あなたは私の婿になる

『シャッフル』のサンドラ・ブロック主演最新作。共演は『ウルヴァリン：Ｘ-ＭＥＮ ＺＥＲＯ 』のウェイド役が記憶に新しいライアン・レイノルズ。監督は『せになるための27のドレス』のアン・フレッチャー。意外なところで「トランスフォーマー」シリーズの脚本家・アレックス・カーツマンが製作総指揮として参加している。年上のキャリア・ウーマンとそのアシスタントが繰り広げるラブコメディ。

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オーソドックスに楽しいラブコメ！

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今まであんまり考えたことがなかったのですが、私は実はラブコメが大好きなのかもしれません…。この作品、単純に面白かった！仕事帰りのレイトショー、疲労した頭と体をスカッとさせてくれる、そんな作品です。元々サンドラ・ブロックというと私の中ではクールビューティーというイメージ。悪く言うとちょっとキツイ感じがしていま一つ好きになれない女優でした。本作でも序盤はそのイメージ通り。もっとも、演出上キツク見せているのですけどね。髪の毛をまとめて、ボディーコンシャスなビジネススーツに身を包んだ彼女は客観的に見てカッコイイのですけれど。

出版社の編集長を務めるマーガレット（サンドラ・ブロック）は社内でも恐れられる存在です。そもそも彼女が出社すると社員のメッセンジャーに警告が飛ぶ有様。彼女はカナダ人ですが、ちょっとした事からビザの更新許可がおりないことになってしまいます。そのままでは国外退去で仕事を辞めなくてはならない…、そこで彼女が急遽思いついたのが、彼女のアシスタントで編集者志望のアンドリューとの偽装結婚でした。こんな形で物語りは始まりますが、まあこの時点で途中がどうあれ最終的には２人がラブラブになるなんてことはお約束。

ラブコメは結果を楽しむものではなく最終的にカップルになる２人がお互いが自分の気持ちに気付いていく過程を楽しむものですから、ある意味覗き趣味といえばそうなるのかもしれません。ともあれ本作での２人が、お互いの気持ちに気付きあう舞台はなんとアラスカでした。アンドリューの祖母アニー（ベティ・ホワイト）の誕生日のための里帰りにかこつけて結婚の報告をしようという訳。地元に帰って活き活きアンドリューに対して、ニューヨーカー丸出しの格好で浮きまくっているマーガレットの姿が実に滑稽です。

で、何故かボートでアンドリューの実家に向かうとそこは大豪邸。ここからアンドリューの家族を含めたドタバタ劇の幕開けです。ハタと気付くと、いつの間にかマーガレットが髪の毛を下ろしている…あれ？イメージ変わった？ここから先サンドラ・ブロックがどんどん可愛くなっていくのでした。恋する女性は綺麗になるといいますが、恋するマーガレットの顔から険が取れていくにしたがって穏やかな女性らしい表情を見せてくれる、メイクも含めた上手い演出です。さて、当然アンドリューとの恋愛がメインで描かれますが、彼の家族との交流もみどころ。

母グレース（メアリー・スティーンバージェン）とアニーとの３人で行った地元で唯一の男性ストリップシーン、ラモーネ（オスカー・ヌニェス）のキモさは実に笑えます。マーガレットはめちゃくちゃ迷惑そうでしたが…。何故かこのラモーネ、ストリッパー以外にもこの後も度々登場し、そのたびに笑いをかっさらっていくんですね。他にも祖母アニーとマーガレットが何故かダンスで祈祷するシーンも見所。こうしてすっかり家族の一員？になったマーガレットは、何故か成り行きでそのまま実家で結婚式を挙げることに。

ここまでコメディシーンが多かったものの、アニーが自らが着たウェディングと、パクストン家に１５０年前から伝わるネックレスをマーガレットが貰うシーンはちょっと感動。人の良い家族を騙し続けるマーガレットの良心の呵責がよく伝わってくるのでした。実はもうこの時点で傍から見てもお互いに好きになっている２人ですが、当人たちは自分たちは偽装結婚なんだという自ら課した縛りで次の一歩が踏み出せない状態です。うーん、この手のヤキモキさがラブコメの醍醐味でしょう。クライマックスに向かってテンションが上がるというものです。

２人のベースとなる場所、出版社のオフィスで、他の社員の面前で繰り広げられるラストシーンは個人的には大喝采。実に気持ちいい！だからラブコメは止められないんです。

個人的おススメ度3.5
今日の一言：サンドラ・ブロックを見る目が変わりました。

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