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2009年10月27日 (火)

天使の恋

Photo 同名のケータイ小説を映画化、一説によればケータイ小説史上最高のアクセス数なんだとか。脳腫瘍の大学講師と訳あり女子高生のラブストーリーです。主演は雑誌「PINKY」のカリスマモデル・佐々木希と『ハンサム★スーツ』の谷原章介。共演に酒井若菜、山本ひかるも出演している。監督・脚本・プロデュースは長編デビューの寒竹ゆり。映画初主演の佐々木希の体当たりの演技に注目!
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佐々木希だけ見てれば幸せになれます。

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最近脚本的に非常に良く出来た作品や、素晴らしい演技を見せてくれる俳優が出演した、素晴らしい洋画・邦画が続いていたためか目が肥えていたのでしょうか、素晴らしく薄っぺらなラブストーリーに逆に感心してしまいました。ケータイ小説はここまで軽い中身にしないと女子中高生は読んでくれないんでしょうか。冒頭から説教臭くてなんですが、こんなものを読んで小説を読んだ気になっていては、どんどん頭の中身も軽い人間が出来上がっていくような気がします。とはいえ、映画になるとそこそこ観れてしまうのは、やはり出演者の力が大きいということなんでしょうね。

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物語は、心にトラウマを持った女子高生の小澤理央(佐々木希)がひょんなことから35歳の大学講師・小澤光輝(谷原章介)を好きになるも、実は彼は脳腫瘍だった…という流れ。理央の一途な純愛をメインストーリーに、いじめ・援交・自殺・性的虐待といった要素を加味したケータイ小説らしいストーリー展開。病気モノと言うだけにラストは泣けるのかと思いきや全く感情が高ぶることが無いお話しは、この秋の2大病気モノ『私の中のあなた』には遥か遠く及ばず、『僕の初恋をキミに捧ぐ』の足元にも及ばないという代物。ある意味泣かせたいのならベタな展開もアリなハズなのに、逆にそこをベタにしないところが良くも悪くも作品の軽さを象徴しています。

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映画初主演であり、あくまでもモデルな佐々木希に演技力を要求するのはそもそも無理な相談ですから、そこは観る前から割り切っていました。その前提で観れば彼女は良くやっていたと思うし、それ以上に彼女の存在感、可愛らしさと美しさが混じったような独特の魅力は、さすがは伊達にカリスマモデルと呼ばれている訳じゃないと感じさせるに十分なものでした。冒頭のベッドの上のセミヌード姿は色っぽさと綺麗さが同居しています。途中にインサートされている、次々と洋服を変えていくカットでは、本業のモデルの力をいかんなく発揮、更に図書館で光輝と初キスするシークエンスでは実に可愛らしい彼女が観られます。

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突っ込みどころは多々ありますが、彼女の持つトラウマが劇中の描写に活かせていないところが本作の一番の欠陥でしょう。実は理央は過去ににレイプされて妊娠→堕胎しているということを、物語のラストで明かしているのですが、この部分を物語冒頭でしっかり描いていません。何故彼女が援交をしているのか、お金が全てだと考えるようになったのかの説得力がないんですね。今時女子高生が援交をしている設定だけでは彼女の心情に共感するのは無理というもの。そこで躓いているから、彼女のトラウマからの行動に端を発した周囲の行動もよくある出来事として流れていってしまいます。一重にこの作品の薄っぺらさは、この構成上の欠陥によるところが大きいでしょう。

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逆に最初に脳腫瘍で余命宣告をされている光輝、彼に関してはその後の彼の行動の基準がどこから来ているのかが明白なので素直に感情移入できました。要は、劇中の理央と光輝はお互いに隠された事情を知る必要はありませんが、観ている側は知っていなきゃいけない訳です。谷原章介は人付き合いの下手な大学教授の設定故に、ぼさぼさの髪に無愛想な表情を貫いていましたが、彼の持っている内面的な魅力がふとした表情や仕草に表れていて、良くも悪くも隠しきれていないところが面白いです。なにしろ元モデルで「レッツハンサム!」ですから…。理央とちゃんと付き合い始めた辺りからは、お似合いのカップルぶりを発揮してくれます。

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バッドエンドではないけれどハッピーエンドでもない。しかも理央に感情移入は出来ていないと来たら、観終わっても「ふ〜ん。」てなもんですが、佐々木希の普段はなかなか観られない色んな表情や姿が観られるという意味では中々貴重かつ満足出来る作品といえました。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:酒井若菜がえらく老けた気がする…

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受信: 2010年11月 5日 (金) 00時24分

» 映画評「天使の恋」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
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受信: 2011年2月16日 (水) 14時04分

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