« モリエール 恋こそ喜劇/Molière | トップページ | ニンジャ・アサシン »

2010年3月10日 (水)

悲しみよりもっと悲しい物語/슬픔보다 더 슬픈 이야기

Photo

元祖韓流スターのクォン・サンウ主演最新作。病で余命がない主人公が、愛する人を幸せにするために自らは身を引きながら彼女に尽くすという哀しくも切ないラブストーリーだ。共演には『卑劣な街』のイ・ボヨン、『カンナさん大成功です!』のイ・ボムスらが出演。監督は本作がデビュー作で詩人のウォン・テヨン。
>>公式サイト

泣ける!でも本当はもっと泣けるはずだ!

 あらすじへ 

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デス

01

“『ラブストーリー』、『私の頭の中の消しゴム』に魂の純愛物語”これが本作のキャッチコピーで、『ラブストーリー』はともかく(スイマセン)『私の頭の中の消しゴム』にボロボロ泣いた私としては、割と期待をして出かけたのでした。主演もペ・ヨンジュン、チョン・ウソンと名前では前二作に引けをとらないクォン・サンウですしね。ところが!何だかいつになっても泣けるどころか、うだうだとちっとも話が先に進まない…。「これいつまで続くのかなぁ…」なんて思い始めたラスト20分ほどからが結構来ました。そう、簡単に言うと物語の大半はクライマックスへの布石と言っても良い、そんな構成になっている作品なのでした。

02 03

主人公ケイ(クォン・サンウ)がガンか何かの不治の病で余命幾ばくもありません。一緒に住む幼馴染のクリーム(イ・ボヨン)のことを愛してはいるけれど、そのために告白もできない(しない)し、まして結婚など夢のまた夢、だからケイの夢はクリームがいい男を見つけて結婚し幸せになることでした。そして、ケイはそのために一生懸命裏で画策する訳です。……っという所までは予告編でしっかり謳っているので知っていて観ていました。もちろんこのケイのやりきれない悲しみは“悲しみよりもっと悲しい物語”なのだけれど、知っていて観ている以上、物語の大半を閉めるケイ目線での話は、実はそんなに感動するものではありません。

04 05

延々と続くこのパートは、ケイとクリーム、彼らの積み重ねてきたもの、それはケイと結婚することになるジュファン(イ・ボムス)のことも含めて、それを知るためにある時間であり、言ってみれば『カールじいさんの空飛ぶ家』の冒頭に映像と音楽だけで綴られる人生のようなものなのでした。クライマックスに向けての助走なだけに、ここはケイの愛情のクリームに対する愛情の深さを見つめたいところです。が!はっきりいっていくらなんでも長すぎ。2人が知り合ったきっかけやら、2人の中睦まじい様子は良いのです。そうではなくてケイがクリームとジュファンを結び付けようとするシークエンスがダラダラと延々見せすぎ。

06 07

ケイがどうしたいのかはもう解っているし、ケイの気持ちはその時点で痛いほど伝わってます。故に「くっつけようとしてるのはもう解ったから先行ってくれ…。」というのが正直なところでした。基本的に今回クォン・サンウは全編暗い表情で、いわゆる諦観を漂わせているのですが、それだけに時々見せる喜怒哀楽の感情表現が、効果的に彼の気持ちを伝えてくれました。印象深いのはクリームのウェディングドレスドレス選びに付き合わされた時。ケイもタキシードを着るように言われて2人で写真を撮るのですが、ちょっと照れくさいような、そしてちょっと嬉しそうな控えめな表情が胸に響きました。しかし真に“悲しみよりもっと悲しい物語”はこの後に控えていたのです…。

08 09

(ここよりネタバレ含む。)
実はクリームはケイが不治の病であることに気づいていました。その上で、彼の夢が自分が幸せな結婚をすることだというのならば、それを叶えてあげようとするのです。愛しているが故に愛する人の願いを叶える為に愛する人から離れる…あまりにも悲しく切ない決断です。そしてこの時点からクリーム目線での物語へと形が変わるのでした。「ここで振り向いてくれたら抱きしめてあげよう」、「あなたの夢って何?」、クリームの放ついくつものきっかけに悉く引っかからないケイ。はっきりいって、どう考えても残されるほうが辛いに決まってます。自ら身を引いてクリームの幸せを願うといえば聞こえは良いですが、それはあくまでもクリームが彼の秘密を知らないことが前提ですから。

10_2 11

実はこのシークエンスでは、クリームがどれだけケイのことを愛しているのか、その部分が描かれるのですが、ダラダラと長いケイの同様の意味合いのシークエンスに比べてこちらは簡潔にかつ深く私たちに見せてくれます。むしろ中だるみしてしまうよりは、このぐらい短い間に凝縮したほうが観ている側も集中して受け止められるのではないかと感じました。さて、お互いの自己犠牲で相手を愛するのは確かに“悲しみよりもっと悲しい物語”ではありますが、このままでは結婚相手であるジュファンがいい面の皮に……と思いきや、彼の秘密も明かされるのでした。そう、何を隠そうジュファンも元々クリームのことが好きだったのです。

12 13

……さすがにこれは蛇足でしょう。少なくとも最初から一切そんな気配は無かったにもかかわらず、最後の最後に帳尻合わせのようにそんな様子を見せられても、ちょっと興醒め。上映時間104分は今時ではむしろ短い部類ですが、それでもちょっと長く感じたのは、元々の脚本自体がそこまでの中身の濃さを持っていないということではないかと思います。それでも確かに泣けました。しかし作り方次第ではもっと大きな感動が得られたのではと思わずにいられません。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:イ・ボヨンて坂井真紀だよなぁ…
総合評価:58点

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

|

« モリエール 恋こそ喜劇/Molière | トップページ | ニンジャ・アサシン »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 悲しみよりもっと悲しい物語/슬픔보다 더 슬픈 이야기:

» プリンセスと魔法のキス Ne-Yo [一流ビジネスマンのためのニュースブログ]
<お買い得情報> セレブ御用達のファッションアイテムが激安♪バッグ・アクセサリーパシュミナ天国 ホンコンマダム 今なら楽天カード作成で、実質無料~2000円引きで、上記商品が購入できちゃいます! 超お得!楽天で2000円分のお買い物ができる楽天カードの申込は下記をクリック!! 楽天市場で使える2,000円分のポイントプレゼント中! --------------------------------------------------------------------のこたべ ママズシ... [続きを読む]

受信: 2010年3月10日 (水) 18時06分

» プリンセスと魔法のキス 前売り券 [最新ニュースまとめサイト]
プリンセスと魔法のキス 5 世界中を魅了した「美女と野獣」「アラジン」を超える、極上のラブ・ストーリーが誕生する! 2010年、春。ディズニーの極上の魔法が、新しい奇跡を巻き起こします。登場するのは、美しいプリンセスと一匹のカエル。“プリンセスのキスでカエルが王子様に戻る”と思っ ... (続きを読む) <senken h 101>シネマ: あなたにとっての本当に大切なものとは? 20103月... [続きを読む]

受信: 2010年3月11日 (木) 03時06分

» 「悲しみよりもっと悲しい物語」 [みんなシネマいいのに!]
 かつては韓国映画と言えば、特集上映でしか観ることができなかったが、「冬のソナタ [続きを読む]

受信: 2010年3月18日 (木) 22時34分

» 悲しみよりもっと悲しい物語/クォン・サンウ [カノンな日々]
クォン・サンウ主演の韓国お得意の珠玉のラブストーリー。昨年末くらいからこれまでシネマート六本木に行くたびに劇場予告編を目にしてましたけど、公開まで時間がありすぎたせいか予告編を見飽きてしまうという変な感じにもなってしまいましたけど、それでもやっぱり楽しみ....... [続きを読む]

受信: 2010年3月21日 (日) 22時53分

» 「悲しみよりもっと悲しい物語」 [てんびんthe LIFE]
「悲しみよりもっと悲しい物語」シネマート六本木で観賞 ノベライズを翻訳したのは蓮池さんだそうです。 ちょっと原作読んでみたいかも…なんちゃって。(無理) クォン・サンウ主演のラブストーリーなんですが、クォン・サンウのラブストーリーって私は魅力を感じないんですが。 既に海賊版DVDでご覧になった方々に言わせると、お金払って見るような作品ではない。 という事なのでシネマートのポイントで観賞しました。 10Pマイナスなのに何故か1Pふえてて、結局9Pの消化となりました。 どういうこっちゃ... [続きを読む]

受信: 2010年3月25日 (木) 21時29分

» 悲しみよりもっと悲しい物語 [シネマDVD・映画情報館]
3人の男女の、それぞれの愛の形を描くラヴストーリー ストーリー:孤児として育ったケイと、事故で家族を亡くしたクリーム。学生時代に出会った二人は、やがて同居を始める。毎日食事をともにし、悩みを打ち明けているうちにお互いを特別な存在と思うようになる。だがケイは、自分の体が不治の病に侵され余命わずかということを隠し、自分の代わりにクリームを愛する男性が現れることを願っていた。そんなある日、クリームはジュファンという男性と出会う。 解説:韓流スターとして絶大な人気を誇るクォン... [続きを読む]

受信: 2010年4月29日 (木) 09時36分

» 悲しみよりもっと悲しい物語 [ダイターンクラッシュ!!]
2011年1月9日(日) 17:40~ 三軒茶屋中央劇場 料金:0円(二本立ての二本目) パンフレット:非売 悲しみよりもっと悲しい物語 [DVD]出版社/メーカー: エスピーオーメディア: DVD 『悲しみよりもっと悲しい物語』公式サイト 少年の頃に孤児となったクォン・サンウ。同じような境遇の娘と共同生活をする。 大人になっても共同生活をしている二人だが、クォン・サンウは癌の末期で、近いうちに死にゆく運命。 同居の娘に、素敵な男と結婚することを願い、奮闘するクォン・サンウだが。 物語の... [続きを読む]

受信: 2011年1月10日 (月) 14時18分

» 映画評「悲しみよりもっと悲しい物語」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆☆(6点/10点満点中) 2009年韓国映画 監督ウォン・テヨン ネタバレあり [続きを読む]

受信: 2011年2月28日 (月) 00時14分

« モリエール 恋こそ喜劇/Molière | トップページ | ニンジャ・アサシン »