ソウ3/SAW3
大人気シリーズの第3弾。前作に引き続きダーレン・リン・バウズマンが監督。生みの親でもあるジェームズ・ワンとリー・ワネルはこれもまた引き続き製作総指揮を務めた。主演のトビン・ベル扮するジグソウの新たなゲームがまた始まるが、またしても観客はそれに騙されるだろう。前作までの謎に答えつつも、新たな謎を残すというファンには貯まらない展開だ。 |
定番パターンの確立か? |
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うーん…。血の出るシーンなど極僅かでも、天才的な脚本で私たに緊迫感と衝撃を与えてくれた1作目。そこからすると随分ただのホラーに成り下がったなぁという感じです。正直言って1作目は血が嫌いなひとにも、映画の質の高さでおススメできましたが、ココまで来てしまうともうそれも無理。ハッキリ言って血は飛び散り、グロ系満載。私が今まで本質的に苦手で敬遠してきた作品になってしまいました。作風的には前作と同じダーレン・リン・バウズマン監督ということもあって、前作をより過激にした感じ。既にジェームズ・ワンのものではないような気すらします。
一作目へのセルフオマージュなのか、始まりは闇の中。前作最後で一作目の舞台となったバスルームに閉じ込められたエリックが目覚めると左足には枷が…。おっ!っと思ったのも束の間。えらくあっさりと自分の足を犠牲にすることを決めて、自分の足を叩き潰すといういきなりの凄惨なシーンです。ここから暫くの間は「何で今回はこんなにグロなの?」と思うほどに気持ちの悪いシーンの連続でした。手足を鎖で繋がれそれを肉ごと無理やり引きちぎるやら、爆発で飛び散った内臓やらと正直1作目が傑作のソウシリーズでなかったらもう観るのを止めていたでしょう。
さて、前作から残った謎の一つ「アマンダはこれからどうするのか。」その答えが先ずは冒頭で明かされます。平たく言えば彼女はジグソウの代わりに被験者にゲームを持ちかけます。当然助かるには苦痛を伴う何かをクリアしなければならない…というのは同じだけれども一点違うのは、彼女のだすゲームには正解がないということ。つまり、“DEAD OR ALIVE”ではなく“DEAD OR DEAD”なんですね。というか、それってタダの人殺しじゃん…ってなもんなんですが、実はそこが今回のゲームの肝だと気付かされるのは例によって一番最後。グロくて苦手だけど、相変わらず騙されるこの脚本力。リー・ワネルは本当に上手いです。さて、このあと今回も前作同様ジグソウ側と食肉工場の地下という二元中継。
ジグソウ側には誘拐されてきた医師のリン(バハー・スーメク)が、地下に閉じ込められたのはジェフ(アンガス・マクファーデン)が登場します。で、これまた例によってジェフの側はさしたる緊張感もなく一本道で話は流れるという前作以上に面白くもない作り。ただし寒い系とか臭い系とかグロ系のシーンがもれなくプレゼント。(笑)というか、この作品はいつから拷問器具実演映画になったんでしょう?まあそんなことを言っても始まらないのですが…。とりあえず、前作で本当のゲームはこちらでないと学習している私としては、本命はジグソウ側だとしっかり注目していたのでした。
リンの首にはジグソウの心臓が止まると爆発する爆弾が巻かれています。しかし、どうもリンとジグソウ、あるいはアマンダとの間に、ゲーム特有の匂いを感じない…。もちろんジグソウはリンに「ゲームをしよう。」とは言っているんです。何だか冴えない会話劇を見せられつつ、ジグソウの頭の手術シーンを見せられたりで、「本線と関係ないグロってどうなのよ?」なんて思っていたのでした。が…、違った!ラストでまた自分が騙されていたことに気付きます。このシリーズの鉄則は「ゲームにはルールがある。」ということ、そして「ジグソウの言うことは絶対」ということ。
ということは…、そう先に書いたとおりその鉄則を破っていたアマンダこそが今回のジグソウのターゲットなのでした。またしてもジグソウのしいたレールの上を走らされたのは劇中の登場人物だけでなく私たちも同じこと。アマンダの回想によって一作目、二作目に何が起こっていたのかが全て明らかになり形の上では一区切りがつきます。繰り返しになりますが、やたらと人を殺さなくても、グロくなくても脚本と演出だけで緊張感と衝撃を与えてくれた一作目からすれば、二作目以降はやはり明らかにバウズマン監督のものであり、こうして定番パターンが確立することで凡作へと変わっていくような気がするのでした。
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個人的おススメ度3.0
今日の一言:見届けたいけどここまでかな…
総合評価:62点
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