« パーフェクト・ゲッタウェイ | トップページ | 50歳の恋愛白書 »

2010年1月26日 (火)

ユキとニナ

Photo_2 『M/OTHER』の諏訪敦彦とフランス人俳優のイポリット・ジラルドが共同で監督を務めた珍しい形の日仏合作。イポリット・ジラルドは主人公ユキの父親役としてスクリーンにも登場している。即興演出で知られる諏訪監督作品だけあって、それぞれのシーンの登場人物が見せるリアルな感情表現が見所だ。主演は演技未経験のノエ・サンピと子役のアリエル・ムーテム。少女たちの繊細な心に癒される。
>>公式サイト

まさに天使のようなユキとニナ♪

book あらすじへ book

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デスsunshine

01_2

とにかくユキ(ノエ・サンピ)とニナ(アリエル・ムーテム)が可愛らしいことこの上ない!劇中の設定と同じくノエちゃんは日本人とフランス人のハーフ。諏訪監督がルノワールの絵から抜け出てきたようだと絶賛しただけあって、まだ9才ながらも名女優の雰囲気を漂わせます。物語はこの2人を中心に描かれていくのですが、諏訪監督の手法として脚本は一応あるものの基本的にはその場その場の即興演出、細かい演技やセリフの言い回しは現場で決まります。それだけに、日本人の子役が見せる変に仕込まれたような演技ではなく、リアルで繊細な少女の姿がそこにはありました。

02_2 03_2

ユキとニナは大の親友、2人はいつも一緒に遊んでいます。ニナの家族は両親が離婚し母親カミーユ(マリリン・カント)だけ。ところがある日、ユキにも同じ状況が。母ジュン(ツユ)と父フレデリック(イポリット・ジラルド)が離婚し、ユキはジュンと共に日本に行くように言われます。知らない土地への不安、両親が分かれて欲しくないという子供なら当然の想いからユキは日本行きを嫌がります。面白かったのがこのことについて話すときのユキとニナとカミーユのシーン。カミーユは自分の経験にてらして2人に、どうして離婚をしたのかを話します。

04_2 05_2

しかし、納得いかないニナは机をバンバン叩きながら、母親にお互いの間にある問題を解決しようとしたのかと問い詰めるのでした。もとより二ナに意見は子供の意見であり、どうにも手段がないから離婚したのは言うまでもありません。ですが、こんなところにも、フランス人が幼い頃からきっちりと自分の意見を主張するように育てられているのだと感じられました。もっとも怒るニナはそれはそれでまたとてもおませさんで可愛らしいのですけどね。そんなちょっと大人びたシーンを挟みながら次のシーンでは反対にとても子供らしいシーンを展開してくれるのが嬉しいところです。

06_2 07_2

ユキとニナはユキの両親の離婚を思い止まらせるために一思案…。愛の妖精から離婚しないように言ってもらおうと思い立ちます。もちろんそんなものが実在する訳はなく、ユキが愛の妖精の名前で手紙を書き、2人でそれに飾り付けをしてポストに投函するのですが、仲良く楽しそうにデコレーションしている様子は、当たり前ながら事の本質を理解し切っていない少女たちであり、その無邪気な心には思わず笑顔がこぼれてしまいました。ポストに拍手をするユキの姿には会場から笑い声が。数日後、その手紙をジュンが受け取るシーンは本作で一番切なく、しかし私が一番好きなシーンです。

08_2 09_2

当然ジュンには誰が出したのかは一目瞭然。子供部屋からジュンの様子をチラチラとのぞくユキの顔は子供らしい期待感でいっぱいの表情です。ユキをテーブルに呼び、ジュンが手紙を読みながら号泣してしまう場面はユキたちの無邪気な願いを知っている私も涙腺決壊。ただそんな場でもユキだけはちょっと驚いたような表情でニコニコしながら、どうしたらよいのか解らない表情を浮かべているのが印象的でした。このあたりは登場人物の自然で素直な心情が垣間見える即興演出の良いところだと思います。ユキの「悲しくなるのに別れるの?」という問いに「今のままだともっと悲しいの。」と諭すように答えるジュン。

10 11

結局とりあえずジュンは一人で帰国します。このあたりの描写はないので良く解りませんが、恐らく本格帰国の準備のための一時帰国なのでしょう。ジュンがいない間に父フレデリックがユキが日本に行くように説得するのはちょっと意外でした。日本だとどちらが親権をとるのかの争いになりそうですし。悩むユキは、ちょうど母とケンカをして家出してきたニナとともに自分も家出します。森の中で迷子になるシーンでは当初ユキが泣き出す予定にしてあったのが、ノエちゃんの「私は泣きたくない。」という強い希望でその後の展開を変更させたのだとか。

12 13

ちょっと不思議なこの森の中のシーンは、ある種ファンタジックでもあり賛否が別れるシーンだと思いますが、ユキに日本行きを決意させるファクターとなる重要なシーンでもあります。私は全く許容範囲ですけど。何故なら森を通して日本の原風景と繋がるところにこの作品が日仏合作であり、ユキが日本とフランスのハーフであり、両方の国の心を大切にしたい想いが感じられたから。子供らしい繊細で自然な感情や表情、仕草を丁寧に描写している作品だけに、見ている方はとにかく見守ってあげたいという気持ちにさせられるでしょう。爽やかな後味が残った作品でした。

個人的おススメ度4.0
今日の一言:ノエとアリエルの10年後が楽しみです。
総合評価:74点

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

|

« パーフェクト・ゲッタウェイ | トップページ | 50歳の恋愛白書 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/197507/33132799

この記事へのトラックバック一覧です: ユキとニナ:

» ユキとニナ [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP]
親の離婚で子供が心に負う傷とそれを乗り越える力強さの両方を、あくまでも子供の目の高さで描く珠玉作だ。パリで暮らすユキは、仏人の父と日本人の母を持つ9歳の女の子。ユキはママから、パパと離婚して日本に帰国すると告げられショックを受ける。親友のニナと相談し両親....... [続きを読む]

受信: 2010年1月27日 (水) 23時47分

» ユキとニナ/ノエ・サンピ、アリエル・ムーテル [カノンな日々]
諏訪敦彦監督の作品なんですが映像的に日本映画っぽいとこが見られないので監督のことを知らなければフランス映画として観てしまいそう(日仏合作らしいです)。そういう私も諏訪作品はオムニバスの『パリ・ジュテーム』しか観たことがないのですが、シナリオを予め決めずに演....... [続きを読む]

受信: 2010年1月28日 (木) 10時10分

» 『ユキとニナ』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY ]
森の妖精に会えたよ。子どもの純真さも大人の思慮も宝物。 ユキとニナはパリに住む9歳の女の子。少女ものは大好き。でも、何でもいいってわけじゃなくて、子どもが実際こんな言動をするはずはないよっていう違和感をもたらすような、いかにも大人が作り出した子どもというんじゃダメなのだ。その点、いつも即興演出によって、リアルな空気とナチュラルなキャラクターを生み出してくれる諏訪監督ならば期待を裏切らない。フランス語は話せないらしいのに『不完全なふたり』というステキなフランス映画を撮った諏訪監督が、このたびは俳... [続きを読む]

受信: 2010年1月30日 (土) 02時19分

» 『ユキとニナ』(2009)/フランス・日本 [NiceOne!!]
原題:YUKI&NINA監督・脚本:諏訪敦彦監督・脚本・出演:イポリット・ジラルド出演:ノエ・サンピ、アリエル・ムーテル、マリリン・カント、ツユ観賞劇場 : 恵比寿ガーデンシネマ公式サイトはこちら。<Story>ユキ(ノエ・サンピ)とニナ(アリエル・ムーテル)...... [続きを読む]

受信: 2010年1月30日 (土) 09時01分

» *『ユキとニナ』* ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2009年:フランス+日本合作映画、諏訪敦彦監督&脚本、イポリット・ジラルド監督&脚本&出演、ノエ・サンピ、アリエル・ムーテル、マリリン・カント、ツユ、ポール・ジラルド出演。 [続きを読む]

受信: 2010年2月 7日 (日) 00時08分

» ユキとニナ♪YUKI & NINA [銅版画制作の日々]
 子供のままではいられない。京都シネマにて鑑賞。 フィクションではなく、ドキュメンタリー的な作品に見える作品でした。多分この2人の女の子が自然な演技だったからでしょうか。それに比べて大人たちの存在感は薄くて、ぼんやりしていましたね。それだけ彼女たちの演技が素晴らしいものだったのでしょうね。 いやいや恐れ入りました。まったく経験がないのに凄い子供たちですよね。ニナ役のアリエル・ムーテルちゃんは両親が離婚している設定なのだが、別れた母に、「どうしてもっと努力できなかったの?」と本音をぶつけるシーンな... [続きを読む]

受信: 2010年2月18日 (木) 21時07分

» ユキとニナ [とりあえず、コメントです]
諏訪敦彦監督がフランス俳優イポリット・ジラルドと共同の監督・脚本で作り上げたドラマです。 日本とフランスのコラボレーションでどんな作品が生まれたのだろうと気になっていました。 フランス人の父と日本人の母の間に生まれた少女ユキを主人公に 両親の離婚によって起きた心の揺れを子供の視線でシンプルに描いていて、 観ている者の心の中にそっと何かを残すような物語でした。 ... [続きを読む]

受信: 2010年2月23日 (火) 10時26分

» ユキとニナ [『映画評価”お前、僕に釣られてみる?”』七海見理オフィシャルブログ Powered by Ameba]
子供のままではいられない。 両親に離婚を告げられたユキ。家出をして深い森に迷い込んだユキを待っていたものは…。 フランスと日本を舞台に、新たな一歩を踏み出していく家族の姿を優しく描き出す珠玉の感動作! フランス人の父... [続きを読む]

受信: 2010年4月17日 (土) 01時27分

» 映画評「ユキとニナ」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆★(5点/10点満点中) 2010年フランス=日本映画 監督・諏訪敦彦/イポリット・ジラルド ネタバレあり [続きを読む]

受信: 2011年6月28日 (火) 14時02分

« パーフェクト・ゲッタウェイ | トップページ | 50歳の恋愛白書 »