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2009年11月 9日 (月)

SOUL RED 松田優作

Soul_red 今尚燦然と輝きを放ち続ける名優・松田優作。彼の生誕60周年であり、没後20周年の節目の年となる今年、妻で女優の松田美由紀が立ち上げたのがSoul Red Project。そのProjectの1つとして、松田優作の数々の名シーンとともに、彼に関わりの深い人々へのインタビューで綴られた1本のドキュメンタリーが本作だ。監督は『世界はときどき美しい』の御法川修。

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永遠に色褪せない名優を想う

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実を言えば、私は取り立てて松田優作のファンだったわけではありません。実際に観た作品も『太陽にほえろ』や『探偵物語』といったTVドラマと、『人間の証明』『家族ゲーム』そして『ブラック・レイン』位です。それもはっきりと記憶に残っているのは大好きで何度も観た『ブラック・レイン』だけ。世のフリークの方々程に松田優作を語る術をもたないのですが、それでも数々の名作CFや今挙げた作品を含む名作TVドラマ・映画、トーク番組等の映像を見ると、懐かしくもカッコイイ、熱い松田優作の魂が垣間見られる、そんなドキュメンタリーでした。

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さて、作品は先に書いた映像と、松田優作にゆかりの方々のインタビューで構成されています。初っ端はやはり優作のハリウッドデビュー作『ブラック・レイン』のアンディ・ガルシアからなのが私としては嬉しいところ。アンディは大好きな俳優の一人なので。印象的だったのは自宅には家族以外の写真を置かない彼が、いつも座る場所に優作とおどけたポーズをとった2ショット写真を置いているというエピソード。アンディの語り口からは優作に対する深い友情とリスペクトが感じられて、何だか日本人として嬉しく誇りに感じます。

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ところで今をときめく香川照之が松田優作と共演していたとは軽い驚きでした。彼の話す松田優作の父性の話は興味深かったりします。優作は彼に「お前は絶対俺になれる。」と言ったそうで、彼は今でもその言葉を胸に抱いて芝居を続けているのですが、そう話す香川の表情には言われたことの嬉しさと、未だその域には達していないが、何れ達してみせるという決意のようなものが浮かんでいました。また、プライベートでも親しかった仲村トオルは言います。走る姿がかっこよかった優作のそのかっこよさを出すために、役者としてどれだけの節制や努力をしなければならないのかと。

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そうした日々の努力が松田優作をハリウッド俳優にまで押し上げたのですが、あの時代に本気でハリウッド進出を考え、役者としてそれを目指さないのは考えられないとまで言う彼の強烈な役者としてのデザイアーを今どれだけの俳優が持ち合わせていることか。(正直ちゃんと解釈できたのか自信がありませんが)彼の言う、日常の例えば家庭の中ですら演技を演技と意識せずに出来るようになる境地、逆に演技をしていないことが演技になる…、それができたら楽しいという意味の言葉からは、ストイックでありながらもどこかたかが演技じゃねえかと開き直るような、まさに松田優作ならではの魅力を感じます。

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他にも浅野忠信、宮藤官九郎、吉永小百合と早々たる俳優陣が松田優作との思い出や、彼との関わり方を語るのですが、個人的に面白かったのが作品の制作スタッフのインタビュー。監督、プロデューサー、脚本家、カメラマン…続々登場する中でも、何と言ってもこの人、森田芳光監督のインタビューが興味深いです。最新作『わたし出すわ』を世に送りだしたばかりのこの監督、松田優作とは『家族ゲーム』や『それから』でコンビを組んでいます。特に『それから』の制作の発端話は脚本家の筒井ともみの話も交えて語られており、いかにも松田優作らしいエピソードでした。

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他にも日本アカデミー賞を受賞した時の、スタッフから優作に贈った賞状の話や、森田監督が松田優作に影響されてサングラスをするようになった話、そしてそのサングラスに関してのサプライズエピソードなど、優作に信頼され苦楽を共にした人間ならではの秘話は実に楽しいです。そして最後に登場するのが2人の息子・龍平と翔太。改めて見ると、特に龍平は父に良く似てきました。言葉の端々から父にというより、大先輩の俳優・松田優作に対するリスペクトが素直に伝わってきます。まあ、まだまだ2人ともお父さんと比べたらヒヨッコですけどね。(笑)しゃべり方がボソボソしてるのは現代の若者だからなんでしょうか。

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残念ながら今回は奥さんで女優の美由紀さんは登場しません。出来れば彼女の語る、あるいは彼女にしか見せない松田優作の話を聞きたかった…。松田優作が亡くなって20年。自分自身が彼の年齢に近づいてみて、子供の時に彼に対して感じた気持ちとの変化があるのかとも思いましたが、全く変わっていませんでした。本当に色褪せない俳優です。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:時の経つのは早いものです…

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