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2010年2月16日 (火)

ゲキ×シネ「蜉蝣峠」

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前作ゲキ×シネ「五右衛門ロック」から8ヶ月余り、人気の舞台をスクリーンで上映するゲキ×シネ作品だ。演出家いのうえひでのり率いる劇団☆新感線の“いのうえ歌舞伎”シリーズの1本。脚本は大人計画の宮藤官九郎を迎えオリジナル脚本で臨む。主演は当然この人・古田新太。客演に堤真一、高岡早紀、勝地涼らが出演。オリジナル団員の橋本じゅん、高田聖子らの弾けた芝居にも注目だ。
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やっぱりゲキ×シネは面白い!

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あまりに面白すぎるゲキ×シネ「五右衛門ロック」から8ヶ月余り。またしてもゲキ×シネ上映となれば見ないわけにはいかないと、早々に前売り券を購入して待ちわびていた作品です。いや待っていただけあって、やはり面白かった!ただ、いきなりこんなことを書くのもなんですが、ゲキ×シネ「五右衛門ロック」には及ばない作品でした。これはお芝居を構成する要素である脚本(宮藤官九郎)、舞台演出(いのうえひでのり)、出演者のそれぞれが少しずつ及ばなかったからなのですが、特に比べなければ十分にこれだけで面白い作品です。しかも宮藤官九郎脚本の映画は数多いだけに、映画ファンにとっては割りと馴染み易いかもしれません。

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クドカン脚本ならではのしょーもない小ネタは随所にちりばめられているのですが、何よりいきなり初っ端に堤真一が軍鶏の着ぐるみで出てくるとは思いませんでした。しかも何故かサングラスで関西弁。(笑)真面目な印象の堤真一に殆どコントにしか見えないこの格好をさせるのは完全に観客の意表をついていて、一気にそこで引き込まれます。やはり、せっかく客演で出てもらうからには、普段の役者の顔とは違った一面を見ることが出来ると何だか得をした気持ちになれますね。その意味では高岡早紀はちょっとオーソドックスだったように思います。勿論取り立てて芝居が下手だとは思わないのですが。

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またクドカンお得意の繰り返しネタも健在で、今回その役を担っていたのは勝地涼。無論ネタはここには書きません。というか書いても面白くないですから…。ところで、クドカンのオリジナル脚本は確かに面白いんですが、ややこじんまりとまとまっている様に感じます。いや、ネタは爆発というかかなり好き勝手やっているのですが、ストーリーの展開としてはオーソドックスなんです。今回も結末としては案外普通に感動系にまとめてきてましたし。そのせいか、演出的にも「五右衛門ロック」で見せてくれたような弾けた豪快さは少しなりを潜めていたように思います。

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今回観ていて一番感じたのは、「スクリーンでお芝居を観てる」ということでした。花道までも使い、実際にカメラが演者の近くで回ることによる、今にも汗が飛んできそうな迫力と動き、実際にそこに座っていなくても、スクリーンでそれが味わえるのがゲキ×シネの良いところだと私は思うのです。今回は割りと舞台は舞台と割り切られていて、本当の意味でお芝居を撮影した作品でした。もちろん静的な良さはそれはそれであります。というより、本来の観劇とはそういうものでしょうから。っとまあ、何やら物足りないことばかり書き連ねてしまいましたが、観れば解りますがそれでもメッチャ面白いです。

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堤真一や古田新太の殺陣など結構見応えありますし。あ、そうそう、最初に書いた軍鶏はもちろん堤真一の本当の役ではありませんから。実際にはカッコいいヤクザ・天晴(あっぱれ)という役です。個人的には劇団☆新感線のオリジナル団員である橋本じゅん、高田聖子らの芝居に、劇団専門の意地を見たような気がしました。堤真一が一流の役者なのは衆目の一致するところですが、ホームグラウンドである舞台では彼らだって負けて無いです。といいながらも内容的にはオリジナル団員3人でなんちゃってパフュームをやるあたりがかなり笑えて個人的にはお気に入りなんですけどね。

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ちなみに今回キスシーンがある古田&高岡コンビ。古田新太の息を荒くしながら「早紀ちゃん…早紀ちゃん…ハァハァ…」ってセリフ(だと思う…)が頭にこびりついて離れません。(笑)なんてことを書きながら、その2人のインタビューを読むと、やはり彼らも“寄り引きだけの映画”舞台中継のように見えるのが反省点だと言っていました。映画と舞台のアプローチの違いはもちろんあとは思いますが、映画が映画でしか出せないものを舞台の良さにプラスするゲキ×シネはこれからも新感覚エンタテインメントの名に恥じない作品として私たちを楽しませて欲しいものです。

>>ゲキ×シネ「五右衛門ロック」
>>ゲキ×シネ「蛮幽鬼」

個人的おススメ度4.0
今日の一言:インターミッション15分挟みます
総合評価:75点

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