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2010年3月18日 (木)

アイガー北壁/Nordwand

Photo

前人未到のアルプスの難所・アイガー北壁の初登頂に挑む若き2人のクライマーたちの壮絶な運命を描き出した実話ベースの山岳ドラマだ。出演は『スピード・レーサー』のベンノ・フュルマンと『グッバイ、レーニン!』のフロリアン・ルーカス、『バーダー・マインホフ 理想の果てに』のヨハンナ・ヴォカレクドイツの人気俳優。監督は本作が長編二作目となるフィリップ・シュテルツェル。
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迫真の映像にただただ目を奪われる

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何と凄まじい映像の迫力なのか。まさしくスクリーンから伝わってくるのは、極限状態で懸命にもがく人間そのものでした。様々な山岳映画がありますが、本作に匹敵する映像は昨年公開された『剱岳 点の記』ぐらいではないでしょうか。ただし実際にあった悲惨な事故をベースにした物語ですから、主人公の2人の死は最初から解っています。その分観ている側の心に掛かる負荷は大きのではないか、そんな風にも感じました。最初に書いてしまいますが、この作品に感動はないです。最後にはただただ呆然と、力尽きてザイルに宙吊りになっているトニー・クルツを見つめるだけ…。

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さて、1936年の夏。ナチスドイツが国威発揚のためにアイガー北壁の初登頂をしたものに金メダルの授与を約束するところから話は始まります。トニー・クルツ(ベンノ・フユルマン)は冷静でクレバーな司令塔、アンディ・ヒンターシュトイサー(フロリアン・ルーカス)は攻撃的なアタッカー、この2人はドイツ国内でも実力派のクライマーで、紆余曲折はあったものの彼らもアイガー北壁に挑戦することにするのでした。そしてそんな2人を取材するのが幼馴染で今はベルリンの新聞社に勤めるルイーゼ・フェルトナー(ヨハンナ・ヴォカレク)です。

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観ていて一番感じたのは、これほどの山を制覇するのには細かい積み重ね、例えて言うのであれば複雑なチャート図の無数にある選択を出来るだけ正確に答えなければいけないのだろうということ。その意味では登頂開始から折に触れて「Yes?No?」と問われるような場面が何度か出てきます。一番最初の選択は、事前に途中まで登りキープしてあった荷物の袋が破れアイゼンが無くなっていたことでした。山の神は2人に「それでも登るか?」と問いかけているのです。2人の選択は「Yes」でした。もちろんこの一度の回答がミスだったとしても、正解への道筋へ戻ることは可能です。

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ところが、普段ならばその神の声に素直に耳を傾けていたであろう司令塔のトニーですら、同時に登頂を開始したオーストリア隊への対抗意識、即ちそれは初登頂をしたい、そして金メダルを得たいという欲に負けていたと思うのです。結果、彼らは数々の問いに対して誤った回答をし続けることになります。もちろんそれはオーストリア隊の2人にも言えることでした。彼らのうちの1人は落石で頭を怪我したにも拘らず登頂を続けます。そして後に自分の名前、ヒンターシュトイサー・トラバースと呼ばれることになるトラバースでアンディがザイルを回収してしまったことで、もはや正解へ戻る道筋は絶たれたのでした…。

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もちろん欲望が成功の力となることはありますが、私はトニーが最初に北壁への挑戦をしないと決めた時に「何番目に登るかは問題じゃない。」と言った言葉が忘れられないのです。山の神は無欲に自分に挑んでくるものにのみ微笑みかけるのかもしれません。さて、映像的にはここからが凄まじい!吹雪の中、登頂を断念し、怪我で動けない一人をフォローしつつの下山。この半端じゃない吹雪は実際に山の撮影のほかに、北壁と同様の超低温にした冷凍庫の中で撮影したのだそうです。雪にまみれて凍る眉毛、凍傷で真っ黒に変色した手や顔。

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実際にビバークしているところから一歩踏み出せば断崖絶壁ですが、彼らの命もまさしく極限の断崖絶壁にあるのは明白です。登頂中、たびたび彼らとアイガー麓のホテル内の様子とが切り返されるのですが、おかげでより一層彼らの置かれた極限状態が強調されるのでした。とにかくこれがフィクションである映画の映像なのかと思うほどの迫真の映像で、それこそホテル内の映像が挟まっていなかったらドキュメンタリーかと思ってしまうほどなのです。結局トニーを除く3人は雪崩に巻き込まれ、アンディはトニーを救うために自らザイルを切断します。

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既にザイルもなくなりその場から動けなくなったトニーの立っているのは、山の途中の坑山口から僅か200mのところでした。お互いの声も聞こえる中、吹雪のためにたったそれだけの距離を助けに行けない…。トニーの命の炎が消えていく様子が誰の目にも明らかでそれはもちろん私たちとても同じこと。「何とかならないのかよ!」悲痛な心の叫びを発せずには居られませんでした。最後の力を振り絞り、下から渡されたザイルで降りてきたトニー。励ますルイーゼとの距離は僅か5mほど。しかしそれは永遠に届かない5mだったのでした――。

個人的おススメ度4.0
今日の一言:何が嫌いって山登りほど嫌いなものは無い。
総合評価:77点

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☆☆☆☆★ (10段階評価で 9) 5月29日(日) WOWOWのHV放送を録画で鑑賞。 [続きを読む]

受信: 2011年6月 1日 (水) 20時08分

» 映画「アイガー北壁 」そこに山があるからって簡単には言えない [soramove]
「アイガー北壁 」★★★☆WOWOW鑑賞 ベンノ・フュルマン、ヨハンナ・ヴォカレク、 フロリアン・ルーカス、ウルリッヒ・トゥクール出演 フィリップ・シュテルツェル監督 127分、2010年3月20日公開, 2008,ドイツ、オーストリア、スイス,ティ・ジョイ (原作:原題:NORDWAND)                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 「間違えて録画していたものを 冒頭だけどんなか見... [続きを読む]

受信: 2011年7月29日 (金) 20時29分

» アイガー北壁(DVD) [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
1936年、前人未踏だったアルプス連邦の難所“アイガー北壁”に挑んだ若き登山家たちの壮絶な運命を、実話に基づいて描く山岳映画。監督・脚本はドイツの新鋭、フィリップ・シュテル ... [続きを読む]

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受信: 2012年2月22日 (水) 22時36分

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