ウィニングチケット 遥かなるブダペスト
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サッカーくじで大穴を引き当て、なんと給料100年分にも相当する大金を手にしたとある男の物語。ハンガリー動乱という歴史的大事件を背景にしたヒューマンドラマだ。一体幸せとは何なのか、お金は人を幸せにできるのか?この根源的な疑問にリアルに応える問題作。2003年の第16回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品された作品がようやく日本で日の目をみる。 |
| 史実と庶民の関係は垣間見えるが… |
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ウィニングチケットと聞いたらダービー馬。菊花賞馬ビワハヤヒデと皐月賞馬ナイタタイシンとの三強時代が懐かしく思い出されます。私は断然ナリタタイシンのファンでしたが…。っと、そんな一部の人しか解らないことはさておき、パイオニア映画シネマディスク配給第2弾のハンガリー編。『だれものでもないチェレ』に続いて本作を鑑賞してきました。ウィニングチケットとは文字通り当り券のこと。主人公のベーラ(シャーンドル・ガーシュバール)はサッカーくじで何と年収の100年分にも相当する大金を当ててしまうのでした。

しかし1956年といいますから今から53年前に既にサッカーくじが存在しているとは驚きですね。そういう点を見ても日本と異なりサッカーが文化として根付いているヨーロッパの歴史を感じさせられます。ただヨーロッパに根付いているのはサッカー文化だけでなく、侵略の歴史もそうであり、当時のハンガリーはソビエト連邦の支配下にありました。ベーレが金を受け取って家路につこうとしたまさにその時、後にハンガリー動乱として知られる民衆の蜂起が起こります。時に10月23日のことでした。

っと、このあたりの歴史の流れなどもちろん知る由もないのですが、一応作品の最初に日本語による歴史解説が2カットにわたって挿入されていました。ただ、そうは言っても所見かつその事実をそこで初めて知る人間が本作を観ても、いま一つ背景が掴みにくいというのが正直な感想です。今そこにいるのがどの立場の人間なのかが考えないと解らないのと、見た瞬間に解るのとでは大きな違いですから…。いずれにしてもベーラは結局その大金を自宅に持って帰ることとなるのですが、家族はそりゃもうどうしたらいいのか解りません。

そして観ている私たちも、その金額が年収の100年分とはいうものの、貨幣の価値観が解らないんでどう捉えたら良いのか解りません。まあ、うん億円というところなんでしょうか?ベーレはお金の使い道を色々と考える訳ですが、持ちなれない大金なんか持つとろくなことがない。街のみんなに見つかってつる仕上げを食らう夢を見て飛び起き、金の入った鞄の隠し場所を必死で探したり…。結局そのお金を使って街から避難しようという奥さんの意見を無視して、親戚のピシュタが提案したお金の使い道に乗ってしまうわけです。

生まれ育った街は出たくない。でももうこの大金は何とかしちゃいたい。ノイローゼ状態のベーラが気の毒やら羨ましいやらです。もっともこの計画はとある事件で頓挫し、ベーラが家に帰るとそこにはもう家族の姿はなく…。残ったのは大金と下宿人のローザだけ。アパートの住人たちに酒食を振舞うベーレはからは「もうこんな金使い切ってやる!」というヤケクソな気持ちだけが漂います。それにしてもまあお金が人を幸福にするわけではないという解りやすいメッセージが伝わってきますが、背景となっているハンガリー動乱に関しては、東欧諸国に良くある民衆蜂起をソ連が力で抑え込んだ一例としか受け取れません。

例えばじゃあ動乱が起こらなかったらベーラは大金を得て幸せになれたのでは?逆に言うとそんな風にも受け取れてしまう訳です。一庶民に振って沸いた出来事を描いた作品としては、当時のハンガリーの実際が垣間見える面白さはあるものの、私にとってはそれ以上でも以下でもないものとしか感じられませんでした。
個人的おススメ度
2.5
今日の一言:楽器の音や歌声がもろアフレコなのが…
総合評価:48点
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