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2010年1月 3日 (日)

彼岸島

Photo_2 週刊ヤングマガジン連載中の松本光司原作の同名漫画を実写映画化。主演は『ごくせん THE MOVIE』の石黒英雄。共演は『クローズZERO』の渡辺大、「のだめカンタービレ」の水川あさみ、ドラマ『華麗なる一族』の山本耕史、『スラッカーズ 傷だらけの友情』の弓削智久といった若手中心のフレッシュな顔ぶれが揃う。監督は『火山高』のキム・テギュン。
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何故無理してまとめたのだろう…

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連載開始当初から愛読しているだけに、どうも安っぽいCGと何より大幅に変わってしまった設定とストーリーが残念でならない作品でした。宮本明(石黒英雄)が青山冷(水川あさみ)に連れられて、仲間と共に彼岸島に向かうまではまあよいとしても、最大の失敗はそこから先のストーリーを、本作一本で無理にまとめようとしたことでしょう。実際問題現在進行形の話を何故無理に完結させる必要があったのか。しかもどうせ最後の最後で、続編に含みを残すような終わり方をするのなら、何故最初から長い物語の一部を切り取る形にしなかったのか。

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映画化にあたって、色々と原作から設定が変わることは良くありますが、原則として変えてはいけないポイントはあるはず。例えば原作では吸血鬼に血を吸われると苦しみながらも快感を覚え失禁までしてしまうという設定になっているものの、本作ではただ吸うだけ。それだと本当に西洋のヴァンパイアになってしまいます…。死の恐怖や絶望感に苛まれながら、でも体は快感を感じてしまう、それはどんなに強靭な精神力を持っていようとも例外は無く、そのアブノーマルなある種SM的設定は作品の個性だと思うのです。

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また、明は本来その潜在能力を開花させた後も、様々な苦しみを乗り越えて精神的にタフになっていくのですが、本作ではその辺りの描写が実にいい加減。親友・ポン(森脇史登)の死に方は変えてはいけない設定の一つです。何故か。ポンはメインの登場人物では一番最初に死ぬことになるのですが、それは吸血鬼ではなく吸血鬼からも嫌われる亡者という存在になって殺されるというのが本来のストーリー。もう人間には戻れないポン、しかし心情的に殺せない明に、最終的に殺してくれと彼自身が言うことで人間としての尊厳をもった死を迎えるのです。そして同時にこの経験が明を精神的にタフにする一つの要素となるのでした。

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とりあえず師匠のもとに連れて行ったら今まで全然へっぽこだったのが、あっという間に潜在能力が開花して強くなるなんてのは、猛烈に説得力に欠けるものの、まあ時間の都合上よしとしましょう。しかし、本当の強さは技の向上ではなく、精神力の向上であるというのが本作の非常に重要な設定。だからこそ時として非情に徹して仲間を置き去りにしたりするシーンが用意されている訳です。つまり簡単に言えばポンは本作のように篤ではなく親友の明に殺されなくてはいけないのです。そうやって自分で手にかけたからこそ明の心の強さの糧となり、雅に対する敵愾心が一層駆り立てられるという作品の流れは改変するべきではありません。

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クライマックスに登場する巨大なオニと呼ばれる生き物。まずお粗末なCGですね。もうちょっとちゃんと作りましょう、カクカク動いてるって今時あり得ないです。で、それよりも重要なのがオニの説明が何も無いこと。オニは邪鬼と書きます。元々は吸血鬼だったのが、人間の血を長期間吸わないと邪鬼へと変身してしまい、そうなると人間だろうが吸血鬼だろうがお構いなし。だから邪鬼が出てくる前に吸血鬼たちが一斉に避難したんですね。邪鬼は『彼岸島』において実に重要な役割をもっており、連綿と続くストーリーの中でも、様々なタイプが登場します。それだけに後々のことを考えるならば、タダのでかい怪物扱いにしたのは失敗です。

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さて、最後に一番大きな失敗は、雅を倒してしまったこと。何故そんなことをする必要があるのかが全く解りません。とはいいつつも、最後の最後でまだ生きているかのような映像があり、続編でがあれば蘇ってきてもおかしくないような伏線は貼られています。例え続編が無かったとしても、そこまで変えてしまったら既に『彼岸島』の世界観を持った別の作品になってしまいます。韓国人の監督さんですが、一体どのぐらいまで原作を読み込んだのか。本来の漫画が持つ深みを上手く活かした演出とは到底言いがたい作品です。

個人的おススメ度2.5
今日の一言:日本の漫画は日本の監督で…

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受信: 2010年2月15日 (月) 03時25分

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» 映画評「彼岸島」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
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受信: 2011年5月 7日 (土) 10時37分

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