のだめカンタービレ 最終楽章 前編

原作は二ノ宮知子の同名漫画。というよりももはや大人気ＴＶドラマ『のだめカンタービレ』の最初で最後の映画化といったほうが良いだろう。上野樹里や玉木宏以外にもテレビシリーズのメンバーが勢ぞろい。監督はＴＶドラマの演出も手がけた武内英樹。製作はフジテレビにこの人ありの亀山千広。ストーリー的にはスペシャルドラマ『のだめカンタービレ　ｉｎ　ヨーロッパ』からの続きとなる。
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大満足！最初に書いてしまいますが評価は★５の満点です。もはや映画がどうとかいう問題ではなく、ＴＶシリーズからのファンでＤＶＤも何度も見返している私的に、観終わって非常に大満足だったんで他に評価しようがないのです。この映画だけ観た方からすれば、千秋（玉木宏）がのだめ（上野樹里）を投げてるシーンが人形だとか、ほっぺたを赤らめるＣＧが変だとか、シュトレーゼマン（竹中直人）の外人の使う変な日本語がダメだとか突込みどころがあるのかもしれませんが、私からすればそれらは全て突込みどころではありません。

また、ドラマを観ていた方でもスペシャルドラマでいいじゃん！という方もいるかと思いますが、それも却下。映画化されたことに意味がありますし、オーケストラの音楽を劇場で聴けるのがいいのです。そんな訳で、今回のレビューはあくまでＴＶドラマを見ていた方を対象に書いていきたいと思います。即ち、これから私が書くのは大絶賛にしかならないので、気に入らないと思った点が多かった方は逆に読まないほうが良いかと思います。いずれにしても、ＴＢＳの『ROOKIES』、日テレの『ごくせん』と来て、フジテレビも年末に切り札を出してきたということでしょうし、大ヒットは間違いないでしょう。

それにしても相変わらずのだめちゃんが可愛い！上野樹里の最高のハマり役です。いつものハチャメチャ振りで、千秋にぶん投げられたり、引きずられたり、今回は特にパンツまで見せてくれます。（もちろん人形ですが…。）個人的に大笑いしたのは、孫Rui（山田優）と千秋が親しくしているのに嫉妬して、吸血鬼よろしく千秋の首に噛み付くシーン。まあ案の定すぐぶん投げられるのですがその後ののだめの目がまた笑えます。（上右の画像）そもそも千秋がいつも言うのだめの変態ぷりは映画ということでよりパワフルになっていました。変態の森もしっかり登場し、森の住人たちと歌い踊るなんてシーンもファンには嬉しく楽しいところです。

で、今回は千秋がかつてシュトレーゼマンも指揮を務めた“ルー・マルレ・オーケストラ”の常任指揮者となるというところから話が始まるのですが、前半はこんな２人やそこにフランク（ウエンツ瑛士）やターニャ（ベッキー）を加えたドタバタ喜劇が展開され、客席にもたびたび笑い声が飛び交っていました。「のだめカレー事件」もかなり笑えますから期待してくださいね。さて、千秋は常任指揮者になる前にエキストラで急遽“ルー・マルレ・オーケストラ”の指揮をすることになるのですが、このオーケストラのダメップリがまた相当なもの。最初のコンサート「ボレロ」の演奏ではではありえないミスだらけ。

常任指揮者として着任してから千秋がこのオーケストラをどう立て直していくのかは見所の一つです。なぜならここは、ＴＶドラマ版を観ていた方々はまずＳオケを思い出しますよね。元々シュトレーゼマンが指揮を執っていたということからして状況がまる被りです。（Ｓオケに関して解らない方はドラマを観ましょう。）さて一方のだめ。コンセルヴァトワールの進級試験のために特訓をしているのですが、進級試験ではトレビアン（最高評価）を獲得し、また一歩千秋との共演という夢に近づいたかに見えたのでした。ここでさりげない伏線が来学期の課題としてバッハの練習をしているシーン。一生懸命練習はしているものの今だ満足のいく出来ではないんですね。

千秋がオーケストラの定期公演に向けて練習をし始める後半は、以外にも真面目モード突入。そして演目にはバッハのピアノ協奏曲が含まれていたのでした。これを千秋は弾き振りする訳ですが、その実力はのだめ以上。ピアノ専門の自分が上手く弾けないバッハを指揮者の千秋が弾きこなす様子に大ショックののだめなのでした。ここでも上手いのが、演奏会の開始時間に遅刻したのだめが「開始を遅らせて」と千秋にメールをするシーン。千秋のセリフは「俺は先に行くぞ！」でした。

つまり、進級試験で少しは千秋に近づけたと思ったのだめが、弾き振りでむしろ千秋と遠くなったことを暗示させる一言だったのです。しかし私の見る限り千秋はこうなることが解っていたのではないかと思うんですね。そもそも演目にバッハを入れたのはシュトレーゼマンでした。彼は今のままではのだめは永久に千秋に追いつけないことが解っていたのではないでしょうか。そしてその想いは千秋にも伝わっていた…。最後に出てきたシュトレーゼマンがのだめのピアノを聴きたがったことから考えてもそれが自然な気がします。

最初に大満足と書きましたが、実は不満が１つ。それは後編の公開が来年４月だということ。間が空きすぎですって！こういうのは一気に観たいのに…。試写会応募しまくることにします。後編ではいよいよのだめもデビューしそうですし、前編では殆ど活躍シーンが無かった峰（瑛太）や清良（水川あさみ）はじめライジングスターオーケストラの連中も出てきてくれそうですから楽しみです。

>>『のだめカンタービレ最終楽章　後編』

個人的おススメ度5.0
今日の一言：谷原章介リキ入り過ぎです。（笑）

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