« 第82回アカデミー賞 | トップページ | 悲しみよりもっと悲しい物語/슬픔보다 더 슬픈 이야기 »

2010年3月 9日 (火)

モリエール 恋こそ喜劇/Molière

Photo

17世紀フランスの天才劇作家モリエールの若かりし頃を描いたまさにフィクションの伝記だ。まさに映画そのもので舞台喜劇を演じているかのようなストーリーはフランス映画でありながらも明るい笑いが溢れている。主演は『PARIS(パリ)』のロマン・デュリス。共演にファブリス・ルキーニ、リュディヴィーヌ・サニエらが出演。監督はこれが2作目の長編作品となるローラン・ティラール。
>>公式サイト

エスプリの効いたフランス喜劇です

book あらすじへ book

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デスsunshine

01

私にとっては俳優・江守徹の名前の由来になったという事のほうが有名なモリエールの伝記モノ。以前から何度も書いているように歴史モノ・伝記モノ大好きな私としてはかなり楽しみにしていた作品でした。結果、予想通り楽しめたのですが、フランス映画でこんなに笑えるとは思ってもおらず、ちょっと意外な気持。まさにこの作品そのものが舞台喜劇のようであり、いわゆるアメリカンなコメディというよりは、本当の意味で計算された上品な質の笑いであったように思います。主人公モリエールを演じたロマン・デュリスは初見でしたが、売れない若手劇作家のイメージが見事にピッタリ。

02 03

というか日本でもそうですが売れない劇作家のイメージってぼさぼさの長髪に無精ヒゲと相場が決まっているのは何故でしょう?(笑)物語はそんなモリエールが13年前を回想する形で始まります。借金が払えず逮捕・投獄されたモリエールは、大富豪ムッシュ・ジュルダン(ファブリス・ルキーニ)に助け出されますが、条件としてジョルダンに芝居を教えることになるのでした。選択の余地の無いモリエールがジョルダンの豪邸にタルチュフという名の司祭として住み込み始め、ここから大いなる喜劇のスタートとなります。そもそもジュルダンが芝居を習いたい理由からして滑稽。

04 05_2

彼は妻も子もある身でありながら、未亡人となった20歳の公爵未亡人セリメーヌの気を引きたい、あわよくばお付き合いしたい…なんて思っていたのでした。モリエールもさることながらこのジュルダンがキーマンで、いわゆるボケ役を一手に引き受けてくれるのです。ファブリス・ルキーニの演技はこれがもう素晴らしい。どこか子供っぽさを漂わせた表情、特にそのちょっとつぶらな瞳がもう見るからにお馬鹿で、人は良いけれど頭は空っぽな感じがありあり。生まれつきもあるのでしょうが、日本でいうと荒川良々の顔を見たときに感じるような何とも言えず間の抜けた空気感が漂います。(決してバカにしているわけではありません。悪しからず。)

07 07_2

やる気も無くいい加減なジュルダンに呆れたモリエールは、屋敷から逃げ出そうとしますが、その時に図らずもジュルダンの妻マダム・ジュルダン(ラウラ・モランテ)の着替えを覗いてしまいその美しさに一目ぼれ。人妻へちょっかいを出すのですから、一般的なフランス映画ならもうこれはドロドロの展開が待ち受けているところ。しかしこれは喜劇。モリエールの正体が役者で劇作家だと解ると、意外にすんなり二人はラブラブに…。もともとお間抜けジュルダンにいい加減嫌気がさしていたのと、ジュルダン自身も妻を顧みなかったという部分もあるんでしょうが…。ただ、いくら喜劇といってもこの恋は成就しません。

08_2 09_2

ところでこのラウラ・モランテというイタリア出身の女優さん、初めて見たのですがそのスマートな美しさがかなり素敵です。男としてはそのコルセットをしたドレスから溢れんばかり、というか時々溢れていた胸に目が釘付けだったのですが…。劇中、ジュルダンの「胸が丸見えだぞ。隠せ。」なんてセリフもあるのですが、全く持ってその通り。ちなみにとてもではないですが53歳には見えません。物語進むとこのマダム・ジュルダンがモリエールとって大きな存在であったことが判明してきます。即ち、売れない劇作家モリエールに国中で公演をうちながら旅して回るように勧めたのも、いい加減喜劇を卒業したいと悩む彼にアドバイスを与えたのも彼女でした。

10_2 111

最初に書いたとおりこの物語は今のモリエールが13年前を回想したお話。再び話が今に戻った時、マダム・ジュルダンは病の床にあり、余命わずかでした。結局は今も昔も結ばれることの無い悲恋・悲劇。しかし彼女の存在が劇作家モリエールを生み出したとすれば、それは悲劇が喜劇を生み出したといえるかもしれません。実際にはこの逸話はフィクションだということですが、それにしてもモリエールらしい上手い脚本だと思います。日頃フランス映画は重いから嫌!と思われている方も、この作品に関しては大丈夫。フランス映画の入口には丁度良い作品だと思います。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:リュディヴィーヌ・サニエって30歳なの?うっそー!
総合評価:67点

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

|

« 第82回アカデミー賞 | トップページ | 悲しみよりもっと悲しい物語/슬픔보다 더 슬픈 이야기 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/197507/33697791

この記事へのトラックバック一覧です: モリエール 恋こそ喜劇/Molière:

» モリエール 恋こそ喜劇 [映画ガイド「やわらか映画」]
モリエール 恋こそ喜劇 (2007)今回の映画は、「モリエール 恋こそ喜劇」です。本作「モリエール 恋こそ喜劇」は、17世紀フランスの天才劇作家、モリエールの青年時代を描く歴史喜劇です。監督は、ロラン・ティラール。1644年、パリ。22歳の劇作家モリエール... [続きを読む]

受信: 2010年3月10日 (水) 23時53分

» モリエール 恋こそ喜劇 [風に吹かれて]
喜劇を創造して公式サイト  http://www.cetera.co.jp/moliere劇作家モリエールの伝記上、空白とされる数ヶ月を、フィクションで描く。1644年のパリ。若きモリエール(ロマン・ [続きを読む]

受信: 2010年3月11日 (木) 11時17分

» モリエール 恋こそ喜劇/ロマン・デュリス、ファブリス・ルキーニ [カノンな日々]
作品についても題材になってる劇作家モリエールについても全く知識はないのですが、たまたま目にした劇場予告編が何気に笑えて面白かったので、ただそれだけで気になって観に行ってきちゃいました。 出演はその他に、リュディヴィーヌ・サニエ、ラウラ・モランテ、エドゥ....... [続きを読む]

受信: 2010年3月11日 (木) 11時49分

» 『モリエール恋こそ喜劇』(2007)/フランス [NiceOne!!]
原題:MOLIERE監督:ローラン・ティラール出演:ロマン・デュリス、リュディヴィーヌ・サニエ、ファブリス・ルキーニ、ラウラ・モランテ鑑賞劇場 : ル・シネマ公式サイトはこちら。<Story>1644年・パリ。22歳の演劇青年モリエール(ロマン・デュリス)は、「タ...... [続きを読む]

受信: 2010年4月 1日 (木) 21時52分

» モリエール 恋こそ喜劇 [シネマ大好き]
劇団が破産し、借金のせいで投獄されたモリエールが、釈放されてから再び劇団と合流するまでの間に起こったことを描いたフィクション。 投獄されたモリエール(ロマン・デュラス)を救ったのは、裕福な商人ジュルダン(ファブリス・ルキーニ)だが、彼の目的は、社交界の華..... [続きを読む]

受信: 2010年4月17日 (土) 21時42分

» 〜『モリエール 恋こそ喜劇』〜 ※ネタバレ少々 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2007年:フランス映画、ローラン・ティラール監督、ロマン・デュリス、リュディヴィーヌ・サニエ、ファブリス・ルキーニ、ラウラ・モランテ、エドゥアール・ベール出演。 [続きを読む]

受信: 2010年4月18日 (日) 09時56分

» 〜『モリエール 恋こそ喜劇』〜 ※ネタバレ少々 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2007年:フランス映画、ローラン・ティラール監督、ロマン・デュリス、リュディヴィーヌ・サニエ、ファブリス・ルキーニ、ラウラ・モランテ、エドゥアール・ベール出演。 [続きを読む]

受信: 2010年4月18日 (日) 17時49分

» 「モリエール 恋こそ喜劇」 [みんなシネマいいのに!]
 モリエールって洗剤じゃないのか?と考えている人が多いと思うが、それはアリエール [続きを読む]

受信: 2010年5月 2日 (日) 22時55分

» モリエール 恋こそ喜劇 [迷宮映画館]
これは傑作!!フランス映画を堪能した! [続きを読む]

受信: 2010年9月12日 (日) 07時35分

» 『モリエール』『オーケストラ』をギンレイホールで観て、満足に次ぐ満足だった男ふじき☆☆☆☆,☆☆☆☆ [ふじき78の死屍累々映画日記]
至福の二本立てでした。 そして、ギンレイホールらしく完全満席。 座席脇通路もみんな劇場の座布団敷いて全部埋まった。 人がいっぱいいる劇場はいいな (それなりの不埒者が混入しちゃうのは致し方ない)。 ◆『モリエール』 五つ星評価で【☆☆☆☆ちょっと見....... [続きを読む]

受信: 2010年11月 1日 (月) 12時30分

» 映画評「モリエール 恋こそ喜劇」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆☆★(7点/10点満点中) 2007年フランス映画 監督ローラン・ティラール ネタバレあり [続きを読む]

受信: 2011年6月21日 (火) 13時23分

» 『モリエール 恋こそ喜劇』 [千の天使がバスケットボールする]
フランス人の180万人もの動員して観客満足度96%! この本国では大ヒットしたが、日本ではプチ不発に終わったのがコメディの恋愛映画『モリエール、恋こそ喜劇』である。フランス人と日本人の笑いのセンスは、多少違うのか? ところで、フランスが誇る17世紀の劇...... [続きを読む]

受信: 2012年3月 4日 (日) 10時56分

» モリエール 恋こそ喜劇(DVD) [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
17世紀のフランスで喜劇王として名を馳せた天才劇作家モリエール。その生涯で空白となっている若き日の数ヶ月にスポットを当て、笑いとロマンスを交えて描いたフィクション。出演 ... [続きを読む]

受信: 2012年3月29日 (木) 19時15分

« 第82回アカデミー賞 | トップページ | 悲しみよりもっと悲しい物語/슬픔보다 더 슬픈 이야기 »