グエムル -漢江の怪物-/괴물
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| 異色だけれど、やっぱりポン・ジュノ作品 |
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ポン・ジュノ監督作品は 『殺人の追憶』と『母なる証明』しか観ていないのですが、ここらでちょっと趣の違う作品も観てみたいと思います。劇場公開時はあのオタマジャクシのお化けのような怪物にちょっと引いてしまったのですが、改めてこうして鑑賞すると…、やっぱり引きました。(笑)とはいえ、この怪物“グエムル”、『ロード・オブ・ザ・リング』や最近では『アバター』のCGを担当したWETAワークショップが創ったそうです。なるほどCGの出来自体は実にリアルでした。ただやっぱり個人的にあの造形がどうも冴えないと思うのです。

意外だったのは、グエムルに人が襲われ、喰われるシーンは多々あるもののそれほど、というか殆どグロくありません。ハリウッドなら間違いなく人体を喰いちぎっているだろうところを、何故かまる飲みにするあたりはお国柄なんでしょうか。物語のプロローグ部分、グエムル誕生の理由に関しては非常に解り易く、要は在韓米軍基地から不法に捨てられた毒薬で何らかの生物が突然変異を起こし凶暴・巨大化したという訳。実にアッサリと進んでいくストーリーは、グエムルが登場してもそれほど修羅場とも見えず…、正直いってパク一家が勢ぞろいするまでは退屈なのでした。

ただ、本作のテーマは実に解り易いです。物語を通じて描かれているのは家族の絆の大切さであり、同時に人間の身勝手さ故に生み出されてしまったグエムルだけれども、ある意味そのグエムルより人間の方が余程恐ろしいという事実でした。ついでに言えばちょっぴり在韓米軍への批判も。グエムルに襲われた場所にいた人、或いはその人たちと濃厚接触した人はウィルス保持者として隔離されてしまうのですが、その扱いは酷いもので、娘ヒョンソ(コ・アソン)が生きていることを知ったカンドゥ(ソン・ガンホ)がそれを幾ら訴えても狂人扱いです。しかも、ウィルス撃退のために漢江に人体にも有害な特殊な薬剤を散布する計画まで決定する始末。

観ていてふと感じたのが、テーマが『もののけ姫』と似ているなと言う点でした。つまり悪いのは人間で、自然を侵した人間が自然からのしっぺ返しをくらうというストーリーなんですね。ともあれ、パク一家が隔離施設から逃げ出してからが物語の本番です。しかし父親のヒボン(ピョン・ヒボン)がグエムルに殺され、カンドゥは再び捕まり、弟ナミル(パク・ヘイル)とナムジュ(ペ・ドゥナ)もはぐれて家族はバラバラに…。一体ヒョンソはどうなるんだ?!そう思った時に、全ての歯車が噛み合ったかのように物語は解決に向かってゆっくりと動き始めます。ただ、どうなんでしょう。離れ離れになった家族が何だかんだ言いつつ携帯電話で連絡が取れてしまうというのは…。

まあソウルが舞台の現代劇なんで当たり前のガジェットといえばそうなんですが、いかにも都合が良すぎるというか。物語が解決に向かって進む開放感とともにやけに軽さを感じてしまったのでした。ただしクライマックスで兄弟それぞれが自分の手段でグエムルと闘うシーンは、俳優の演技力も手伝って迫力や必死の生々しさが伝わってくるものでした。当然CG相手に闘うのですから、実際には何もない空間に向かっての演技な訳です。しかしソン・ガンホ、パク・ヘイル、ペ・ドゥナの目力はさすがとしか言いようがありません。最後の最後で人間の感情を吐露させるかのような演出はやっぱりポン・ジュノ監督らしい作品だなと感じたのでした。

(ここから超個人的想い)
でもなぁ…あの結末は納得行かないです。え?なんで死んじゃったの?と思わずにいられなかったです。そもそも最初に攫われた時だって、ヒョンソは一回グエムルに飲み込まれてるハズ。いや細かいことはいいです。最後にヒョンソを死なせる意味が解らない…。それなら薬剤を散布された結果として全員死ぬほうがまだ納得できます。別にバッドエンドが嫌いな訳ではないですが、この作品では普通に生還すべきだと思うし、ヒョンソだけが死んで終わるというのは個人的にどうにも受け入れられない結末でした…。
個人的おススメ度
3.0
今日の一言:在韓米軍の悪者振りがまた面白い
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