと、それ以後のシークエンスに大別されます。キーマンとなるのは小川順(斎藤工)。彼が産気づいた妻の下に帰るために、愛人家を出てマンションのエレベーターに乗り込んだ所から物語が動き出します。

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ところでこの斎藤工。このところ『ロボゲイシャ』、『吸血少女対少女フランケン』、『カフェ・ソウル』と立て続けに映画出演中。ただ作品そのものがどれも微妙なんですよね。イケメンだし、芝居もそんなに下手ではないのだからもう少し出演作品を選んだら良いのにと思うのですが。さて、エレベーターの急停止のショックで気を失った順が目覚めたときその場にいたのが、見るからにヤクザな安井(内野聖陽)、ジャージにでかいメガネという怪しいいでたちの牧原(モト冬樹)そしてゴスロリスタイルのカオル(佐津川愛美)の3人。

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なんとまあ濃いメンバーなんだ!内野聖陽は関西弁でまくし立てるチンピラ風の安井が結構ハマっているし、静夫はパッと見全身タイツかと見ま違うようなジャージ姿。そしてこのエレベーター内で、最も危険な香りを漂わせているカオル。特に可愛らしいロリフェイスのカオルが上目遣いでガン飛ばしている姿は相当ヤバイ…。しかもカッターナイフをカチャカチャさせ始めた日には、残る3人は逃げ場のないエレベーター内で一心同体だったり。こんなことされたらそりゃストックホルム症候群にもなるってものです。

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エレベーターの中という限定空間だけに当然絵変わりは全くないんで、彼らのキャラクターを強くしないと辛いということはあるのでしょうね。ただそれにしても、エレベーターの中らしい絵は、防犯カメラからの映像だけで、どう撮ろうとバックは変わらず。強烈なキャラクターといっても悲しいかな、見た目は意外と慣れるのが早いもの。会話の中身とテンポはそれなりに面白いのですが、ちょっとこのシークエンスの長さはきつかった…。一瞬意識が飛びそうにもなりました。

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(ここからネタバレ含む。)
いい加減どうにかしてくれと言う所で事態が思わぬ方向に動き出します。実はエレベーターに閉じ込められた4人のうち小川を除く3人は仲間でした。安井のやっている探偵事務所が受けた仕事で小川をハメたのです。ところが小川に3人がグルだとばれた安井は、注射で小川を眠らせるのでした。そしてやっと、ここから先はエレベーターに閉じ込められた謎解きが始まるかと思いきや、なんとその注射で小川は死んでしまうのでした。まさかメインの4人のうちの1人が死ぬとは思いもよらず…。ここから謎解きと順の死体隠蔽工作が同時進行となります。

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謎解きは興味深いものの、死体隠蔽はどうということもない展開。ただ途中で出てくる大家と安井のやり取りは笑わせてもらいましたけど。結局エレベーターという限定空間でのサスペンスを期待していた私にしてみれば、思ったよりもエレベーター内がタルかったのが計算違い。しかもそんなエレベーターでも降りてしまったらもはやそれまででした。もっとも実はまだ本作には更に秘密が潜んでいたのですが…。基本的に仕掛けは盲点を突いたもので秀逸だとは思います。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:大家さ~~ん!

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受信: 2010年11月19日 (金) 13時42分

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09年/日本/105分/ミステリー・コメディ/劇場公開 監督:堀部圭亮 原作:木下半太『悪夢のエレベーター』 脚本:堀部圭亮 特殊メイク:西村喜廣 残酷効果:西村喜廣 特殊造形:西村喜廣 出演:内野聖陽、佐津川愛美、モト冬樹、斎藤工、本上まなみ、長澤つぐみ ...... [続きを読む]

受信: 2011年7月20日 (水) 00時41分

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