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2009年11月26日 (木)

きみに微笑む雨/호우시절

Photo 『四月の雪』のホ・ジノ監督最新作。主演は『私の頭の中の消しゴム』『グッド・バッド・ウィアード』のチョン・ウソンと『大秦帝国』のカオ・ユアンユアン。共演に『食客』のキム・サンホが出演。大地震から1年後の四川を舞台に10年ぶりに再会した韓国人男性と中国人女性のロマンチックなラブストーリーだ。チョン・ウソンの激しくも甘いキスシーンが話題を呼んだ一作。

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チョン・ウソンはラブストーリーがイイ♪

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チョン・ウソンの魅力が全開の作品です。とにかく彼がスクリーンに登場しただけで観ている者の気持ちを一気に引き付けてしまうオーラはさすがとしか言いようがありません。前作『グッド・バッド・ウィアード』ではガンマン姿というちょっと変わった出で立ちでしたが、本作では打って変わってオーソドックスなビジネスマン。オーソドックス過ぎて、会社ではさぞOLに大人気だろうなどと、変な想像すらしてしまうほどです。相手役のカオ・ユアンユアンもまたスレンダーな美女で、『私の頭の中の消しゴム』のソン・イェジン(大好き!)を思い起こさせる、可愛らしい美人系。というか、また好きなアジア系女優が増えてしまったかも…。

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観始めてすぐに驚いたのが、韓国人と中国人が英語メインで演技をするというスタイル。もちろん母国語も使いますが、それは母国の人と話す時に少し使うだけ。何ともアジア映画の国際化を感じさせます。一応、2人ともアメリカ留学をしていたから話せるという設定がありますが、そうした設定はいかようにでもなるはずです。世界標準で考えるならば、日韓でも日中でもそろそろそんな映画のあり方も考えなくちゃいけない時代なのかもしれません。さて、物語の舞台は四川省の成都。出張で成都を訪れたドンハ(チョン・ウソン)が、観光先の杜甫草堂でメイ(カオ・ユアンユアン)と再会するところからストーリーは動き始めるのでした。

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再会した2人は夕食を共にするのですが、ドンハはこの時、彼が帰国する時プレゼントした自転車をメイが捨てたことを知ります。当時から彼女に好意を抱いていたドンハはそれがちょっとショックで信じられない様子。しかしこれが物語展開上で重要な伏線となっているのでした。このシーン、2人の間の当意即妙な大人の会話がとても素敵です。変にベタベタせず、しかしお互いの好意を全く隠すわけでもない、その辺のバランスが実に上手い脚本。ホ・ジノ監督の上手さが光ります。とはいえストーリー全体を観れば韓国映画に良くあるベタベタな話になりがち。そこでアクセントになるのが支社長役のキム・サンホでした。

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牛丼についてる紅しょうがというか、カレーライスの福神漬けというか、彼が登場して物語の流れを一旦コメディチックな雰囲気にしてくれることで、その後再び続く2人のラブストーリーに、新たな新鮮さを与えてくれるんです。実にいい味を出してる名脇役っぷりでした。ところで劇中ずっと、メイはドンハの事をあくまでも中の良い友達関係に固執しています。どう見ても彼を嫌いではないはずなのですが…。これは当然何かあるのだと思わせるものの、それは最後まで解らないのでした。そんな抑え目の関係のまま、ドンハの帰国を空港で見送るメイ。しかしやはりお互いの感情は押さえ切れません。空港での別れはある種ラブストーリーとしては鉄板のシチュエーションですね。

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手をつないで歩く2人の間にはもうラブラブオーラ全開。もう何も遮るモノはないかに見えたのですが…ここに来てもメイはキスは許すものの最後の一線は超えられない。下世話ですが、男としてはここでのお預けは正直ツライ!でもどうして?その謎をとく鍵は自転車にありました。彼女はプレゼントされた自転車に1年前から乗れなくなったといいます。1年前といえば……そう四川大地震。しかしその事にドンハは気付きません。しかしそれは観ている私たちもこの時点では気付かないのですからドンハを責めるのは酷というもの。

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(ここからネタバレ含む)
実は彼女は結婚していました。彼女は四川大地震で夫を失いますが、そこから自転車に乗れなくなったのでしょう。夫を失った悲しみは彼女の心に深い傷を残し、その傷はまだ癒えていなかったのでした。つまり自転車は彼女の心の傷の象徴だったんですね。そして、そんな時に再会したドンハ…。彼を完全な恋愛対象として見ることが出来なくても無理はありません。しかも彼女の心の傷が完治するには、ドンハ出張中の2日間では短すぎた…。

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韓国にいるドンハから杜甫草堂に届いた一大の黄色い自転車。上司に手伝ってもらいフラフラしながらも、また自転車に乗れるようになるメイ。それはあたかも、傷ついた彼女がそこから懸命に立ち上がって再生していくかのようです。ラストシーンの終わり方、彼女を待つドンハの向こうに黄色い自転車の彼女が現れた瞬間に終わる余韻を感じさせつつの潔さが実に上手いと思います。爽やかな余韻が残る作品でした。

個人的おススメ度4.0
今日の一言:むしろカオ・ユアンユアンに癒されたい…

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