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2010年1月19日 (火)

板尾創路の脱獄王

Photo_2 吉本興業の芸人監督シリーズ。今回は個性的な芸だけでなく、『空気人形』等で独特の雰囲気を醸し出す演技にファンも多い板尾創路が監督デビューだ。主演はもちろん本人。共演に『パコと魔法の絵本』などの名優・國村隼が出演している。他にもぼんちおさむ、オール巨人、木村祐一、宮迫博之、千原せいじら吉本興業の芸人が多数登場する。脱獄王・鈴木の目的は一体何なのか…?
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吉本興業の芸人監督が昨年から続々デビューしていますが、松本人志、品川ヒロシ、木村祐一、ゴリ、の次はこの板尾創路。もともと個性派俳優としての評価は高く、最近では『空気人形』の好演が記憶に新しいところです。本作でも主人公の鈴木雅之は当然のことながら、作品全体に彼の持つ独特の雰囲気が良く出ていました。何しろ全くしゃべらない主人公というのも耳が聞こえない設定以外では初めて観ましたが、板尾創路自身のキャラクター的には殆ど違和感を感じません。通常時は完全に感情がオフになっているため、時々オンになる時の表情や行動に余計強いインパクトを与えています。

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共演の國村隼がまた実に味のある演技で魅了してくれるのですが、昭和初期の看守長という古色蒼然とした役柄はちょっと古い感じのする彼に良い意味でぴったり。板尾監督の空気感を邪魔せず馴染みながらも、その存在感は決して負けていないのが流石の名優です。ところでこの作品、予告編の段階から気になっていたのですが、なんと予告編にしか出てこない人もいるんですね。AV女優の長澤つぐみがそうなのですが、どんな役回りかは不明。背中に鈴木と同じ富士山の刺青があるのですが…。わざわざ予告編のためだけのキャスティングをしたりするこだわりがまた変わっていて板尾監督らしいです。

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さて、本作の見所は何と言っても脱獄シーン。具体的な手段は伏せますが、手段そのものよりも、それにかける準備の様子が面白かったりします。そのために敢えて毎日のようにボコボコに殴られたりするのですから、もはやここまでくるとプロの脱獄師?更に、特筆モノなのはその身体能力で、懐中電灯の光の死角に入ることで看守の目の前にいても見えないように潜む動きや、壁を乗り越えたり飛び越えたりするシーンはもはや完全にアクション映画並み。正に“鮮やか”という表現がぴったりです。しかし!なぜか塀の外に出ると必ず線路沿いを逃げてすぐ捕まる…。何かあるだろうと思うものの、最初は解りません。

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そんな鮮やかな脱獄シーンとは対照的に、捕まった後の拷問シーンはあまりに非人道的というか、酷過ぎてちょっと顔を背けたくなるようなものもあります。食い込んだ手枷のあとにウジが蠢くカットなどは一見どこにでもありそうで見かけないグロカット。顔が腫れ上がってもはや死んでしまうのではないかと、観ている方が心配になるほど殴る蹴るされますが、ここまでされても心が折れない鈴木の目的とは一体何なのか…。脱獄を繰り返す度に、鈴木の刑期は延びてゆき、ついには無期懲役を言い渡されて、一度入ったら戸籍を抹消され二度と戻れないと言われる監獄島に送られることになります。

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そしてこれこそが鈴木の狙いでした。もっとも真の狙いは更に別のところにあったのですが…。この島でも鈴木は脱獄します。少し残念に感じたのは今までの脱獄よりも描写が軽めで、ここまでにあった痺れる緊張感が殆どみられないんですね。脱獄の技そのものは「おぉ!」という感じだったんですが。要は絶海の孤島故に監獄から逃げ出しても島から逃げ出せないという設定なんで、看守側に緊張感がないというシチュエーションだからなんでしょう。ぼんちおさむ演じる所長が実に嫌らしい笑い顔でその旨を語りますが、何だか妙に間の抜けたシークエンスになってしまったように感じました。

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とは言うもののオチはこれがイイ!最後の最後に来て芸人・板尾創路らしいオチで、それを大真面目に、しかし相変わらずのキャラクターは崩さず突っ込む國村隼の図はこの手の作品としては中々観られないラストだと思います。某先輩芸人の如く奇をてらわずに、割とオーソドックスな作りでしっかりまとめながらも、その中で自分らしさをきっちり表現してきた板尾監督、まず初監督作品としては及第点。今後彼らしさが更に出た作品がどうなるのかが楽しみなところです。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:芸人よりも監督・俳優のほうが向いてる気がする。
評価点:67点(テスト中)

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受信: 2010年1月28日 (木) 06時43分

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受信: 2010年2月 4日 (木) 21時30分

» 板尾創路の脱獄王 [『映画評価”お前、僕に釣られてみる?”』七海見理オフィシャルブログ Powered by Ameba]
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受信: 2010年2月 8日 (月) 00時28分

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板尾創路の脱獄王は公開してる劇場が少なく困ったが 結論としては最後オチまでが予想よりシッカリで良いよ [続きを読む]

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受信: 2010年3月19日 (金) 22時42分

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受信: 2010年4月30日 (金) 08時17分

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受信: 2010年12月 2日 (木) 04時53分

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受信: 2010年12月12日 (日) 10時16分

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09年/日本/94分/ミステリー・サスペンス・コメディ/劇場公開 監督:板尾創路 企画:板尾創路 脚本:板尾創路、山口雄大 特殊メイク:西村喜廣 特殊造型:西村喜廣 編集:山口雄大 クリエイティブディレクター:山口雄大 出演:板尾創路、國村隼、オール巨人、阿...... [続きを読む]

受信: 2011年7月20日 (水) 00時18分

» 板尾創路の脱獄王 [我が頭に巣くう映画達]
18点 2010年の日本映画で、 監督、主演共に板尾創路さんがやっています。 板尾さんの長編映画監督のデビュー作です。 どんな刑務所からも脱獄する「脱獄王」と呼ばれる男がいた。 一体彼はどうやっ...... [続きを読む]

受信: 2012年3月10日 (土) 09時41分

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